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左側乳がん 両脇リンパ節腫大

[管理番号:5774]
性別:女性
年齢:39歳

はじめて質問させて頂きます。
日頃からこちらのサイトで勉強させて頂いております。
10月初旬に左側乳房乳がんと診断され、12月中旬に手術予定です。

昨年の7月頃、血性の乳頭分泌が気になり(摘んだら出てくる)乳腺科を受診しましたが、
エコーで、乳頭下方部あたりに乳管拡張は見えたが腫瘤は無し、との結果でその後しばらくして分泌が止まった事もあり経過観察となりました。
今年の1月のエコー検査(7月と変化なし)を最後に次は1年後でいいと言われ、経過観察。

4月頃に、乳首を摘むと透明の分泌物→7月頃、また血性分泌確認。
すぐにでも受診をと思っていましたが、諸事情あり、受診出来たのは9月初旬でした。

9月初旬、エコー検査→乳管拡張していた所にうっすら腫瘤の様なものが見える。
乳管造影検査→エコー同様に腫瘤を確認。
そして針生検(エコーで見ながら太い針で吸引)の結果、悪性と診断されました(この時点で10月初旬)
腫瘤は5㎜ほどで、場所は乳頭直下。
生検した細胞は浸潤癌でした。

以下に組織の結果を掲載します。
Papillotubular carcinoma ;in situ predominant invasion;0.2cm<, cribriform In situ:cribbing-comedo,cribriform
NA:2 MC:1=NG:1
ER +
PgR +
HER2 1+
Ki67 low(<10%)
その後MRI検査をして癌の広がりを見たところ、思ったより乳管内を這っている状態(乳頭から下方部に白くモヤモヤ写っている様子)
全摘をした方がいいとの診断でした。

医師から同時再建を薦められ、症例の多い大学病院を紹介され転院しました。
転院先の病院の診断でも、一部浸潤でそれ意外はほぼ非浸潤の乳管癌でしょうとの診断でしたが、(前病院で検査した)MRIでの癌の範囲をもう少し確定させたいとの事で、再度マンモとエコー検査をする事になりました。

すると、エコー画像で両脇のリンパ節の腫大(大きさなどは聞いておりません)が認められ、医師も癌のないはずの右脇もなぜ?と首を捻っており、医師やエコー技師の反応からすると両脇とも同じように腫れているような印象で、医師が直接触ると触れるようでした(後から自分で触ってもわかりませんでした)

とりあえず、癌のある左脇のリンパ節だけ細胞診しました。
この病院ではリンパ節転移が認められた場合、その後の治療の感染や合併症を防ぐため、同時再建はしないという方針だそうです。
手術は12月中旬の予定で、細胞診の結果はその10日前くらいにわかります。

乳がんである事実は受け入れていましたが(ごく早期のもので全摘だけど同時再建が出来るという希望があったので)
まさかリンパ節転移の可能性が出てくるとは思っていなくて、血の気が引きました。
ですが、両脇共にというところが疑問で(アトピーはありませんし、ケガなどもしていません)
医師も「この状況(一部浸潤、広がりの部分はほぼ非浸潤癌と予想)で転移の可能性は低いけど…体質なのかな?」と首を捻っていました。
乳がんを疑っていた昨年から手術は仕方ないとしても、転移だけは避けたい、抗がん剤だけはやりたくないと思って、早め早めに受診していたつもりでした。

今年の1月ではまだ腫瘤になっていなくて、9月のエコー検査で初めて5㎜程の腫瘤として見つかったのに、もうリンパ節転移までしているという事はあるのでしょうか?

他の部分(MRIに映った所)にも多くの浸潤部分があるということでしょうか?
やはり浸潤している腫瘤が乳頭から近いと可能性は高くなりますか?
ひとつ希望が持てるのは、田澤先生が「リンパ節転移=抗がん剤ではない」とおっしゃっていた事です。
転移の数によっては浸潤部分のサブタイプでの治療をすれば良いこともあるのですよね?
ですが、主治医の方針ではリンパ節転移が事前に分かっている時は同時再建しない、との事で、おそらく転移の状況に関わらず、放射線と抗ガン剤治療をする方向なのかなと思います。

まだ転移が決まったわけではないので、詳細な話は聞いていませんが…
特に心当たりもなく、両脇のリンパ節腫大というのは珍しい事ですか?
他になにか病気がある可能性もありますか?
ちなみに過去にエコー検査でリンパ節を指摘された事はありません。
お忙しいとは思いますが、田澤先生のご意見を伺えればと思います。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

常識的に考えて…
「対側腋窩に転移する」ことなどありません。(その場合には、通常レベルではなく、「かなり局所進行した」乳癌となります)
質問者が状況的に、それに当て嵌まるとは夢にも思えないし、主治医の判断も同様のようです。
○通常、こう言うケースでは「左右差なし=転移なし」と判断します。

「両脇共にというところが疑問で(アトピーはありませんし、ケガなどもしていません)医師も「この状況(一部浸潤、広がりの部分はほぼ非浸潤癌と予想)で転移の可能性は低いけど…体質なのかな?」
⇒そういうことでしょう。

「9月のエコー検査で初めて5㎜程の腫瘤として見つかったのに、もうリンパ節転移までしているという事はあるのでしょうか?」
⇒可能性は「かなり低い」です。
 特に「両側」であれば、尚違うということです。

「転移の数によっては浸潤部分のサブタイプでの治療をすれば良い」
⇒その通りです。

「特に心当たりもなく、両脇のリンパ節腫大というのは珍しい事ですか?」
⇒反応性でしょう。

「他になにか病気がある可能性もありますか?」
⇒ありません。
 余計なことを気にせずに、「やるべき事をやるだけ」simple is best

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

対側乳頭分泌と乳腺症
性別:女性
年齢:41歳
病名:乳頭分泌と乳腺症
症状:

前回は丁寧にご回答頂きありがとうございました。

おかげさまで安心して手術にのぞむ事が出来ました。

一昨年の12月に左胸皮下乳腺全摘手術、同時再建手術を行い、昨年の9月にシリコン入れ替え手術も終わりました。

現在タモフェキシン服用中です。

今回質問したいのは、対側(右側)の乳頭分泌と乳腺症に関してです。

昨年の6月くらいに右側の乳首を摘んでみたところ、透明の分泌が少量ありました。

単孔性だと思います。

それから月に一回くらいのペースでチェックしてるのですが、軽く摘むと出ず、2、3度強めに摘むと少量出る状態です。

後から思い出したのですが、一昨年の夏頃、
左側がまだ経過観察中だった頃にも、右側も今と同じような分泌があった気がします。

その時は、色が透明であることと、左側(こちらは血性の分泌だった)の事で頭がいっぱいだったので、あまり気に留めずその後は忘れていました。

両側単孔性で片方は悪性病変だったわけですが、もう片方も病変による分泌が出る事ってありますか?
(こちらのサイトで「両側多孔性」はあってもなかなか「単孔性」は見当たらなかったので)
もう一年以上は分泌が出る(摘むと少量)状態が続いてますが、病変が存在する可能性ありますか?

それともうひとつ気になるのが、
この右側の分泌がきっかけで昨年の8月頃にエコー検査(技師による)をしたところ、
乳腺症が2ヶ所(5ミリと7ミリ)見つかり、
主治医が言うには「血流はない、色は緑(エラストグラフィ?)だし、乳腺症でしょう」との事でした。
(私がチラッと画像を見た限りでは、緑というよりは青緑っぽく、黒くはっきりとした影)
強い希望があれば細胞診も出来ると言われたのですが、
乳腺症とわかってるのに細胞診とは大げさだなと思い、そのまま3ヶ月後の経過観察を選びました。

ですが、こちらのサイトを拝見してると、エコーで良性と診断されても細胞診まで行ってるケースが多いようなので、不安になり、細胞診をやるべきかどうか悩みました。

3ヶ月経過した昨年の12月に再度エコー(この時も技師)をし(前回と変化無し)、細胞診の事を主治医に相談したところ、
「まだ小さいから、外すかもしれない。
経過観察でいいと思うよ」
さらに「次のエコーは半年後でいいでしょう」と言われました。

私が不安そうにしていると、
「大きくなってから細胞診でも遅くはない」
「(画像上では)正常の範囲内。
悪性の可能性は低いでしょう」と言われました。

結局、それ以上細胞診の事を強く求める気になれず(出来れば細胞診をやりたくない気持ちもある)診察を終えました。

このエコーでの「血流がない」ということと、エラストグラフィの色は良、悪性を判断する材料として信用出来るものなのですか?

ちなみに乳頭分泌に関しては、乳腺症とは関係無さそう、分泌の要因になる所見はない。
との事で、医師は重要視してない感じでした。

一度乳がんを経験してる身としてはうやむやにせず、確定診断するべきかなと思いますが、そうするとこの先、エコーで乳腺症が発見される度に細胞診までする事になるのかと思うとそれは過剰な気もします。

お時間を割いて頂き大変恐縮ですが、
ご意見を伺えればと思います。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「お時間を割いて頂き大変恐縮ですが、ご意見を伺えればと思います。」
→ご意見と言われても…

 物事はシンプルに考えましょう。
 その担当医の診療を信用するなら、そのままでいいし(少なくとも緊急性はありません)
 信用できない(もしくは不安なら)「生検」なりすればいいのです。(どうしても生検してくれないなら、「生検希望メール」して当院で行えば済む話です)

 ★乳頭分泌に関しては、「考えすぎ」のようです。
  毎日絞って必ず出る状態が3か月以上(もしくは絞らなくても出る状態が1か月以上)で、かつ単孔性なら「当院で乳管造影」の対象となりますが、質問者には当てはまりません。

「確定診断(生検)」メールはこちらをクリックしてください。

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

全摘手術から2年後の左腋窩リンパ節の腫れ
性別:女性
年齢:42
病名:左胸微小浸潤乳管癌
症状:左腋窩リンパ節の腫れ
投稿日:2020年3月30日

田澤先生こんにちわ。

手術から2年経っても、心配事が尽きる事がなく、再びご相談さ
せて下さい。

2017年12月に左胸全摘同時再建手術しました。

病理結果は全て非浸潤ガン(術前の3ミリの組織針では浸潤ガン)
センチネルリンパ節生検は転移なし。

以後昨年の9月までタモキシフェン 服用。

卵巣腫大が認められたため、現在は休薬中。

昨年の12月中旬頃に、定期検診でエコーとマンモの検査をしました。

その結果を踏まえての診察で、医師から
「前回(半年前の検査)と違うところは、(術側)左脇のリンパ節が腫れているね」と言われました。

実はちょうどその時期に、帯状疱疹(左側の背中から腕にかけて発疹あり)を患っており、自分でも左脇に柔らかいしこりを触知していたので、帯状疱疹を診てもらっていた皮膚科の医師に「帯状疱疹によるリンパ節の腫れ」と診断されていました。

その旨を医師に伝えると、「そうですか、細胞診しようと思ってたけど、炎症で腫れる事もあるしね。
経過観察でいいかな」と3ヵ月後にまた診察という事になりました。

細胞診するほど、何か疑いがあったのかな?とちょっと不安が過ぎりましたが、私の乳がんの病状でリンパ節転移などはほとんど有り得ないだろうということと、皮膚科の医師が診断した事を信じ込んで、そのまま様子を見る事にしました。

それから3ヵ月経過しても、脇のしこりは最初よりは少し小さくなった感じはするものの、まだ消えずに残っていたので、再度、
皮膚科を受診しましたが、「何ヶ月もしこりが残る人もいる。
でも乳がんの病歴があるから乳腺科の先生にも相談してみて」と言われ、先日の乳腺科の診察の時に、その旨を医師に伝えました。

改めて脇の触診をしたところ、医師が
「そんなところにリンパ節あるかな?そんな手前に触れるかな?」と首を傾げており、
もう一度エコーを撮ろうという事で別日に(技師による)エコー検査をしました。

エコー検査の結果は来週の診察でわかります。

なんとなく嫌な予感はしていたのですが、しこりとして触知していたものと、12月のエコーに写っていたリンパ節は別物だったと予想されます。

医師が疑問視していたしこりの位置ですが、
こちらのサイトの「みんなが気になる質問シリーズ」の画像(写真)に当て嵌めると、①の右下の辺りになります。

大きさは1cm弱ほどで、弾力があり、滑らかな表面で、左右にクリクリと動きます。

皮膚にはくっついてないと思います。

時々この辺りにズキズキと痛みを感じたり、突っ張るような感覚があったりします。

そこでいくつかお聞きしたいのが、
1、やはりこの位置(①の右下)にあるしこりは、リンパ節ではないのでしょうか?
だとすると、何が予想されますか?

2、そもそも帯状疱疹でリンパ節が腫れる事はありますか?
その場合、エコー画像に写っても、転移性のものと区別がつきにくいものでしょうか?

3、転移性のリンパ節が存在する場合、自分で触ってもわからないですか?
痛みや違和感などは何も感じないものですか?

4、今回のエコーでまだリンパ節の腫れが存在してる場合、帯状疱疹との関連は考えにくいでしょうか?(3ヶ月経過してるので)

よろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

このメールを読んでいると、「隔靴掻痒(靴の上から足を掻く)」の感に堪えません。
問題の核心は、その(乳腺外科の)主治医が「自らエコーで見ていない」それに尽きます。

自らエコーすれば、
「ご本人の自覚するしこり(副乳か?)」と(エコーで指摘されている)「リンパ節?」が別物なのか、同一なのか一目瞭然です。

「1、やはりこの位置(①の右下)にあるしこりは、リンパ節ではないのでしょうか?
だとすると、何が予想されますか?」

⇒位置的には…

 副乳だと思います。
 ただ「柔らかい」ことから「癌(副乳癌)」の可能性は殆ど無いでしょう。(副乳の乳管拡張などかな)

「2、そもそも帯状疱疹でリンパ節が腫れる事はありますか?」
⇒あります。

「その場合、エコー画像に写っても、転移性のものと区別がつきにくいものでしょうか?」
⇒見る人が見れば「一見で」解ります。

「3、転移性のリンパ節が存在する場合、自分で触ってもわからないですか?」
⇒痩せている人や余程大きくなれば解ります。

「痛みや違和感などは何も感じないものですか?」
⇒症状など一切、ありません。(寧ろ「痛みなどある場合には、炎症による反応性の可能性が高い」)

「4、今回のエコーでまだリンパ節の腫れが存在してる場合、帯状疱疹との関連は考えにくいでしょうか?(3ヶ月経過してるので)」
⇒十分あり得ます。

 ★そもそも、主治医がエコーすれば「一目瞭然」の筈だし、それで迷うなら「細胞診」すればいいだけです。
 解決の方法があるのに、(それをせずに)あれこれ患者さんを悩ませるのは如何なものか??

 私の正直な感想としては
  腋窩リンパ節は「反応性」であり、ご本人の自覚は「副乳の乳管拡張(ホルモン刺激による)」だろうと、思っています。