[管理番号:4126]
性別:女性
年齢:49歳
49歳 未婚・出産経験なし
よろしくお願い致します。
昨年、12月市の検診ではじめて乳がん検診を受け再検査の通知が来て
年明け1月に再度、マンモとエコーを受けたところ「嚢胞」1cm弱との事で
経過観察、次回は1年後となっていましたが、8月になって嚢胞に触れると硬い板の様で大きくなった気がして、時期を前倒しして受診しました。
やはり、「嚢胞」は2.1cmに成長しており中の水を抜いて診てみる事になり、いざ針を刺すと、表面は固く中々刺さらず針の長さを替えながら33回目で抜けてきたのは、濁ったミルクティ色の液体で簡易顕微鏡検査ではでは心配ないとの事でした。
3か月後もう一度、エコーで診せてねとの指示で受診。
更に、「嚢胞」は成長しており5×2cm位になっていました。
急成長している事もありマンモトーム生検、造影MRI,造影CTと検査を
しましたが、この時の、マンモトームの時は中で貯留していたと思われる汚い色の血液がたくさん流れ出ました。
確かに、のう胞の中に充実性のものがあるが、悪性とも良性とも判断が出来出来ない。
グレー色。
切除して病理検査しましょうとなり、右乳房の乳首の裏側をくり抜く手術を受けました。
念のためセンチネルリンパ節の検査も。
これだけ、たくさんの検査をしても判断がつかず、病理検査の結果で今後の方針を決めるとの事でした。
これは、限りなく悪性を疑っているという事なのでしょうか?
それとも、やはり何でもなかったとなる事もあるのでしょうか?
ちなみに、左乳房にも嚢胞と思われるものがあるので、一緒に切ります。
と言われていましたが、手術中の再確認で消失していたため今回は何もせず厳重に経過観察していくとの事でした。
結果が出るまでは、あれこれ考えても仕方ないと言い聞かせてはいますが・・・正直ざわついた気持ちで何も手につきません。
今回の手術で右胸は変形してしまいましたが、悪いものがあって命に関わるのならわるのなら仕方のない事だとおもっています。
でも、もし何でもなかったとなったらたくさん検査をして、痛い思いもして自分で決断した事とは言え、少し悔しい気もします。
一番、悲しんでいるのは高齢の母親で冷静に考えたら造影MRI・造影CT等では、嚢胞内腫瘍の切除前にある程度の悪性・良性の判断は難しいものなのでしょうか?
また、悪性だった場合、再手術になる可能性もありうるのでしょうか?
まとまりのない長文で失礼いたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「嚢胞内腫瘍」ですね。
質問者には申し訳ありませんが…
私が責任をもって回答している以上、「誤った診療」についてコメントしない訳にはいきません。
○そもそも
『「嚢胞」は2.1cmに成長しており中の水を抜いて診てみる事になり、いざ針を刺すと、表面は固く中々刺さらず針の長さを替えながら33回目で抜けてきたのは、濁ったミルクティ色の液体で簡易顕微鏡検査ではでは心配ないとの事』
⇒この8月がターニングポイントだったと言わざるを得ません。
本来、ここで「無駄な3カ月」ではなく「摘出生検」すべきでした。
♯嚢胞内腫瘍を疑った以上、(針生検などで「打ち抜く」ことによるリスクは回避して)摘出すべきです。
『「嚢胞」は成長しており5×2cm位になっていました』
⇒これは「明らかに異常なこと」です。
内容液が「血性」であることもあり、(癌では無い可能性も残りますが)「摘出しなくては解決しない」ものであることもまた事実です。
それを「マンモトームで壁を打ち抜き、内容液で汚染する」というのは、外科医として「局所コントロールに対する認識の甘さ」を感じます。
「念のためセンチネルリンパ節の検査」
⇒これも誤りです。
「組織診で癌の診断でない」以上、(例えセンチネルリンパ節生検といえども)「決して腋窩に手をつけてはならない」という認識は必要です。
「これだけ、たくさんの検査をしても判断がつかず、病理検査の結果で今後の方針を決める」
⇒殆どの検査が無駄な検査でした。(残念ながら)
そもそも「嚢胞内腫瘍」の診断には「摘出」が必要なのです。
「これは、限りなく悪性を疑っているという事なのでしょうか?」
「それとも、やはり何でもなかったとなる事もあるのでしょうか?」
⇒所見的には
「乳管内(嚢胞内)乳頭腫」もしくは「嚢胞内癌」を疑うべきものです。
ただ「血性」であること、「急速な増大」からは、どうしても「悪性 > 良性」を疑う事はやむをえません。
「造影MRI・造影CT等等では、嚢胞内腫瘍の切除前にある程度の悪性・良性の判断は難しいものなのでしょうか?」
⇒そもそも、「それら画像診断」は「確定診断にはなりえない」ものです。
診断には全く無意味です。
「また、悪性だった場合、再手術になる可能性もありうるのでしょうか?」
⇒私が推測するには…
わざわざ(同時に、本来適応外である)「センチネルリンパ節生検」までしたということは、(もしも癌だとしても、再手術しなくてもすむように)『大きめに(つまりマージンをつけた)切除』をしていることと推測します。