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嚢胞内腫瘍について

[管理番号:2370]
性別:女性
年齢:37歳
 
初めまして。
色々乳腺疾患について調べるうちにこちらのサイトに辿り着きました。
 
先生の信頼できるご回答に安心感を覚えました。
10月初旬集団検診を受け、マンモは異常なし、エコーにて4ミリ程の丸いしこりを指摘されました。
すぐに総合病院乳腺外科に行き、またマンモ、エコーを受けました。
エコー画像から嚢胞内乳頭腫だろう、との事。
 
エコーは技師さんと先生でチェックされていて、カラードップラー?のようなチェックもされていました。
半年後経過観察を言われましたが、不安で11月に別の乳腺専門病院で診て頂きました。
嚢胞か良性のしこりだろう、ただ小さいからよくわからない、との事。
その後3ヶ月が経ち、本日経過観察に総合病院に行きました。
 
しこりは前回と変わっておらず、約4ミリのまま、また経過観察との事でした。
こちらのサイトを見ていて、嚢胞内腫瘍は摘出しないとわからない、と書いてありましたので、本日主治医にその旨を聞きました。
すると、今の段階では小さすぎるから、しなくても良いと言われましたが、細胞診も何もしてないので100パーセント安心感は得られません。
 
それからしこりが見つかった方の胸から白色分泌があります。
2年前に断乳して、そのなごりがまだあるのでしょうか。
単孔分泌です。
 
○○(関西)在住ですが、一度田澤先生に診て頂きたいです。
もしそちらに伺うとなれば、診察、検査など何日位かかりますか?
小さい子供が2人いるので、参考までに。
どうぞご回答よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
 
「エコーにて4ミリ程の丸いしこり」「エコー画像から嚢胞内乳頭腫だろう」「半年後経過観察」「3か月で4mmのまま」
⇒(内容液が固まっただけの)「濃縮嚢胞」か「嚢胞内腫瘍(乳頭腫など)」のどちらかという事です。
 この鑑別は「有る程度の大きさ」とならなければ(画像上は)困難です。
 
 
「こちらのサイトを見ていて、嚢胞内腫瘍は摘出しないとわからない」
⇒その通りです。
 ただし、「その大きさ」であれば「まずは細胞診」でいいと思います。
 細胞診は「確定診断ではない」ですが、『ただの嚢胞(濃縮嚢胞など)なのか、嚢胞内腫瘍(乳頭腫など)なのかの鑑別には大変有用』と言えます。
 
「しこりが見つかった方の胸から白色分泌があります。2年前に断乳して、そのなごりがまだあるのでしょうか。単孔分泌です。」
⇒白色分泌の場合は「まず問題無」と思います。
 授乳の名残である可能性が高いです。
 
「もしそちらに伺うとなれば、診察、検査など何日位かかりますか?小さい子供が2人いるので、参考までに。」
⇒現状からすると「細胞診」位なので、「その日に直ぐに終わります」
 ただ、「細胞診の結果」が1週間かかるとして、「その結果で乳頭状病変など、嚢胞内腫瘍が疑われる」場合には「摘出生検」へと進みます。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日は質問に対してご丁寧に回答して頂き、ありがとうございました。
 
早速貴院に電話しまして、来月半ばに診察予約が取れました。
 
13時40分から診察していただく予定ですが、細胞診は時間的にその日中にできますでしょうか?
今日予約の際、電話口で対応してくださった方が、その日は田澤先生が14時半から予定がある、ような事をおっしゃっていました。
関西在住の為、なるべくその日のうちに細胞診までできると助かります。
 
それからしこりがもし悪いものであった場合、細胞診にて外にばら撒かれる、という事はないのでしょうか?
お忙しい中大変恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
 
「13時40分から診察していただく予定ですが、細胞診は時間的にその日中にできますでしょうか?」
⇒大丈夫です。
 細胞診は5分位で終わりますよ。
 
「今日予約の際、電話口で対応してくださった方が、その日は田澤先生が14時半から予定がある、ような事をおっしゃっていました。」
⇒私自身、「初耳」ですが、いずれ診療中に問題無くできます。
 
「関西在住の為、なるべくその日のうちに細胞診までできると助かります。」
⇒それは当然です。
 「遠方でなくても」必要があれば「マンモトームでもその日のうちに行います」
 
「それからしこりがもし悪いものであった場合、細胞診にて外にばら撒かれる、という事はないのでしょうか?」
⇒細胞診なら大丈夫です。
 ただ、その意味で「嚢胞内腫瘍を疑う際には、(マンモトームやバネ式針生検ではなく)細胞診としている」のです。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

先日嚢胞内腫瘍について質問した者です。
丁寧なご回答ありがとうございました。
 
今回指摘されたしこりとは別に乳頭下にコロコロした小さなしこりを自分で見つけました。
10月から集団検診、その後病院2箇所で診ています
が、その乳頭下しこりについては何も言われておりません。
気になり、先週の経過観察で受診した際に先生に診ていただきましたが、
エコーでは何も確認できず、母乳の固まりが何かだろう、との事でした。
医師自らのエコーです。
 
乳頭下はエコーで見えずらいと聞きましたが、確かにコロコロしたものがあります。
しこりはあるが、エコーには写らないという事はあるのでしょうか?
こ多忙の中恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
 
「エコーでは何も確認できず、母乳の固まりが何かだろう、との事でした。医師自らのエコー」「しこりはあるが、エコーには写らないという事はあるのでしょうか?」
⇒その医師のコメント通り「母乳の塊=乳瘤」もしくは「乳腺症結節」などだと思います。
 医師自ら「触診しながら、エコー」であれば全く問題ありません。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

おはようございます。
先月22日に江戸川病院受診を受診した者です。
遠方ではありましたが、田澤先生に診ていただき、本当に良かったです。
ありがとうございました。
 
先日結果が郵便で到着し、濃縮嚢胞、との事でした。
近所の病院では乳頭種かな、と言われていましたが、濃縮嚢胞であれば、経過観察は必要でしょうか?一年毎の検診で良いのでしょうか?
また細胞診は確定診断ではない、と聞きましたが、濃縮嚢胞であればそれ以上の検査は必要ありますか?
お忙しい中恐縮ですが、宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
勿論覚えています。
画像所見同様、「濃縮嚢胞」でした。
 
「近所の病院では乳頭種かな、と言われていましたが、濃縮嚢胞であれば、経過観察は必要でしょうか?」
⇒不要です。
 
「一年毎の検診で良いのでしょうか?」
⇒その通りです。
 
「また細胞診は確定診断ではない、と聞きましたが、濃縮嚢胞であればそれ以上の検査は必要ありますか?」
⇒無用です。
 御心配なく。

 
 

 

質問者様から 【質問5 嚢胞内腫瘍について】

性別:女性
年齢:40歳
病名:
症状:

平成28年3月に田澤先生に診ていただき、濃縮嚢胞と診断を受けた者です。
(エコー検診にて嚢胞内乳頭腫かな?と言われ、大阪から東京江戸川病院に出向きました。)
その後、半年後に通常検診、マンモ、エコーを受け異常なしでした。

そこから更に1年9カ月経過し、本日マンモ、エコー検診を受けました。

すると、エコーにて、以前指摘された場所と多分同じかな?と思う所にまた嚢胞内乳頭腫を指摘されました。

嚢胞は約1センチ、その中に白いもやっとしたものが少し写る感じです。

先生は多分乳頭腫かな?という感じでしたが、念のため針生検していただきました。

これは以前抜いた嚢胞にまた水が溜まった事が考えられますか?
濃縮嚢胞であれば一度消えても再度、同じように写るのでしょうか?
今回も前回も両胸で指摘されたのはこの一箇所だけです。

どうぞよろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。

物事はシンプルに、そして「理論的に」考えなくてはいけません。(「良くわからないけど」的に、black boxに入れることは止めましょう)

嚢胞とは「正常乳管が詰まって分泌液が溜まっているだけ」のものです。
濃縮嚢胞とは(その液体が)「変性して少し固まったりしてモヤモヤして見えるだけ」であり、「嚢胞」と同じものです。

つまり、乳管が詰まれば(分泌液が溜まって)「嚢胞」はできるし、内部の液体を抜いたとしても(乳管が閉塞しているかぎり)「また分泌液が溜まってくる」のです。

★上記をよく読んで理解してください。
 物事の本質を理解せずに「black boxにいれている」と、余計な心配に曝されるだけなのです。