[管理番号:4043]
性別:女性
年齢:46歳
いつもこちらのコーナーで勉強させていただいております。
昨年7月に左乳がんが判明しました。
エストロゲン受容体 強陽性
プロゲステロン受容体 強陽性
ハーツ― 陽性
ki67 10%位
大きさは26mm位とのことで、術後の美容性を考え術前にて、抗がん剤+ハーセプチンとリュープリンで、治療を行い、手術直前にはMRIで確認できないほどの大きさにまで縮小し、今年4月に部分切除していただきました。
術後は、化学療法閉経しているので、リュープリンはせず、放射線が今年6月に終了、ハーセプチンは今年8月で終了し、現在は、ノルバテックスの服用のみとなっております
質問ですが、あおむけになって手を挙げた状態で触ると、右側乳房の乳頭近くの外側に、手に触れる小さなしこりを感じます。
新しく右側にも乳がんができたのではないかと不安に感じていますが、
左の乳がんがトリプルポジティブだったこともあり、フルコースの治療が8月に終わったばかりで、たった4か月で素人が手で触ってわかるサイズの癌が新たに発生したりするものでしょうか?
ホルモン陽性の乳がんだろうと、ハーツ―陽性の乳がんだろうと、抑え込める治療をしてきたのだから、これは乳がんではないのでは?という思いと、でも、もし、万が一乳がんなら治療開始は早い方が良いのだろうと、すぐにでも病院に飛んでいきたい思いもあり、どうすべきか悩んでおります。
次回の担当医の診察日が1月上旬です。
もし、8月のフルコースの治療が終わってから、たった、4か月で手に触れるサイズまで大きくなるものが、さらに1か月以上待っていて、また大変な治療をしなくてはならなくなってはつらいと思う反面、違うのであれば、それでなくても混雑している乳腺科の先生に予約を繰り上げていただくような、負担をかける受診の仕方をしたくありません
しこりが触れる場所は乳頭のすぐ近くなのですが、特に乳頭から分泌物がでるでもなく、引き攣れがあるなどの症状もありません。
次回の診察日まで待っても大丈夫でしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
メール内容からすると、質問者は「左乳癌と右胸のしこり?は全くの別物」という理解はされているように思います。
念の為ですが…
乳癌は決して「対側に転移再発」はしません。
◎もしも今回の右胸のシコリが(万が一)乳癌であれば、(ご本人が理解されているように)「全く新期の右乳癌」ということになります。
抗ガン剤やハーセプチンが終了し、ホルモン療法中ということですね。
ここからは(私は、質問者を診察しているわけではないので)あくまでも可能性の話をします。
このQandAでも、かつてありましたが、
抗ガン剤中は「抑えられていた(場合によっては縮小していた)」対側乳癌が、抗ガン剤が終了すると同時に、徐々に増大して(ホルモン療法中に)「顕在化する」ことがあります。
「フルコースの治療が8月に終わったばかりで、たった4か月で素人が手で触ってわかるサイズの癌が新たに発生したりするものでしょうか?」
⇒ありえます。
4000を超えた、このQandAから探し出すのは困難ですが、(私の記憶では)そのようなケースがありました。
上記コメント通りなのです。
やはり「抗ガン剤に比べてホルモン療法は(目に見える程の)対側乳癌を抑制される程の力」は無いものなのです。(ホルモン療法は画像で見えない位のものを抑制させると考えてください)
「次回の診察日まで待っても大丈夫でしょうか?」
⇒絶対に待ってはいけません。
直ぐに受診してください。
質問者様から 【質問2】
先日はありがとうございました
一昨年7月に左乳がんが判明しました。
エストロゲン受容体 強陽性
プロゲステロン受容体 強陽性
ハーツ― 陽性
ki67 10%位
大きさは26mm位とのことで、術後の美容性を考え術前にて、抗がん剤+ハーセプチンとリュープリンで、治療を行い、部分切除していただきました。
術後は、化学療法閉経していたので、リュープリンはせず、放射線と、ハーセプチンも終了し、現在は、ノルバテックスの服用のみとなっております
前回の質問では、健側にしこりがあるように思えるが、次回の検診まで待って大丈夫でしょうかということを質問しました
すぐに診察に行くように進めていただき、さっそく主治医にお願いしたところ、予約を繰り上げて下さり、エコーで丁寧に確認いただいた結果、私が気が付いていなかっただけで、以前から嚢胞があるが、悪いものではないので心配いらないといっていただいて安心して日々を過ごしております。
その節はありがとうございました
今回の質問ですが、化学療法閉経していたので、ノルバテックスのみの服用としていましたが、昨日から、生理が始まりました。
次回の診察は4月半ばです。
診察時には、リュープリンを打っていただくほうがいいのでしょうか?
それとも、生理が始まったからには、診察を速めていただいてでも、すぐにリュープリンを打っていただくほうがいいのでしょうか?
40代後半なので、生理があってもリュープリンは不要であるという考え方はありますか?
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
対側乳癌ではなかったとの事。とても幸いでした。
化学療法閉経についてですが
SOFT試験ではLH-RHagonistによる効果は以下の2つの場合と結論しています。
1.35歳未満
2.化学療法閉経が回復した場合
○質問者は「2に相当」するわけです。
「今回の質問ですが、化学療法閉経していたので、ノルバテックスのみの服用としていましたが、昨日から、生理が始まりました。」
「リュープリンを打っていただくほうがいいのでしょうか?」
⇒その通りです。
「それとも、生理が始まったからには、診察を速めていただいてでも、すぐにリュープリンを打っていただくほうがいいのでしょうか?」
⇒そこまでの緊急性はありません。
「40代後半なので、生理があってもリュープリンは不要であるという考え方はありますか?」
⇒冒頭でコメントしたように…
化学療法閉経から回復した場合には「LH-RHagonistをすべき」と思います。
質問者様から 【質問3】
発熱しました
性別:女性
年齢:47歳
管理番号:4043です。
お忙しい中、2度のアドバイスありがとうございました。
先日の相談の折、田澤先生にアドバイスいただいたように、3か月に1度LH-RHagonistを打っていただいています。
今回の質問ですが、乳がんとは直接関係ないのかもしれませんが・・・
正しくはどうすべきだったのか、今後の参考のために教えていただきたくメールいたしました。
先日、39度を超える高熱が出て、体中が痛くなり、リンパ節が腫れぼったくなりました。
1年前に左胸の放射線を当てていただいた部分が、放射線の痕(普段うっすら黒いのでまだ識別できます)とまったく同じ形に真っ赤に腫れあがり、熱を出している体温より熱い状態になっていました。
ただ、胸の状態に気が付いたのは、発熱した翌々日だったということもあり、発熱初日は、市民病院で救急夜間外来を受診し、熱中症だろうとのことで、ソルデム1輸液を点滴してもらいました。
翌日も熱は下がらず、今度は救急ではないので、近所のかかりつけの内科を受診し、ソリューゲンG注500ml・ジアイナミックス注射液10ml・ビタミンC注「フソー」500mを点滴してもらいました。
それでも熱は下がらず、翌朝もう一度同じ内科を受診しました。
ここで胸の状態に気が付き、内科には相談しましたが熱とは関係ないとのことで、血液検査の結果白血球とCRPが上昇していたので、ロセフィン1gを追加で点滴してもらい、クラビットという飲み薬をいただいて帰ったところで胸の腫れと赤みがましになり、ようやく熱も下がり始めました。
クラビットを5日間(もらったのを全部です)のみつづけ、熱が下がって1週間たってもまだ少し胸の周りが赤いのがうっすら残っていて消えきっていません。
病院に行くたび診断結果が変わっていったこともあり、本当にこれでよかったのか、もしかしたら放射線を当てた影響とか、手術の影響とかがあってそうなっていて、本来であれば乳腺科のクリニックや放射線を当ててもらった病院に行くべきだったのだろうかと今更になって不安になってきました。
熱が出たのが原因で傷あとが腫れたり、術後の痕が極端に熱くなっていたのか、逆に手術や放射線などのあとが原因で熱が出たのか、いったいどっちだったのでしょう?
こういう場合、どこの病院に行くのが正解だったのでしょうか?
田澤先生に患部を見ていただいたわけではないので、回答いただくのは難しいかもしれませんが・・・もうしばらく待てば赤くなっているのも治ってくるのでしょうか?
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「左胸の放射線を当てていただいた部分が、真っ赤に腫れあがり、熱を出している体温より熱い状態」
⇒蜂窩織炎のようですね。
乳癌術後の蜂窩織炎では「患肢」が有名ですが、(温存乳房の場合には)「術後乳腺の蜂窩織炎」が起こりえるのです。
☆原因としては「温存乳房内のリンパ流が(手術で)阻害されるので、浮腫みがちとなり、何かのきっかけで炎症が起こり易い」のです。
治療としては「安静、冷却、挙上」です。
炎症の極期には抗生剤を投与したりもします。
♯患肢の蜂窩織炎の場合には、それがきっかけで「患肢浮腫」となることがありますが、乳房の場合にはそれがないので(その点は)心配ありません。
質問者様から 【質問4 かゆみについて】
性別:女性
年齢:48歳
管理番号4043です。
お忙しい中何度もアドバイスありがとうございます。
トリティブポジティブ乳がんで、手術後の放射線が終了し2年が経過しました。
現在はノバデックスと化学療法閉経回復後にリュープリンをル注射していただいております。
今回相させていただきたいことはかゆみについてです。
今年は花粉がきつかった影響があり、従来のアトピー性皮膚炎が悪化し体中に赤い発疹がでました。
放射線を受けた皮膚の近くにも発疹があります。
皮膚科でビーソフテンローションとボアラクリームを処方していただきかゆいところに塗布するように言われていますが放射線の後はまだほんのり黒くほかの皮膚と同じように扱っていいものか不安に感じています。
先日も2度目の蜂窩織炎の症状がでて、放射線の後が真っ赤に腫れ上がり高熱が出たので、乳腺科に見ていただいたところ小さな傷ができてそこからばい菌が入ったのではないかといわれました
診察時にはおもいいたらなかたのですがアトピーを無意識に掻いてしまった可能性があるなと思います。
同じようにならないためにアトピーの対策をしなくてはならないと思いますが、放射線の後も普通の皮膚と同じように皮膚科でいただいた薬を塗布しても問題ないでしょうか?
それから、反対側の乳頭付近にもかゆみがあります。
アトピーの症状が出ていないので、もしかしたら更年期症状によるかゆみの可能性があるなと思っているのですが、こちらについても同じ薬を塗って大丈夫でしょうか?
お忙しい中、乳がんに直接関係ないような質問で申し訳ないですがお手数ですが、ご回答いただけると嬉しいです
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「放射線の後も普通の皮膚と同じように皮膚科でいただいた薬を塗布しても問題ないでしょうか?」
⇒勿論です。
「それから、反対側の乳頭付近にもかゆみがありますアトピーの症状が出ていないので、もしかしたら更年期症状によるかゆみの可能性があるなと思っているのですが、こちらについても同じ薬を塗って大丈夫でしょうか?」
⇒それは、皮膚科の先生と相談しましょう。