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嚢胞内乳癌(浸潤性)について

[管理番号:2859]
性別:女性
年齢:37歳
始めまして。
いつも大変参考にさせていただいています。
お忙しいところ恐縮ですが、
ご回答いただけますと幸いです。
浸潤性乳管癌
充実腺癌
トリプルネガティブ
浸潤径6×4×4
リンパ節転移なし
リンパ管浸潤 1
脈管浸潤なし
核グレード3
ki67 62%
ステージ2B
▼これまでの経緯
夏頃に右乳房にしこりを自覚。
11月下旬、総合病院の乳腺科を受診。
初診時、診察前に先にマンモグラフィーを行い、
その後の診察でおそらく嚢胞だろうと言われる。
嚢胞の周辺にすこし怪しい部分があるからと
エコーを見ながら確認し、その場で針生検
後日乳癌と確定。
術前検査ではしこりは約3~4センチ。
嚢胞の中に浮いている状態。
(嚢胞内は血が混じり茶色い液体)
翌年1月上旬に全摘手術をし、
2月から術後化学療法開始。
(AC4クール、タキソテール4クール)
化学療法後に放射線予定
手術前の検査では、しこりは3~4センチで
嚢胞の中で浮いてる状態なので、実際には
そんなに大きくはないだろうと聞いていましたが、
摘出後の病理結果では浸潤径が6センチと
倍近い大きさになっており大変ショックを受けています。
▼質問1
嚢胞内乳癌の場合、
嚢胞内+嚢胞の外へ広がってしまった部分を含めて、
全体で◯cmというような診断になるのでしょうか?
(私の場合、嚢胞内3cm+嚢胞外3cm=6cm?)
▼質問2
嚢胞内部に留まっている分には、リスクはそれほど
高くはないと耳にしたことがあるのですが、
それでも全体の浸潤径で再発率などのリスクを
考えるべきでしょうか?
▼質問3
マンモグラフィーや針生検が原因で嚢胞がやぶれて
外に広がってしまったり悪化するようなことはありますか?
▼質問4
術前の胸部CTで肺上部に小結節がみつかりました。
非喫煙で肺炎や結核などの病歴もありません。
(1年前にインフルエンザにかかってます)
浸潤径の大きさを考えると転移の可能性は高いでしょうか?
また、家族がヘビースモーカーなのですがその影響はありますか?
どうぞよろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
嚢胞内乳癌ですか。
嚢胞内に留まっている(非浸潤癌)のであれば問題はありませんが、「嚢胞壁から浸潤している」場合には本体は「嚢胞外(浸潤部)」となります。
その部位を画像で捉えきれていなかったということになります。
「▼質問1嚢胞内乳癌の場合、嚢胞内+嚢胞の外へ広がってしまった部分を含めて、
全体で◯cmというような診断になるのでしょうか?(私の場合、嚢胞内3cm+嚢胞外3cm=6cm?)」
⇒違います。
 嚢胞壁外の「浸潤部分の大きさ」が浸潤径となります。
 
「▼質問2嚢胞内部に留まっている分には、リスクはそれほど高くはないと耳にしたことがあるのですが、それでも全体の浸潤径で再発率などのリスクを考えるべきでしょうか?」
⇒壁外に「浸潤している大きさ」で判断します。
 
「▼質問3マンモグラフィーや針生検が原因で嚢胞がやぶれて外に広がってしまったり悪化するようなことはありますか?」
⇒マンモグラフィーは大丈夫ですが、「嚢胞内腫瘍に対して針生検をする」ことはリスクがあります。
 
「▼質問4術前の胸部CTで肺上部に小結節がみつかりました。非喫煙で肺炎や結核などの病歴もありません。」
⇒これは「不顕性(つまり、罹った事自体に気付かなかった」肺炎の跡でしょう。
 
「浸潤径の大きさを考えると転移の可能性は高いでしょうか?」
⇒肺炎の後にできる「肉芽」だと思います。