[管理番号:6556]
性別:女性
年齢:36歳
嚢胞内腫瘍について、お願いいたします。
今年1月に乳頭の真下あたりにしこりを見つけて受診し、嚢胞と言われました。
フォローで5月に受診すると嚢胞内にグレー部分が出てきたと言われて細胞診しました。
内容は透明な液で結果はクラスIIでしたが、主治医か
ら悪性を否定できないから摘出生検して確定診断をつけようと言われました。
摘出の3日前に、しこりの近くの乳頭から血が混じった分泌が出てきました。
他の穴から透明な分泌は今までも出てましたが、血性は初めてです。
手術日に主治医に伝えましたが、絞っても出なかったため、確認はしてもらえず、そのまま手術を受けました。
手術してみると嚢胞は雪だるまのように2つくっついていて、どちらも摘出したと言われました。
病理結果は、良性の乳腺腫瘍で戻ってきた、とのことでした。
結果をちらっと見たら、
異型細胞あり
悪性細胞はありませんでした
の文言だけ見えました。
結果のコピーは出来ない、と言われてもらえませんでした。
少し不安になり、調べていくとこちらのページにたどり着きました。
先生が以前他の方への回答で、
*「血性分泌」を伴う「嚢胞内腫瘍」
本来の診断は 「乳管造影」⇒「乳管区域切除術」です。
*良性が癌になることは決してありません。
「乳管内乳頭腫」それ自体が「癌になる」わけではなく、その同じ乳管に(つまり近傍に)乳癌が発生し易いのです。
♯現時点ですでに(乳癌が)併存しているか、(現在は併存していなくても)今後、出てくる事が多いという事です。
○乳管内乳頭腫と乳癌の併存については、「文献的にもしばしば言われている」ことでもあり、私の様に「乳管(腺葉)区域切除術」を沢山やっていると、実際に(メインの腫瘍は乳管内乳頭腫だけど、同じ乳管に小さくて多数の非浸潤癌が併存する事を)多く経験するのです。
質問です。
1. 嚢胞を摘出して、腫瘍と診断されたと言うことは、乳頭腫だったのでしょうか?(主治医に聞いても、答えてくれませんでした。)
2. 「乳管区域切除術」を本来しないといけなかったのでしょうか?
3. 同一乳管内に乳がんが発生している確率は高いですか?
4. 今更もう「乳管区域切除術」は出来ませんか?
出来ないとしたら、今後は経過観察をまめに続けていけば、早期で発見できるでしょうか?(半年に一度くらいのエコーをイメージしていますが…)
拙い文章で長文になり、申し訳ありません。
どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「摘出の3日前に、しこりの近くの乳頭から血が混じった分泌」
→これは単純に 「細胞診の影響(内出血が溶けた)」では?(もちろん、断定することは誰にもできません)
「結果のコピーは出来ない、と言われてもらえませんでした。」「主治医に聞いても、答えてくれませんでした。)」
→もらえないにしても…
手術した以上、「正確な病理結果を教える」義務が当然あります。(その医師の態度はおかしい)
どうしても教えてくれないのであれば、「病理のセカンドオピニオン」に出すといいでしょう。(さすがに、それは拒否できません。なにせ、摘出標本の所属は「患者さん」にあるのですから)
「1. 嚢胞を摘出して、腫瘍と診断されたと言うことは、乳頭腫だったのでしょうか?」
→不明です。
乳頭腫なら「乳頭腫」とその主治医も教えてくれるのでは?と思うからです。
「 2. 「乳管区域切除術」を本来しないといけなかったのでしょうか?」
→今更、考えても仕方がありません。
「 3. 同一乳管内に乳がんが発生している確率は高いですか?」
→それは誰にも分りません。
きちんとした分泌が継続していた場合には約半数で併存していたことはコラムに記載した通りですが…
質問者のケースに「その分泌が当て嵌まっていた」のかどうか微妙に思います。
「 4. 今更もう「乳管区域切除術」は出来ませんか?」
→不可能です。(乳管が断裂しているわけですから)
「出来ないとしたら、今後は経過観察をまめに続けていけば、早期で発見できるでしょうか?(半年に一度くらいのエコーをイメージしていますが…)」
→半年に1回エコーしていれば…
無敵です。
ご安心を。