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乳がんと診断されました

[管理番号:4727]
性別:女性
年齢:43歳
つい先日、右胸乳がん、リンパ節転移ありと診断されました。
経緯は以下のとおりです。
2006年ごろにエコー・触診
 →特筆された所見の記憶なし
2009年1月、2013年3月(双胎)出産
2016年1月に健診にてマンモグラフィー実施
 →所見:カテゴリ2(左右)明らかな良性石灰化であり経過観察2017年3月(下旬)日に健診にてエコー・触診
 →「たぶん大丈夫だろうと思う」とのことだったが紹介状を書いてもらう
2017年4月(中旬)日に乳腺外科にて再検査
 →細胞診を実施(石灰化が規則性・区域性?があるので検査実施)
2017年4月翌週
 →細胞診の結果はがん(100%ではない) PET、MRIを予約&採血
2017年4月 PET-CT、MRI受診(検査病院を受診)
2017年5月初め
 →PET、MRIの結果から右胸乳がん リンパ節転移あり。
 →血液検査の結果は、腫瘍マーカーは正常範囲。
その他項目も正常
以下は、MRI、PETの結果です。
———————————
PET-CT:全身
右乳腺Bの多発性の腫瘤およびリンパ節転移に次の如く集積像を認めます。
右乳腺B:SUVmax4.7、4.4
右腋窩levelⅠ:SUVmax6.9
右胸骨傍:SUVmax3.2、2.6
左側頚リンパ節にSUVmax2.9の集積像を認めます。
反応性変化だけと思われます。
肺、肝、骨に転移を疑う集積像は認めません。
回盲部や子宮内膜への集積は生理的集積増像だけだと思われます。
他に有意な集積像は認めません。
診断名=右乳癌、リンパ節転移
———————————
MRI:
造影すると右乳腺Bに16x9x14mm、13x6x7mmの腫瘤が描出され、rapid
に造影後washoutされる造影効果を呈しています。
また、腫瘤のある区域に乳管に沿って造影効果を認め乳管内進展の可能性を疑います。
右胸骨傍リンパ節2個が同定され、肥大した右腋窩リンパ節も認めます。
それぞれ転移と思われます。
診断名=右乳癌、リンパ節転移
———————————
まもなく総合病院へ紹介状持参で受診予定です。
そこで総合病院で生検を行いサブタイプが決まるのかな、と予想しています。
2009年、2013年(双胎)に出産し、授乳期間も長かったこともあり
健診が不十分だったと今となっては思います。
2016年の健診にてもう少し突っ込んで受診をしていればまだ早期だったのかな…と
考えると時間を戻したい気持ちでいっぱいです。
以下についてご教示ください。
1.PET、MRIの結果から予想すると、ステージはⅢcと考えておいたほうがよいでしょうか。
  術後の病理結果により変更になる可能性があるでしょうか。
 (ステージ4にもなりうる?下がることもある?)
2.PETは集積像が大きいほど、サイズも大きいですか。
3.2つ腫瘤がある場合は、しこりの大きさによるステージ分類は合算になるのでしょうか。
4.腫瘍径と腫瘤の大きさはイコールなのでしょうか。
それとも腫瘤に対して腫瘍径が大きい?
5.リンパ節転移があるということは、抗がん剤必須と考えてよいでしょうか。
6.術前療法になるのでは?という乳腺外科での見立てですが、そのとおりでしょうか。
7.リンパ節が肥大するほど転移数も多いものでしょうか。
腋窩リンパは触ることができる場所にないとQA回答がありますが、
この程度の画像診断でも触れないものでしょうか。
丸いものが触れるときがあります。
場所が違うものでしょうか。
8.胸骨傍リンパ節への転移があるとステージがあがる理由は何でしょうか。
9.まだ小さい子供がいるため、再発・転移の可能性をできるだけ下げたいと思っています。
 その場合にやるべきこと・できることは何でしょうか(術前・術後の治療や生活)
腹をくくって治療に挑むしかない、とは思っていますが告知されて1週間。
気分の浮き沈みがあるときもありますが、
こちらのサイトは理論的で粛々とした流れがあり安心できます。
各ステージの生存率が出ているものの、
自分がどちらにいるかは現時点ではわからない!と言い聞かせています。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「1.PET、MRIの結果から予想すると、ステージはⅢcと考えておいたほうがよいでしょうか。」
⇒PS転移となると、その通りです。(cT?, cN3b, cStageⅢC)
「術後の病理結果により変更になる可能性があるでしょうか。 (ステージ4にもなりうる?下がることもある?)」
⇒PSも遠隔転移も「両方とも画像診断」なので術後病理で変更となる事はありません。
「2.PETは集積像が大きいほど、サイズも大きいですか。」
⇒サイズとは無関係です。
「3.2つ腫瘤がある場合は、しこりの大きさによるステージ分類は合算になるのでしょうか。」
⇒違います。
 大きい方(最大径)です。
「4.腫瘍径と腫瘤の大きさはイコールなのでしょうか。」
⇒「腫瘍径」とは「腫瘤の大きさ」のことを指します。
 それと「浸潤径」は異なります。
「5.リンパ節転移があるということは、抗がん剤必須と考えてよいでしょうか。」
⇒無関係です。
 あくまでもサブタイプで全身療法は決まります。
「6.術前療法になるのでは?という乳腺外科での見立てですが、そのとおりでしょうか。」
⇒私は「小さくして温存」以外の術前化学療法は認めていません。
  ①抗癌剤は術前に行っても「術後に行っても予後は変わらない」
  ②抗癌剤が効かない場合、「手術不能」となってしまう可能性がある。
「7.リンパ節が肥大するほど転移数も多いものでしょうか。」
⇒無関係です。
「腋窩リンパは触ることができる場所にないとQA回答がありますが、この程度の画像診断でも触れないものでしょうか。」
⇒痩せていて、上手に触れば解ることはあります。(微妙なものが触れるかどうかは無意味です)
「8.胸骨傍リンパ節への転移があるとステージがあがる理由は何でしょうか。」
⇒ステージは何のためにあると思いますか?
 予後の目安のためです。
 過去の予後解析を基にして「規約は作られている」のです。
「その場合にやるべきこと・できることは何でしょうか(術前・術後の治療や生活)」
⇒特別なものはありません。
 やるべき事を、やるべき時に(タイミングを逃さず)行う事です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

乳がんと診断されました
[管理番号:4727]
ご回答ありがとうございます。
回答を踏まえてお伺いしたいことがたくさんありましたので連投となりますが申し訳ありません。
胸骨傍リンパ節転移について
予後がよくない(ⅢCになる)理由は何でしょうか。
統計上、予後が良くない人が多いということでしょうか。
私の場合、しこり自体は2個あるもののサイズは大きいほうではないと思っています。
したがって、胸骨傍リンパ節転移にまでなるというのはしこりが小さくても何かが違うのでしょうか。
リンパ節転移にまで至るということは、発症からの期間が相当あるということになるでしょうか。
それとも癌のタイプなどにより異なりますか。
しこりだけでリンパ節転移がなければステージもずいぶん変わるのに…
と思ってしまいます。
実際、リンパ節転移がなければステージ1だったのでは、と。
胸骨傍リンパ節転移はQA回答を見ていても多くないという印象を受けます。
B領域に腫瘍がある場合は、その場所への転移の確率があがるのででしょうか。
今後の治療について、
私自身は、いまあるしこりをとにかく除けてしまうのが先決なのかな、と(忌々しいです…)
しこりが長く存在することでリンパ節転移も増えるのではないかと思っています。
そんなことはないでしょうか。
全摘もかまわないと今は思っているので、手術先行が望ましいでしょうか。
その病理結果により、術後の対応が決まりますか。
胸骨傍リンパ節転移がある場合の治療方針はどういったものになるでしょうか。
完全奏功というのは、胸骨傍リンパ節転移があってもあるものでしょうか。
手術→術後治療によるメリットデメリットはありますか。
田澤先生から見て、画像診断の結果をふまえて今後の進め方(生検、手術、治療)はどうされますか。
まとまりなく記載しましたが、ご回答いただければと思います。
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「胸骨傍リンパ節転移について予後がよくない(ⅢCになる)理由は何でしょうか。統計上、予後が良くない人が多いということでしょうか。」
⇒前回、回答したように…
 ステージは、「予後と合う様に」設定されているのです。(それでなければ、ステージを設定する意味がないと思いませんか?)
「何かが違うのでしょうか。」
⇒特別な意味はありません。
 「腫瘍の部位」など、様々な偶然で起こります。
「リンパ節転移にまで至るということは、発症からの期間が相当あるということになるでしょうか。それとも癌のタイプなどにより異なりますか。」
⇒一概には言えません。
「B領域に腫瘍がある場合は、その場所への転移の確率があがるのででしょうか。」
⇒部位的に近い事は事実です。
「全摘もかまわないと今は思っているので、手術先行が望ましいでしょうか。」
⇒その通りです。
「胸骨傍リンパ節転移がある場合の治療方針はどういったものになるでしょうか。」
⇒いずれ、そこは照射することになるので(本来は)「治療方針に影響はない」のですが…(何かと理由をつけて術前化学療法をしたがる医師が多い事は、このQandAを読みふけると気づくでしょう)
「完全奏功というのは、胸骨傍リンパ節転移があってもあるものでしょうか。」
⇒その通りです。
「手術→術後治療によるメリットデメリットはありますか。」
⇒ありません。
「田澤先生から見て、画像診断の結果をふまえて今後の進め方(生検、手術、治療)はどうされますか。」
⇒手術⇒術後治療(放射線は必須、他はサブタイプによる)