[管理番号:4961]
性別:女性
年齢:66歳
おはようございます。
このような場を設けて頂き ありがとうございます。
早速ですが母のことで相談させていただきます。
胸の下、ちょうどブラジャーのワイヤー部分のあたりなのですが しこりができ、膿が出ました。
母は突発性難聴で耳が不自由で この時点で病院にはいきませんでした。
(娘である私と妹は県外に出ています。
近々法事で帰省する予定だったので 母はそれを待っていたのだと思います。)
先に妹が帰省し、母の状態が酷かったので 夜、救急病院に連れていきました。
CTなど検査した結果、乳房の下半分まで膿が広がっていました。
また胸の奥、ちょうど膿の広がりの最後の部分に石灰化が見られるとのことで、
これは楽観視は出来ませんと言う診断でした。
受診した日が土曜日の夜だったため 同じ病院の乳腺外科を月曜日に紹介状をもって再度受診しました。
乳腺外科の先生のお話では 粉瘤と乳ガンは似ているとのこと。
粉瘤の可能性は高いが乳ガンを否定できないとのことでした。
膿を検査に出し、その結果 細菌がいくつか出ているとのことでした。
傷口がふかざってからエコーをしましょうと言うことで 1ヶ月近くたってからエコーの検査をしました。
しかし、エコーの技師さんが「先生からは粉瘤って言われてるんですよね」と母は検査中に言われたと言うんです。
粉瘤だと言うことを前提の検査だったのかと、少し不安です。
検査の結果、粉瘤ということになったのですがすっきりしません。
先生に質問なのですが①膿を検査すれば癌によるものであるかやどうかの診断はつくのでしょうか?
②石灰化している部分が癌だったとして 膿が全体でなく一方方向に流れ 離れた場所から飛び出すことがあるのでしょうか?
お忙しいところ申し訳ありませんが よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
メール内容を拝見する限り、やはり「粉瘤の可能性が高い」とは思います。
○確認するのは容易であり、お母さんに「シコリに気付いた時点で(それが)皮膚にくっついていたかどうか?」聞くことです。(粉瘤は皮膚から発生し、乳癌は皮下脂肪の更に奥の乳腺から発生するからです)
まず重要なのは「乳癌が感染して膿瘍形成する」ことは極めて稀だということ。
その場合には(其のシコリは)「誰がどう見ても癌にしか見えない」程の大きさである筈だし、(そのようなケースでは)極めて進行した状態であり、腋窩リンパ節も(誰がどう見ても)ゴロゴロの状態です。
「CTなど検査した結果、乳房の下半分まで膿が広がっていました。」
⇒これだけの炎症を乳癌が起こすとしたら、それは「局所進行乳癌」となります。
それであれば、胸には(膿瘍よりも目立つ位の)「大きな癌」が無くては、起こり得ません。(そのような記載がないので、癌では無いだろうと想像します)
「膿の広がりの最後の部分に石灰化が見られる」
⇒この「石灰化」というのは「CTの所見」ですよね??
それは「癌の石灰化」ではなく、(CTで見えるとしたら)「粗大な石灰化=良性所見」です。
「これは楽観視は出来ませんと言う診断」
⇒これは乳癌を全く知らない医師ですよね??
「粉瘤と乳ガンは似ているとのこと。粉瘤の可能性は高いが乳ガンを否定できないとのこと」
⇒乳腺外科医がこのように判断しているのであれば、「間違いなく粉瘤」です。
☆繰り返しますが「乳癌が原因でこれほどまでの炎症を起こすとしたら、(乳腺外科医なら)これは乳癌で間違いないと一目で解る程の所見」の筈だからです。
「①膿を検査すれば癌によるものであるかやどうかの診断はつくのでしょうか?」
⇒それは「癌なのか、粉瘤なのか」とは全く別問題です。
どちらが原因としても(結果として生じた)「膿瘍の中身は同じ」だからです。
「②石灰化している部分が癌だったとして 膿が全体でなく一方方向に流れ 離れた場所から飛び出すことがあるのでしょうか?」
⇒想像しすぎです。
☆炎症を起こして広範囲に膿瘍を起こす癌は極めて稀です。
(誰が見ても、一目で「これは乳癌でしかありえない」と解る程の大きな腫瘍にまで増大しない限り、癌は膿瘍形成などしません」