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乳がんサブタイプ生検結果と その後の病理生検結果の違い

[管理番号:4942]
性別:女性
年齢:65歳
お世話になります。
質問は2点あります。
タイトルの通り最初針生検の結果トリプルネガティブ ステージ3Bと診断されリンパに転移あり。
術前化学療法治療として抗がん剤治療(ddEC治療とddpTX治療)を受けその後、右乳房摘出とリンパ郭清をし、術後生検結果でHER2スコア3+だったと診断されました。
現在は放射線治療とハーセプチンの単体で、3週間に一度18回の計画、現在3回目投与の治療中です。
そこで質問です。
①針生検の結果と術後生検の結果が違うことがあるのですか?
②HER2なので分子標的薬(ハーセプチン)は分かるのですが、本で調べると
べると抗がん剤と併用が有効と書いています。
医師によると当初に抗がん剤治療をしたので、ハーセプチン単体投与で良いとの答えですが、単体投与で有効なのでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「①針生検の結果と術後生検の結果が違うことがあるのですか?」
⇒たまにあります。
 今回は「術前化学療法後」であることに注目すると…
 化学療法により「HER2陽性の癌細胞が選択された」と解釈すべきでしょう。
 ○ストーリーとして
 もともと①「抗癌剤が効く癌細胞」②「ハーセプチンは効くが抗癌剤には①程には感受性がない」ものが生存していた。(しかし、①の割合が圧倒的に高かった)
 ここで「ddEC治療とddpTX治療」を行う事で①が選択的に死滅し、残存した②のみが生き残り相対的に優位となった」
 ♯通常はこのように考えますが、通常は「ハーセプチンが効くタイプは抗癌剤(特にEC)にも感受性が高い事が多い」ことが非典型的と言えます。
「②HER2なので分子標的薬(ハーセプチン)は分かるのですが、本で調べるとべると抗がん剤と併用が有効」
⇒この「併用」とは「順次併用」と「同時併用」のどちらでもいいのです。
 今回は「術前に化学療法を行っている」ので、(結果として)「順次併用」となるのです。
「医師によると当初に抗がん剤治療をしたので、ハーセプチン単体投与で良いとの答えですが、単体投与で有効なのでしょうか?」
⇒その医師のいうことが正しい。
 上述したように、これを「順次併用」というわけです。(効果は同時併用と同等です)