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嚢胞 穿刺細胞診の結果待ちです

[管理番号:6316]
性別:女性
年齢:46歳
田澤先生
はじめまして。
よろしくお願いいたします。
2016年1月に胸に柔らかいしこりのようなものが複数あり、マンモグラフィとエコー検査をしたところ多嚢胞で経過観察という結果が出ました。
(2ヶ月程前に授乳終了)
2017年2月に前回とは違う検診センターで、マンモグラフィとエコー検査をした結果、
○エコーでは両側乳腺 嚢胞散在、所見を認めます。
C判定(軽度異常あり 要経過観察)一年後に検診を受けてください。
○マンモグラフィでは不均一高濃度 異常なし 左右カテゴリー1です。
という内容でした。
2018年1月末に前回と同じ区の検診センターで、マンモグラフィとエコー検査をしました。
この時、右胸一ヶ所から透明な粘性の分泌物があり脇の下の痛みと、しこりのようなものが以前より、はっきりと分かったので、そのことを伝えました。
結果は1年前と同じで、1年後に検診を受けるようにとのことでした。
4月(中旬)日に突然、右胸の右側面下側が痛み、かたいしこりが皮膚を触ると、すぐに分かりました。
しこりがある部分の皮膚が赤くなっており、
脇の下も腫れて痛みが3日程ありましたが、現在は脇の下は押せば痛い程度です。
しこり部分は固く現在も痛いです。
4月(中旬)日に別の乳腺外来を受診したところ、触診で嚢胞に水が溜まっているだけでしょうとのことでしたが、エコーで見たところ、嚢胞は5センチ程で、その中にはっきりと白いものが見えて、横長で大きさは2センチ以内とのことで、穿刺細胞診をしました。
局所麻酔をして注射器のようなもので何度か吸い出そうとしていましたが、エコーで見ていたら白い部分の半分程は吸い出せて、残りは吸い取れないと先生が言っていました。
吸い取ったものを見せてくれて膿だと思うのだけれど…とのことでした。
結果は4月(下旬)日に出ます。
今回の医師は後々分かったのですが、乳腺専門医ではなく非常勤の腫瘍内科の先生でした。
田澤先生のQ&Aで、細胞診は医師の腕によるとのことで不安になっております。
まだ結果が出ておりませんが、このような場合、嚢胞内腫瘍の可能性がありますでしょうか?
3ヶ月前にエコーとマンモグラフィ検査をした時、医師にしこりなどの症状を伝えて診ていただいたのですが、絶対に嚢胞だから大丈夫!と言われたのですが判別が難しく出来なかったということでしょうか?
また、嚢胞内腫瘍はエコーで分かるものなのでしょうか?
マンモグラフィ検査も必要ですか?
結果に不安なので、田澤先生に検査、摘出(外科的生検)などをしていただきたいのでお願い出来ませんでしょうか?
また、手術が必要でしたら、是非お願いいたします。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
今回のメールで注目したことは「(突然に)実際に炎症らしきことが起こっている」ことです。
これで「悪性疾患(癌)は完全に否定」されます。
 注)炎症というと、すぐに「炎症性乳癌?」みたいな発想が皆さん(時には乳腺専門医でさえも)には起こる様ですが…
  それは「100%誤り」です。
  「炎症性乳癌に炎症無し」これを知らない乳腺外科医も「山ほど」いますが、決して「騙されない」ようにしましょう。
   
○突然起こる炎症といえば
 肉芽腫性乳腺炎を疑わなくてはいけません。(陥没乳頭でもあれば、乳輪下乳腺炎なども鑑別に挙がりますが)
 ただ、質問者の年齢(46歳)からは「ホルモン分泌が不安定=突然起こる優痛性の嚢胞=乳腺症に伴う乳管の急性閉塞」もあるので、その鑑別は必要です。
「痛み、かたいしこり」
⇒これだけ見ると…
 「乳腺症に伴う乳管の急性閉塞による、嚢胞(これも結構痛いのです)」もしくは「肉芽腫性乳腺炎」を考えます。
「しこりがある部分の皮膚が赤く」「脇の下も腫れて痛みが3日程」「現在は脇の下は押せば痛い」「しこり部分は固く現在も痛い」
⇒実際に「皮膚が赤くなった」ことからは「肉芽腫性乳腺炎」>>「乳腺症に伴う嚢胞」ですが、経過が急で早いので「後者も完全には否定できない」です。
「嚢胞内腫瘍の可能性がありますでしょうか?」
⇒経過からは違います。
 もともと「多発のう胞があった」ことからは、「乳腺症に伴う急性嚢胞による痛み」のような印象ですが、「肉芽腫性乳腺炎も完全には否定できない」
「結果に不安なので、田澤先生に検査、摘出(外科的生検)などをしていただきたいのでお願い出来ませんでしょうか?」
⇒もしも「単なる急性嚢胞」ならば、(ホルモンが安定すれば)必ず改善するので、
少し様子をみるといいでしょう。(肉芽腫性乳腺炎の場合には、再燃しやすい)
 どちらにしても急を要する状況ではないので、まずは様子をみましょう。
 ★もしも秘書メールをして診察予約をするとしても「経過が参考になる」ので、どのようになるのか?(完全に軽快してしまうのか、再燃するのか?)まずは経過を見てもらった方がいいのです。

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