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嚢胞内の乳がんについて

[管理番号:1888]
性別:女性
年齢:47歳
8年ほど前から左右の乳房にしこりがあります。
場所が変わったり、生理前後で大きさが変わったりしています。
1年半に1度欠かさず検診を受けて来ました。
毎回、嚢胞が多数あるが問題なしとの結果でした。
9月の終わり頃から、両乳房のいつものしこりがいつもより大きくなり、乳房の形を変えるほどになりました。
特に左は大きくなりました。
10月2日にエコー、マンモグラフィーで検診を受けた際に右乳房の嚢胞内に腫瘍らしきものがあるとのことで、その後、右乳房は針生検、左は嚢胞内液を抜いて細胞診をしました。左乳房の嚢胞内液は100ml超の黄色い液体が抜けました。
結果は、針生検をした右乳房は異常なし、嚢胞内液を抜いた左はクラス3から4のガンの疑いありと出ました。
12月15日にMRI検査の予定です。
その後、今度は左の針生検の予定です。
右の針生検の後、かなりの痛みもあったので、どうせならば、MRIの後は嚢胞ごと摘出して欲しいと頼みましたが、嚢胞が7~8個あり、どこの嚢胞内なのか分からないし、全ての嚢胞を摘出するのは現実的ではないとのことです。
私としては、ストレートに言うと、乳房の全摘出もいとわず、4人の子どもたちのためにも死ぬわけにはいかないと言う思いです。
こんなに検査ばかりに時間を取って大丈夫でしょうか。また針生検等でガンが散らばってしまい、取り返しのつかないことにならないのでしょうか。闘う意欲は十分ですが、子どもの顔を見ると不安で涙をこらえきれません。
よろしくお願いします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「嚢胞内液を抜いた左はクラス3から4のガンの疑いあり」
⇒嚢胞内腫瘍です。
 嚢胞内腋が「100ml以上」となれば「悪性の可能性が高い」と思います。
 
「左の針生検の予定」
⇒私は賛成できません。
 「嚢胞内腫瘍(しかも100mlも内容液が貯まる)」を針生検すると「内容液が完全に漏れます」
 極力、摘出生検すべきです。
 
「全ての嚢胞を摘出するのは現実的ではないとのことです。」
⇒全ての嚢胞を摘出する必要はありません。
 「100ml排液した嚢胞」だけでいいのです。
 
「こんなに検査ばかりに時間を取って大丈夫でしょうか」
⇒時間的に「それ程急ぐ必要はない」ことは確かですが、「じれる」気持ちは良く解ります。
 
 
「また針生検等でガンが散らばってしまい、取り返しのつかないことにならないのでしょうか」
⇒私も危惧します。
 嚢胞内腫瘍(しかも内容液が100ml)であれば摘出すべきです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、お忙しい中お答えいただきありがとうございました。
もう少し詳しく教えていただきたく、再度質問させてください。
今日は「悪性の可能性が高い」とお答えいただいた左乳房のことだけをお聞きします。
10月2日に個人病院でエコー、マンモグラフィーで乳がん検診を受けました。
数年間、検診を受け続けたクリニックです。
いつもより嚢胞が大きなっていたので、
その後、嚢胞内液を100ml超の抜き、細胞診をしていただきました。
結果は<クラス3>とのことで
「今は嚢胞内液も抜いてしまい、どの嚢胞か分からなくなってしまった
ので、3か月後にまた嚢胞内液が溜まってくるでしょうから、その時に
再度検査しましょう。」
と説明を受け、
「再検査ではなく、嚢胞ごと切除してほしい。」
と頼みましたが、
「7~8個もある嚢胞のうち、どれかわからないし、全ての嚢胞を取るの
は傷だらけになるので現実的ではない。」
と言われました。
個人病院で入院施設もなく、日帰り手術しか対応できない病院なので、今後のことも考え、乳がん専門病院へ転院しました。
病院名の通り乳がん専門の施設で、7人もの先生がいらっしゃっいます。
院長先生は乳癌専門医・指導医で、いろんな名医ランキングでも常に名前が載っていますが、
私の担当医は乳癌専門医ではありません。
そこで再度、エコー、マンモグラフィーの検査をした上で、個人病院からの紹介状とプレパラートを再度見直していただき、
<クラス3から4>との結果で、12月15日にMRI検査を受けることになりました。
MRI装置はその乳がん専門病院にはなく、他の医療機関で予約を取っていただきました。
MRI検査の結果を見て、その後針生検をする予定とのことです。
その先生にも
「針生検ではなく、嚢胞ごと切除して欲しい。」
と頼みましたが、個人病院の先生と同じく
「痛い思いを何度もさせて申し訳ないけれど、どの嚢胞か分からないし、きちんと良性か悪性かを分かったうえで必要ならば手術しましょう。」
と言われました。
私の不安通り、針生検では内用液(ガン)が漏れ出てしまうと田澤先生からの回答を拝見し、今のままの乳がん専門病院に通っていて大丈夫か不安が募ります。
田澤先生に診ていただき、手術、治療を受けたい気持ちもあります。
飛行機か新幹線を使えば日帰りも可能なので、私の命に関わる問題なので、ここは費用や距離よりも、納得できる治療を受けるべきなのかと考えたり、まだ小さな子どもを置いての治療にも決心がつきません。
田澤先生に診ていただくには可能でしょうか。
その場合、またマンモグラフィーの検査を受ける必要がありますか。
短い期間に3度も放射線を浴びるのは大丈夫なのでしょうか。
「100ml排液した嚢胞だけを摘出すればよいのです。」
と田澤先生は回答くださいましたが、10月に嚢胞内液を抜いてからはしこりは小さくなって、他のいくつかの嚢胞によるしこりの方が触れる状態です。
「100ml排液した嚢胞」を見つけ、それだけを摘出できるのでしょうか。
また、柔らかい嚢胞を摘出するのは石灰化した塊の腫瘍を摘出するより注意が必要で、嚢胞を傷つけ、内用液が手術中に漏れ出てしまう可能性があるように思うのですがいかがでしょうか。
それならば、なおさら、たくさんの手術をご経験されていらっしゃる田澤先生に手術をお願いしたいと思うのです。
お忙しい中、申し訳ありませんがどうか教えてください。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「100ml内容液が貯まる嚢胞」は「穿刺した後」どの位で「再貯留」するのですか?
「再貯留しないと、その嚢胞の部位を特定する事は困難」のようですね。(他にも多発のう胞があり)

回答

「田澤先生に診ていただくには可能でしょうか。その場合、またマンモグラフィーの検査を受ける必要がありますか 」
⇒可能です。
 マンモは不要です。
 ただし、タイミングとしては「嚢胞液が貯留」している時期でないと「診察が無意味」となるかもしれません。
 1カ月?位で再貯留するのでしょうか?
 
『「100ml排液した嚢胞」を見つけ、それだけを摘出できるのでしょうか』
⇒「再貯留」していないと難しそうです。
 ただタイミングとして「再貯留」した際に手術をすればいいだけです。
 
「柔らかい嚢胞を摘出するのは石灰化した塊の腫瘍を摘出するより注意が必要で、嚢胞を傷つけ、内用液が手術中に漏れ出てしまう可能性があるように思うのですがいかがでしょうか」
⇒その通りです。
 手術技術を要します。
 ただ、周囲に正常な乳腺を(有る程度)つけるようにして摘出する方がいいとは思います。
 
「たくさんの手術をご経験されていらっしゃる田澤先生に手術をお願いしたいと思うのです」
⇒手術経験は最大の武器となります。
 これだけやっても、「手術するたびに、新たな発見」をすることも稀ではありません。