[管理番号:6216]
性別:女性
年齢:53歳
はじめまして、〇〇県〇〇市在住です。
妻が2012年8月に乳がんと診断、当初より肝転移していました。
抗がん剤で腫瘍を縮小後、2013年6月に予後不良に備え左胸全摘。
その後、主に〇〇病院にて様々な抗がん剤治療やホルモン治療を施しましたが、昨年末から肝臓の腫瘍が増大(血液検査やマーカー値も上昇)、担当医からは現在行っているジェムザールが最後の治療と言われました。
しかし、妻は〇人の子の母(私との間の子は〇人)であり、何が何でも諦める訳にはいきません。
現在、肝臓の腫瘍は最大7cm(その他に骨転移・肺転移あり)となっており、今行っている治療も奏効率は2割程度、期間も3~6か月と言われています。
時間に余裕がありません。
ご多忙中は存じ上げておりますが、何か出来うる手段をご教示いただけますようお願い致します。
治療経過の詳細は以下の通りです。
【2012年】
1.6月頃から左乳房に痛みを覚えた。
固いしこりに気づいたのは、1か月程度前。
2.8/(下旬)【〇〇県予防医学協会】
毎年の定期乳がん検診で乳がんの疑いがあるため精密検査を行うことを伝えられる。
①医師による触診⇒②マンモグラフィ⇒③超音波で診断(従前通り)⇒④穿刺細胞検診受診医師による触診時に、
異常なしこりの大きさであることを指摘される。
これまでの診察記録と比較し、、医師より「昨年までは全く異常がなかったにもかかわらず、本日の診察で大きなしこりができていることから、乳がんの疑いあり。」とのこと。
結果については、1週間程度であるが、良性であったとしてもしこりが大きいため切除を行う旨伝えられる。
3.8/(下旬)【同上】
検査の結果乳がんである旨告知されるとともに専門病院受診をすすめられる。
すでに〇〇病院での受診手続き
完了済み。
4.9月上旬~中旬【〇〇病院(以降は同病院)】
各種検査実施
5.9/(中旬)外科(〇〇外科部長)受診
結果報告。
6.9月
左胸乳がんの確定診断(最大7cmの腫瘍)、肝臓にも転移(3cmの腫瘍)、骨転移は無し
7.9/(下旬)~13年4/(下旬)まで
10回にわたる抗がん剤治療(CEF治療)
【2013年】
1.5/(中旬)内科(〇〇乳腺内科部長)受診
結果は良好。
肝臓は画像では同定しにくくなっており、
ほぼ消失と思われる。
乳がんも効果が出ている(数値は次の通り)。
今後はノルバテックスによるホルモン治療を行う。
6/(中旬)に左胸全摘手術を行う。
ホルモン治療によるコントロールの状況を確認するため、今後は3カ月に1~2回程度検査を行い経過観察する。
(2012年9月) (2013年5月)
乳房(CT) 5cm、3cm、数cm (超音波) 2cm弱 全然印象が変わってきている。
リンパ(CT)1.4cm (超音波) 小さくなっている。
肝臓(CT) 2.5cm (超音波)なくなってきている 良くなっている。
2.6/(中旬)
〇〇医師執刀により左胸全摘手術、リンパ節郭清は行わず。
3.10/(下旬)内科(〇〇医師)受診
血液検査の結果、腫瘍マーカー(NCC-ST-439)がやや上昇しているため、CT検査を行う旨説明いただく。
4.11/(下旬)外科
超音波検査受診
5.12/(上旬)外科(〇〇医師)受診
検査結果報告、右胸にのう胞はあるものの問題はなし。
7.12/(上旬)内科
血液検査とCT検査実施
8.12/(中旬)内科(〇〇医師)受診
検査結果報告、CT画像上がんは見当たらないものの腫瘍マーカー(NCC-ST-439)が上昇している
(32U/mL以上)。
次回超音波検査を行い、結果次第ではホルモンの種類を変更するか再び抗がん剤治療を行う。
【2014年】
1.1/(上旬)
血液検査・超音波検査実施
2.1/(下旬)内科(〇〇医師)受診
血液検査と超音波検査の結果及び今後の治療方針について主治医より説明。
腫瘍マーカーの数値は更に上がっており、消えていた肝臓にも2センチ程度の腫瘍の影が見えているとのこと。
現在のホルモン治療は効果がないため終了。
3.1/(下旬)内科(〇〇医師)受診
比較的副作用の少ないゼローダによる抗がん剤治療を行う旨、申し出。
4.2/(中旬)内科(〇〇医師)受診
交通等の問題もあり、今後は地元の病院(=〇〇市立市民病院)を中心に治療を行いたい旨申し出。
先生からは、「地元の診察を受けるのは望ましい。」とのこと。
5.2/(下旬)内科(〇〇医師)受診
ゼローダ2クール目の処方及び市民病院への紹介状をいただく。
6.3月~15年12/(下旬)まで
〇〇市民病院乳腺外科で1~2か月に1回診察。
定期検査の際に血液検査を行い、腫瘍マーカーの数値で診断を繰り返すことを基本的な診療として行う。
2014年11月に腫瘍マーカー14(これまでの最低値)。
【2015年】
1.2月(以下、乳腺外科(〇〇医師)受診)
CT検査。
腫瘍マーカーは16に上昇していたが、11月に疑われた多発肺転移は消失。
2.8月
腫瘍マーカーの数値が上昇傾向にあるため、ゼローダ+エンドキサンの治療の示唆を受ける。
3.9月
(初旬)腫瘍マーカーの数値が19⇒29に上昇。
(9月末)30.6
4.11/(下旬)
腫瘍マーカー40に上昇、痰が絡むような症状がある旨訴求。
〇〇医師より、12/9にCTと骨シンチ検査を行う旨
指示される。
5.12/(上旬)
CTによる画像診断と骨シンチ検査。
6.12/(下旬)
CTと骨シンチ検査の報告。
肝臓・肺・左リンパ節・右
肩肩甲骨下・右肋骨10番に転移がみられるとのこと。
その場でランマーク注射実施。
今後の治療としては、ゼローダ
(5錠)+エンドキサンを3週間周期(2週間投薬後、1週間休薬)で服用する。
合わせてピリドキサール(カルシウム剤)を2錠/朝服用。
ランマーク注射も月1回行い、4か月後にCT検査で経過観察を行うよう指示される。
7.12/(下旬)
〇〇病院乳腺外来に連絡、病状に変動があったため再受診をしたい旨、依頼。
1/(上旬)(〇)診察していただけるとのこと。
【2016年】
1.1/(上旬)〇〇病院腫瘍内科(〇〇医師)診察
転移が進んでいる旨指摘。
これまでの服用型の抗がん剤ではなく、パクリタキセルとアバスチンの点滴による抗がん剤治療を当面週1回行う(落ち着いてきたら治療スパンを1回/2週間に延ばすとのこと)。
現在服用しているゼローダ+エンドキサンはいったん中止、薬効を抜く必要があるため
治療開始は1/(下旬)(〇)から、治療場所については当面は〇〇で行うことで決定。
2.1/(下旬)〇〇病院腫瘍内科(〇〇医師)診察
パクリタキセルは毎週、アバスチンは2週に一度の治療を開始、合わせて1回/月ランマーク注射を行う抗がん剤治療をスタート。
パクリタキセル投与後すぐに動悸とほてりを発症。
速度を落とした点滴に変更した後は問題なし。
3.1/(下旬)〇〇病院腫瘍内科(〇〇医師)診察
パクリタキセルのみの治療。
4.2/(上旬)〇〇病院腫瘍内科(〇〇医師)診察
本日より午後の診察。
血液検査の結果は問題なし。
薬が効いている模様である旨〇〇先生から指摘あり。
点滴でアバスチンとパクリタキセルを処方。
3日目から膝や関節などの痛みを訴求。
5.2/(中旬)〇〇病院内科(〇〇医師)診察
血液検査の結果問題なし。
パクリタキセルを処方。
2/(中旬)(〇)午前5時35分頃、左右の腕全体が痺れるとのこと。
両手とも指先が冷たくなっている模様。
〇〇病院に問い合わせ。
宿直医である〇〇医師が対応。
「パクリタキセルによる痺れと思われる。
・・・更に広がりや他の所見が出たら連絡してほしい。」とのことを確認し、切電。
午前10時頃には症状が改善し、痺れは指先だけに収まってきた模様。
6.3/(上旬)〇〇病院内科(〇〇医師)診察
前日から発熱していた(=37度台後半から38度)ため、午前中同院に電話連絡。
元々予定していた検査に先立ち、急遽〇〇医師に診察していただく。
CRPの値(=4.97)
が高いため、抗生物質と総合感冒薬、痛み止塗り薬を処方され塗布したところ落ち着いた模様。
7.3/(上旬)〇〇病院内科(〇〇医師)診察
3/(上旬)に実施した超音波とCT検査の結果報告。
(当初〇〇医師の結果の読み違いから効果なしにつき、別の治療法(ハラヴェンやエルブリン)を模索する必要ありと言われたが)肺や上腹部・肝臓は縮小、骨転移は消失、腫瘍マーカーも下降していることから効果が出ているとのこと。
しかし、風邪にり患したせいか、3/(上旬)より発熱によりほぼ寝たきり、3/(上旬)は下痢と出血があったことから、同日予定していた抗がん剤治療は次週以降に見送り。
【2017年】
1.1/11〇〇病院内科(〇〇医師)診察
12月に実施した超音波とCT検査の結果報告。
増悪病変ナシ肺はガンがわからない程度に縮小。
CT安定している。
肝臓は影の大きさも変わっていない。
むくみについては、パクリタキセルによる副作用が考えられるため、利尿剤を処方していただく。
首・肩痛は血圧の影響かもしれないとのこと。
アバスチンの影響で若干高血圧にはなっているが、
薬を服用するほどではないとのこと。
140/90以上で降圧剤を処方するが副作用は殆どなく、食べ物の制限もない。
むくみが長引けば抗がん剤休薬もあり得るが、今は効果が出ており、継続したほうが好ましいとこのこと。
2.4月〇〇病院内科(〇〇医師)診察
4月に実施した超音波とCT検査の結果報告。
肝臓の腫瘍がやや肥大(3.7cm→4.0cm)。
これまで実施していたパクリタキセル+アバスチンの治療は終了し、ハラヴェンによる治療に変更。
3.7/5〇〇病院内科(〇〇医師)診察
将来的に治験(=HER3陽性転移性乳癌患者を対象としたU3-1402を複数用量用いる多施設共同非無作為非盲検第Ⅰ/Ⅱ相first in human試験)への参加検討を打診される。
4.7/19〇〇病院内科(〇〇医師)診察
3か月の定期検診(CT及び超音波)の結果報告。
ハラヴェンの効果が出ており、コントロールされているとのこと。
現在の治療を継続する。
5.10/(中旬)〇〇病院(〇〇医師)診察
3か月の定期検診(CT及び超音波)の結果報告。
【肺】少しずつ大きくなってきている(1.2→1.7)。
【肝】暗いところが少し広がっている模様。
【マーカー】上昇気味。
⇒薬が効いていない訳ではないが、治療の見直しをおすすめするとのこと。
選択肢としては、①ジェムザール
(抗がん剤)、②ナベルビン(同)、③フェマーラ(製品名:レトロゾール)(ホルモン剤)、④フェソロデックス。
医師としては、フェマーラをおすすめするとのこと。
さらに、ホルモン剤については、新薬(=イブランス(製品名:パルポシクリブ))が市販予定、フェマーラ及びフェソロデックスと併用が可能。
→おすすめいただいた通り、フェマーラを選択。
ランマークは継続。
効果測定は3か月後。
【2018年】
1.1/(中旬)(〇)
イブランス服用開始。
1/(中旬)(〇)現在、目立った副作用はない様子。
2.3/(下旬)(〇)
3/(中旬)(〇)に実施したエコー検査の結果を含め受診。
ここの所、マーカーや肝機能の数値が上昇していたが、
やはり明らかに肝臓腫瘍が増大、症状の出るギリギリのところとなっているとのこと。
現在処方している、フェマーラとイブランスは中止、ジェムザールに変更。ただし、同薬は奏効率20%、期間も3~6か月程度になるとのこと。
これが最後の抗がん剤であり、以降は緩和療法になるとのこと。
万一に備え、地域連携病院と緩和ケア病院を選択してほしいとのこと。
他の手段について質問したが、外科的療法・放射線とも延命効果のある治療とはならない旨説明受ける。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
肝転移で2012年から5年以上ですから、大変頑張って治療を頑張ったと素直に称賛いたします。
治療は効果と有害事象のバランスで成り立つものであり、今後は有害事象を上回る程の効果を期待できないと思います。(そのことでは主治医と同意見)