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グレード3 Ki67 90% トリプルネガティブ乳癌について

[管理番号:5786]
性別:女性
年齢:55歳
田澤先生、毎日目の回るようなお忙しさと思いますが、お時間を頂けますようどうか宜しくお願い致します。
乳癌と診断されてからおよそ40日、手術の日以外ほぼ毎日乳癌プラザを読ませて頂き、
こんな先生が居るのかと家族で驚愕しました。
皆さんのタイプや治療方針などを細々と書き留めつつ勉強させて頂くことが出来、
「乳癌プラザ」の存在に本当に感謝しています。
ある日偶然しこりに気付き、翌日乳腺外科を受診しました。
マンモとエコーにより2cm程度の乳癌で間違いないでしょうとの診断で、すぐに手術の予定を組んで頂きました。
検査結果も癌で間違いないとの事で、受診から1ト月とたたず全摘手術となり無事に終っております。
術後以下のように結果が出まして、トリプルネガティブとの診断でした。
他のサイトでもあまり見たことのないような悪い数字に信じられない思いで、心が安定せず震えてしまいます。
浸潤性入管癌
乳頭線管癌>充実腺管癌>硬癌
核グレードスコア 3
核異変スコア 3
核分裂スコア 3
ER 0
PgR 0
HER2 1+
Ki-67 90%
ly0 v0 (EMG染色)
乳管内成分 +++
主病巣外への乳管内進展成分 +++
extens intraductal components (EIC)(-)
断端 (-)
Rt. C.
全体 30×60×24mm
浸潤部 15×26×17mm
深達度 f 皮下
pt2
pn0
センチネルリンパ節 0/1
主治医は詳しいステージや病理より、とにかく今は癌を取り去ってあるのだから抗癌で予防しよう、Ki67なんて関係ない、とおっしゃいます。
若い人に多いというトリプルネガティブで、もう若くもない55歳という年齢の私なのに
このような増殖能の高い数字の例があるのか、本当に不安で術後の痛みも消し飛んでいます。
もうすぐ、4EC + 12P の抗癌が始まります。
この増殖能では再発したら、すごい勢いで増殖しあっと云う間に死んでしまうのではないか、
などと再発の不安にさいなまされ始めてしまい、眠れぬようになりました。
田澤先生のご意見を頂けたらとこちらに書き込みさせて頂きました。
どうか、宜しくお願い致します。
この乳癌の再発率はどのくらいでしょうか。
また、先生のQ&Aに書いてあるトリプルネガティブで抗がん剤が効く群ときかない群を調べる方法などはないのでしょうか。
ステージ2aとはいえ、癌が広範囲に広がっているのも気になります。
再発した場合、やはりこの増殖能は維持されて進行が早いのでしょうか。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「Ki67」はあくまでも「ルミナールAかBか?」を判断するための数字です。
「Ki67」も「トリプルネガティブ」という言葉も20年前には全く無かった言葉です。(Ki67自体はもう少し昔からあったかもしれませんが、乳癌で測定するようになったのは「この10年」です)
つまり20年前であれば、質問者は「リンパ節転移もなく、早く治療ができて良かったね。」と医師から祝福の言葉を貰った事でしょう。(勿論、その当時であれば抗ガン剤もしません)
それが、「余計な情報過多」により、「余計な心配」をしなくてはならないことには、(率直に)「残念」に思います。
「この乳癌の再発率はどのくらいでしょうか。」
⇒抗癌剤をすることで
 15%程度となるでしょう。
「また、先生のQ&Aに書いてあるトリプルネガティブで抗がん剤が効く群ときかない群を調べる方法などはないのでしょうか。」
⇒ありません。
 だから、「トリプルネガティブには抗癌剤が必須」となるのです。
「ステージ2aとはいえ、癌が広範囲に広がっているのも気になります。」
⇒全摘しているのだから無関係です。
「再発した場合、やはりこの増殖能は維持されて進行が早いのでしょうか。」
⇒根拠がありません。(考え過ぎです)
☆おかしな情報に振り回されずに、(早期であり、決して再発率は高くないが)「やるべき治療はやる」という前向きに行きましょう。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

グレード3 Ki67 90% トリプルネガティブ乳癌について
性別:女性
年齢:55歳
田澤先生、ご多忙を極める中、お時間をさいて頂き、
こんなに早く丁寧にアドバイスを頂き感謝の気持ちでいっぱいです。
言葉で言い表せないほどの不安な気持ちが落ち着いて参りました。
先生に頂いたご回答を家族と一緒に何十回も見ています。
先生の言われるように、「やるべき治療はやる」という気持ちで抗癌治療に向かいます。
前回投稿時にあわててしまって、書いてあった質問や言葉が途中で切れてしまい一番お聞きしたかったことが記入出来ていませんでした。
もう一度どうか質問させて頂けますようお願い致します。
過去の質問者様へのご回答のなかに
"良くあるのがトリプルネガティブで「Ki67高値、核グレード3」で「脈管侵襲無し」です。
このタイプは「その場で増殖」するだけで、「血行性やリンパ行性」の転移には繋がらないものが多いのです。
"
という一文を見つけました。
私の癌もこのタイプの可能性があるでしょうか。
先生の数多いご経験から見て、癌の増殖能力と転移能力は違うものとお感じになりますか。
ある病院の文章に「トリプルネガティブは他のタイプに比べると悪性度が高く再発が多い」
との記述がありましたが先生のQ&Aには「再発率そのものが他のサブタイプに比較してそれ程高いという印象はありません。」
と書かれています。
私にとって希望の一文となりましたが、今も同じように感じておられますか。
自分と病院とのスケジュールの都合で、術後36日からの抗がん剤治療になりますが、
トリプルネガティブは少しでも早く抗癌治療を始めたほうが
再発率が低いというテキサス大学癌センターの発表を見つけてしまいました。

乳がん患者で化学療法の開始が遅れると全生存が低下―トリプルネガティブ乳がんで顕著に


術後36日もたってしまってからの抗がん剤治療で大丈夫でしょうか。
これから行うのはEC×4 P×12 の抗がん剤ですがEC療法はFEC療法に比べて治療効果が劣るという医師の文章を見つけました。
腫瘍が最大2.6cmと大きかったので、ECはFECやACより弱いのではと心配です。
この抗がん剤で大丈夫でしょうか。
最後に、抗がん剤投与中について、主治医は抗がん剤投与中は、サプリメントや漢方薬など、
余計なものをとらないようにとのお考えです。
わたしもそれに従って、ネット上に書かれている抗がん剤の副作用を減らすといわれるサプリなどは取るのをやめるつもりでおります。
ですが、仕事を続ける上で出来るだけ指先の痺れを軽く済ませたいので、
手足のアイスグローブを自作して使用したいと思っています。
口内炎予防に、氷を舐めるということもやってみたいのです。
上記2点は副作用予防に効果がありますでしょうか。
また、抗がん剤の効果を損なう恐れはありませんか。
また、長々と質問させて頂いてしまいましたが、
どうか宜しくお願い致します。
最後に、このような場を作って頂けたことに心からお礼を申しあげます。
先生のQ&Aが無ければ、とても立ち直れないところでした。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「私の癌もこのタイプの可能性があるでしょうか。」
⇒そう思います。
「先生の数多いご経験から見て、癌の増殖能力と転移能力は違うものとお感じになりますか。」
⇒別物です。
「今も同じように感じておられますか。」
⇒その通りです。
「これから行うのはEC×4 P×12 の抗がん剤ですがEC療法はFEC療法に比べて治療効果が劣るという医師の文章を見つけました。」
⇒誤りです。
「上記2点は副作用予防に効果がありますでしょうか。」
⇒あまりありませんが…(20年も前から言われていますが、一般的にはなりません)
 人によっては効果があるかもしれません。(同一の人で比較する事は無理なので、できることはやってもいいのでは?)
「また、抗がん剤の効果を損なう恐れはありませんか。」
⇒無関係です。