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術後の治療について

[管理番号:2531]
性別:女性
年齢:27歳
初めまして。
去年の年末に乳がんだと診断を受け今は手術が終わり治療方法に悩んでいます。
手術前の針生検の結果
T1c19mm ステージ1 NG3 ER7+ Pgr7+ Her2- Ki19%
この結果からホルモン治療を5年間(注射2年、服薬5年)必要であれば抗がん剤もするかもしれないグレーなラインだと言われていました。
先日出た手術後の病理結果
2.1×1.4×0.7cm ly1 v0 水平方向浸潤部20mm、垂直方向0.7mm
グレード3 リンパ節0/2 センチネル0/1
ER+++、 Pgr++ 、Her2 1+、Ki12.2
手術が早く受けれるとゆうことで系列の別病院(B病院)で、診断を受けた主治医により手術を受け、病理の結果をB病院で聞きました。
治療方針は、
抗がん剤3ヶ月→放射線治療1ヶ月→ホルモン治療5~10年
主治医へ病理結果を持って行ったところやはり同じように言われました。
2つの病院から言われるとゆうことはKiが20%以下でも抗がん剤をするべきなのでしょうか?
主治医は若いから心臓や血液などの副作用の心配は殆どないと言われていました。
ではなぜ抗がん剤をしない方はいるのかと不思議です。
主治医に再発率を教えてもらったのですが
無治療55%、ホルモン治療のみ38%、抗がん剤治療のみ39%、ホルモン治療+抗がん剤26%
若いわりには大人しいタイプだと言われていたのに想像していたより高い数値に不安でたまりません。
腫瘍は2.1cmでステージ2Aになってしまうからこのような数字になるのですか?
浸潤部の2.0cmとゆうのは最大浸潤径とは別ですか?
田澤先生であればどのような治療方を提案していただけますか?
結婚していることもあり、子供を望んでいたところ
乳がんだと診断をされ念のためにと術後すぐに受精卵保存をしてあります。
できれば自然妊娠の希望も捨てたくはありません。
妊娠はやはり全ての治療が終わってからの方がいいのでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT2(21mm), pN0, luminalA(Ki67=12.2), NG3
「治療方針は、抗がん剤3ヶ月→放射線治療1ヶ月→ホルモン治療5~10年」
「2つの病院から言われるとゆうことはKiが20%以下でも抗がん剤をするべきなのでしょうか?」
⇒27歳という年齢とNG3を考慮してなのでしょう。
 ただ、luminalAだからホルモン療法単剤という選択はあります。
 
「主治医に再発率を教えてもらったのですが無治療55%、ホルモン治療のみ38%、抗がん剤治療のみ39%、ホルモン治療+抗がん剤26%」
⇒化学療法による上乗せが「12%」あるので、抗がん剤も視野には入ります、
 ただ、「21mm」というのが微妙です。
 もしも「20mm」とすれば、無治療41%、ホルモン治療の身27%、ホルモン治療+抗ガン剤18%となります。(化学療法の上乗せが9%となります)
 
「腫瘍は2.1cmでステージ2Aになってしまうからこのような数字になるのですか?」
⇒浸潤径が1mm大きいだけで「上記のように数字が変わる」のです。
 
「浸潤部の2.0cmとゆうのは最大浸潤径とは別ですか?」
⇒これは「水平方向」だから、「奥行きを使った測定で最大浸潤径が21mmとなる」ようです。
 
「田澤先生であればどのような治療方を提案していただけますか?」
⇒「水平方向20mm」であれば、「浸潤径20mm」と考えてもいいとは思います。
 luminalAだし、「数字ほどには化学療法が有効ではない可能性」もあります。
 ホルモン療法単剤でもいいと思います。
 
「念のためにと術後すぐに受精卵保存をしてあります。
妊娠はやはり全ての治療が終わってからの方がいいのでしょうか?
主治医へ病理結果を持って行ったところやはり
同じように言われました。」
⇒もしも化学療法をするなら、
 「化学療法」⇒妊娠・出産・授乳⇒「ホルモン療法」を勧めます。
 
 
 

 

質問者様から 【質問2】

前回の質問に回答いただきありがとうございます。
乳がんかもしれないと言われてからずっとこちらのQ&Aを参考にさせてもらっていました。
先生へ質問させていただいた後も化学療法をするかとても悩みセカンドオピニオンを受けたところ、やはりしておいた方がいいと言われました。
再発の可能性と不安を少しでも下げるために前向きに考えて抗がん剤(TC)をやろうと思っています。
私はルミナールAになるのでしょうか?そのため回答いだだいたように数字程の上乗せ効果はないのですか?やることに意味はありますよね。
卵巣保護のためにもリュープリンも合わせてやることになりました。
ホルモン治療は化学療法、放射線後から始めないといけないのでしょうか?
前回田澤先生は化学療法、放射線後に妊娠を進めてくださいましたが、主治医やセカンドオピニオン先の先生にも、妊娠は全ての治療が終わってからにしたほうがいいと言われました。
子供は2~3人欲しいと思っているのですが、
3年でホルモン治療を一度中止するのは再発の可能性が上がってしまいますか?
全てパーセンテージであって今後どうなるかは誰も分からないことだと分かってはいますがとても不安です。
この年齢で乳がんになる確率はとても低いはずなのにと思うと弱気になり、少ない確率の方に入ってしまうのではないかと考えてしまいます。
先生の病院へセカンドオピニオンに行こうかと迷いましたが遠方であり難しく、今後の治療も考えこちらで質問をさせていただけることに感謝しています。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「私はルミナールAになるのでしょうか?」
⇒その通りです。
 
「そのため回答いだだいたように数字程の上乗せ効果はないのですか?
やることに意味はありますよね。」
⇒ルミナールAでは「抗ガン剤の効果はあまりない」というデータはあります。
 積極的に勧められるものではありません。
 
「卵巣保護のためにもリュープリンも合わせてやることになりました。」
⇒LH-RHagonistを併用することによる「妊よう性の維持」については疑問があります
(乳癌学会もエビデンスが乏しいので勧められないとしています)
 
「ホルモン治療は化学療法、放射線後から始めないといけないのでしょうか?」
⇒別に併用でも構いません。
 
「前回田澤先生は化学療法、放射線後に妊娠を進めてくださいましたが、
主治医やセカンドオピニオン先の先生にも、
妊娠は全ての治療が終わってからにしたほうがいいと言われました。」
⇒私はあくまでも「ホルモン療法前の妊娠」でいいと思っています。
 
「子供は2~3人欲しいと思っているのですが、3年でホルモン治療を一度中止するのは再発の可能性が上がってしまいますか?」
⇒私は、そもそも「ホルモン療法は後でもいい」と思っています。
 「ホルモン療法前の妊娠」も「ホルモン療法3年後の妊娠」も「ホルモン療法5年後の妊娠」も大して変わりはないと(私は)思います。
 ただし、「妊娠し易さ」は確実に減少していくでしょう。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

回答ありがとうございました。
先週抗がん剤を始めようとワンタキソテールを投与して5分経った頃に
息が浅くしかできなくなり顔が真っ赤になって腹痛もありました。
その後時間を置いて2回試したのですが喉に違和感があり息苦しくなってしまうため結果中止。
次の日も咳が出て顔が赤く腫れてしまいました。
アルコール成分が合わないのだろうと、今週アルコール成分の含まれていないアブラキサンに変えて投与しようと言われているのですが、田澤先生はどのように思われますか?
覚悟を決めて行ったのに今回このような症状が出てしまい弱気になってしまい、ほんの少しの投与でもお金はかかるし精神的にもしんどく感じます。
ルミナールAの場合抗がん剤はそれほど効果がないということですが、それでも再発率を下げるには抗がん剤をするしかないですよね?
今の治療予定では、抗がん剤3ヶ月→放射線1ヶ月→ホルモン治療(リュープリン注射2年、服薬5年)です。
この流れでいいと思われますか?
田澤先生はホルモン治療について妊娠後でいいと思われるのはどうしてでしょうか?
私は全ての治療をしても20%程度再発率があるので妊娠出産後もトータルで10年ホルモン治療をした方がいいと思っていたのですが、主治医はトータルではなく間空けずに続けてないと意味がないと言われました。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
タキソテールによるアレルギーがあったのですね。
「アルコール成分が合わないのだろうと、今週アルコール成分の含まれていないアブラキサンに変えて投与しようと言われているのですが、田澤先生はどのように思われますか?」
⇒アブラキサンは「適応外」です。
 このような副作用があれば、(そもそもルミナールAだし)化学療法自体を中止すべきでしょう。
 
「今の治療予定では、抗がん剤3ヶ月→放射線1ヶ月→ホルモン治療(リュープリン注射2年、服薬5年)です。この流れでいいと思われますか?」
⇒前回、回答したように…
 妊娠出産を考えるなら、「ホルモン療法前」の方がいいと思います。
 
「田澤先生はホルモン治療について妊娠後でいいと思われるのはどうしてでしょうか?」
⇒妊娠出産は「再発リスクを上げない」からです。