乳がんは早期発見、早期治療を目指しましょう。乳がん手術は江戸川病院|乳がんプラザ

[管理番号:6838]
性別:女性
年齢:43歳
病名:非浸潤性嚢胞内乳がん
症状:右胸3cmほどのしこりに突然気づいた

田澤先生はじめまして。

しこりを見つけてから、こちらのサイトで色々と勉強させていただき、本当にありがたく思っています。

《経緯》
・今年1月 定期検査で右胸に0.7cmの嚢胞あり(経過観察)
・今年8月中旬 右胸にしこり(3cmほどの可動性のある消しゴムくらいの柔らかさ)を見つける。

・数日後 毎年検診していた近くの乳腺外科を受診し、エコー、マンモで嚢胞性腫瘍(悪性の可能性が高い)とのことで、MRI。
検診時のものとは違う新たなものであるとのこと。

・さらに数日後 やはり悪性を疑うので、針生検と言われましたが、田澤先生のお言葉を信じ、摘出生検をお願いし、8月末に摘出

《病理診断》
嚢胞壁に重層化した異型細胞を認めます。
また、部分的に嚢胞内へ乳頭状に増殖しています。
核異型が強くductal carcinomaの所見です。
免疫染色を追加し、2相性を確認しています。
切除断片への露出は確認できません。

免疫染色(CD10,p63)にて、嚢胞周囲の腫瘍細胞には筋上皮はみられません。
一部に乳頭状構造もありintra papillary caracinomaとしても矛盾しない所見です。
嚢胞周囲の線維性被膜へ索状に入り込んでおり、浸潤かどうかの判断か難しいですが、線維性被膜への旺盛な浸潤は確認されず、非浸潤癌相当と考えます。
切除断片への露出は確認できません。

*主治医からはきれいに取りきっている。
摘出生検で非浸潤だったので、追加の手術とセンチネルリンパ節生検は行わない。
放射線治療25+5回をする。

サブタイプはホルモンに反応がないタイプだったので、ホルモン剤も飲まなくていい。

とのことで、現在放射線治療をしています。

そこで質問です。

・非浸潤が確定の場合はセンチネルは行わないことは、ガイドラインにも記載されているのを分かっているのですが、もし生検で分からない微小浸潤があってすでにリンパ節転移があったら、進行するのでは?と心配しています(ガイドラインには2%?)。
非浸潤の嚢胞内乳がんでそこまでは考える必要ないでしょうか?
非浸潤のサブタイプは気にする必要ないと田澤先生も言われていますが、HER2かトリプルネガティブだと思うと、1月の検診で見つけてもらえなかったこともあり、増殖が強く、悪性度も高いのでは?と心配です。

・また、基本的な質問ですが、非浸潤は「理論的には」転移はないと、
色々なHPに載っていますが、逆に非浸潤で転移があるのはどんな場合なのでしょうか?

お忙しいところ申し訳ありませんが、田澤先生の言葉がもらえたら私も納得し受け止め、前向きに生きて行けると思い、思い切ってメールしました。

どうぞよろしくお願い致します。

ちなみに。。。

昨夜のノーベル賞受賞が、がん治療に関わる研究と知って、一患者としてもとても嬉しかったです。
乳がんに適応されているのかは分かりませんが、早くこの世にがんで苦しむ人がいなくなるといいと切に感じました。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「やはり悪性を疑うので、針生検と言われましたが、田澤先生のお言葉を信じ、摘出生検をお願い」
→ここが質問者にとっての「最大の勝利」でした。

 ここで針生検をもししていたら「今ほどには、安心できない」状況であったことは間違いありません。
 しかも、(もしも針生検していたら)「非浸潤癌、浸潤の可能性もあり」となり、
(余分な)「センチネルリンパ節生検を勧められていた」ことでしょう。(これを回避できたことだけでも「大きな価値」があります)

「摘出生検で非浸潤だったので、追加の手術とセンチネルリンパ節生検は行わない。」
→「センチネルリンパ節生検を行わない」ことには100%賛成です。

 ただ、唯一気になるとしたら…
 この医師が、どの程度の手術をしたのか?です。
 (病理学的に予想外の拡がりが無ければ)『癌であっても、この手術で取り切る』
つもりの手術(十分なマージンをつける)であればいいのですが…(そこのところがこのメールでは不明です)
 『今週のコラム 134回目 これでADHならば「ADHは確定診断」してもいいのです。(FEAも同様)』に出てくる図を参照ください。
  Margin negativeであることから(incisional biopsyではなく)「excisional
biopsyとなっている」ことは間違いありません。 
ただし、(このコラムにも記載したように) marginぎりぎりであるexcisional
biopsyよりも(最初から、癌であっても手術を1回で終わらせるつもりで)marginを十分につけた「乳腺部分切除」の方が望ましいのは言うまでもないのです。

「サブタイプはホルモンに反応がないタイプだったので、ホルモン剤も飲まなくていい。」
→そもそも非浸潤癌なのだから全身療法(ホルモン療法も含む)は全く不要です。

「もし生検で分からない微小浸潤があってすでにリンパ節転移があったら、進行するのでは?と心配」
→これを『杞憂』といいます。

 古代中国では「もしかして空が(崩壊して)落ちてくるのでは」と心配していた人がいたそうです。

 「突然、飛行機が落ちてきて家がつぶされるかもしれない」とか「明日、交通事故にあって死ぬかもしれない。」などと、可能性の極めて低いことを心配することは止めましょう。(生きるのがつらくなります)

「非浸潤の嚢胞内乳がんでそこまでは考える必要ないでしょうか?」
→当たりまえ。
 そもそも(マージンをつけていれば)「放射線も省略しようかな?」と迷うレベルの話ですよ。

「HER2かトリプルネガティブだと思うと、1月の検診で見つけてもらえなかったこともあり、増殖が強く、悪性度も高いのでは?と心配」
→??
 非浸潤癌でサブタイプなど10000%全く無意味。

「逆に非浸潤で転移があるのはどんな場合なのでしょうか?」
→それこそ「理論的」には。

 「顕微鏡レベルでも捉えきれない(病理医の集中力の限界を超えた)微小な浸潤が 実はあった場合」となるでしょう。

★空が崩れてくることを憂うより、(可能な限り)最高の状態で治療が終えたことを喜ぶ方が、人生はきっと充実することでしょう。(ご参考に)





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