[管理番号:1359]
性別:女性
年齢:42歳
先日、市の乳がん検診で、触診で嚢胞があると言われて、要検査になりました。
マンモには正常な乳腺に隠れて映らないとのことで、異常見られずという判定でした。
先週、外科の乳腺の先生に診ていただきました。
検診でのマンモ写真を確認し、やはりマンモでは確認できず、エコーをしました。
そこで触診で見つかった嚢胞は異常なしだったんですが、上の方にも嚢胞が見つかり、そこには白い物が映ったので、念の為細胞診をするねっと言われて、検査を受けました。
その夜、入浴時に見ると、青アザになっておそらく検査の時に嚢胞が潰れたのか、プニプニしたものはなくなり、青あざ周りが血腫の為かしこりのようになっており、怖くなって不安でたまりませんでした。
昨日結果を聞きに再受診したところ、採取量が少なかったため、鑑識出来ないという結果を聞き、それまでの不安が倍増してしまいました。
血腫と青アザの事は先生にお伝えしました。
怖かったので検査中ずっと目を閉じていたのですが、エコーを使いながら、細胞診はされていたと思います。
今回は二箇所から採取し、血腫の為か前回よりも痛かったです。
昨夜はそれ以上、青あざがひどくなることはなく、黄色っぽくなってきました。
来週結果を聞きに行きますが、これではっきりしなければ、針生検をすると言われて、怖くてたまりません。
こちらのサイトで嚢胞に関する質疑応答を拝見していると、嚢胞の中の白い物は、細胞診や針生検でははっきり大丈夫とは言い切れないってご意見を見て、不安がさらに膨らんでいます。
先生は今回の私のようなけケースでも細胞を全摘した方がいいと思われますか?
すでに針を刺してしまい、もしも悪いものではあれば、分散してしまってる恐れがあるのでしょうか?
来週の結果で良性ならば、経過観察でいいのでしょうか?
毎年市の検診では、触診とマンモだけなので、エコーもしていただける病院で診てもらうべきでしょうか?
もしも針生検を勧められたら、どれくらいの傷になるのでしょうか?その検査が意味がないのであれば、摘出して検査を受ける場合、傷口が残るものなんでしょうか?
とにかく注射でも怖いと思ってしまうため、精神的にまいってしまっています。
針生検せずに摘出検査を申し出る患者もいるのでしょうか?
私は愛知県に住んでいて、先生に診ていただくにはちょっと遠いため、困難です。
愛知県で先生のお知り合いの先生がいらっしゃればご紹介していただくことは可能でしょうか。
ここまで、結果が出るのに時間がかかるほど悪いとは考えていなかったため1ヶ月以上悩んでいます(涙)
相談に乗っていただけるとありがたいです。
宜しくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「嚢胞内腫瘍」ですね。
診断の考え方ですが、「質問者の理解で正しい」と思います。
「嚢胞内の腫瘍が明らか」であれば、「細胞診も針生検(組織診)も不必要な検査」と言えます。
何れの検査でも「乳頭状病変が疑われます。摘出して全体を評価してください」のような病理レポートとなりがちであり、確定診断は困難なのです。
更に、(細胞診では大丈夫ですが)針生検では(ご本人が危惧するように)「癌細胞が散らばる可能性も全く無視はできない」ことになります。
ただ「嚢胞内腫瘍か、はっきりしない」場合には「細胞診をして、乳頭状病変があるのか?」確認することには意味があります。
今回のように「そこには白い物が映った」ように「嚢胞の中身が一部固まっただけなのか?」区別が必ずしもできないケースがあるのです。その場合には「細胞診が有効」となります。
但し、細胞診は「針生検以上の技術が必要」であり、「採取量が少なかったため、鑑識出来ないという結果」となるようでは「診断に程遠い」と思います。
回答
「先生は今回の私のようなけケースでも細胞を全摘した方がいいと思われますか?」
⇒冒頭でコメントしたように…
本当に「嚢胞内腫瘍なのか?」はっきりした所見でなければ、細胞診をして「乳頭状病変を確認」してから「摘出生検を検討」した方がいいでしょう。
もしも「摘出してみたら、ただの(中身が固まっただけの)嚢胞だった」では、申し訳ないからです。
「すでに針を刺してしまい、もしも悪いものではあれば、分散してしまってる恐れがあるのでしょうか?」
⇒細胞診であれば「大丈夫」です。
ただし、「針生検では、そのリスク」を考えなくてはなりません。(リスクは高くはないですが)
「毎年市の検診では、触診とマンモだけなので、エコーもしていただける病院で診てもらうべきでしょうか?」
⇒勿論、その方がいいのですが…
「某芸能人のケースがあてはまるかは不明ですが」エコー技術は本当に「術者によって差がある」のです。
「もしも針生検を勧められたら、どれくらいの傷になるのでしょうか?」
⇒針生検ならば「1mm位」ですよ。傷と言うほど目立ちません。
マンモトーム生検の場合は「針が太い」ので「2mm」位にはなります。
「針生検せずに摘出検査を申し出る患者もいるのでしょうか?」
⇒勿論、いらっしゃいます。
特に「嚢胞内腫瘍」であれば、「針生検はリスクが有るだけで無意味」と、私は考えます。
「愛知県で先生のお知り合いの先生がいらっしゃればご紹介していただくことは可能でしょうか」
⇒知っている医師はいますが、「お勧めする程の医師」は残念ながらいません。
○「病院選び」ではなくて「医師選び」が重要です。
これが難しいのですが…
質問者様から 【質問2】
ご回答頂きありがとうございます。
一回目の細胞診結果を聞きに行った時には、
何の知識も持たず、ただ不安な気持ちで、先生の話をきき、
結果、採取不足で、再度細胞診。
先生に対して、不信感を抱いて帰宅いたしました。
その後、田澤先生のサイトを拝見し、嚢腫に関する質問をいくつか読んでいく中で
今までよりも具体的な不安を感じ、質問させていただきました。
今回の田澤先生の回答を読んで、嚢胞内の白いものに関しては
腫瘍なのか嚢胞の中身が固まったものなのか、エコーでははっきりしないため
細胞診を行い、腫瘍であれば、良性か悪性を調べるのだと言うことがわかり、
私は、嚢胞内の白いものは全て取り除くべきかと思ってしまっていたので
まだその段階ではないのかもと、思いました。
ただ、細胞診は針生検以上の技術が必要であり、採取量不足により鑑識できない
との検査結果には
診断に程遠いとの先生のお言葉に、やはり担当医に対する私の不信感は間違って
いないのかも?と
感じました。
そこで、今度の水曜日に二度目の検査結果を聞きに行きます。
その前に幾つか先生のお考えをお聞きしたく、再度質問させて頂きます。
1: 1度目の細胞診の夜、嚢胞がしぼんだように感じました。
これは嚢胞が細胞診によって、つぶれたのではないでしょうか?
もしそうであれば、2度目の細胞診では、2カ所から採取したため(おそらく
エコーをしながら)
1度目よりも正確な検査結果を期待できると思いますが、
その結果良性であれば、今後は経過観察で大丈夫でしょうか?
2:二度目の細胞診の時に、前回の検査後に青あざ、その周りに血腫ができてい
ましたが、
そんな状態で細胞診を行い、血液が混じっていても正確に検査ができるので
しょうか?
3:今回の結果次第では、針生検にすすむと言われましたが、マンモトーム生検
と針生検でしたら
どちらを受けるべきでしょう?
腫瘍であれば、サイズにもよりますが、マンモトーム生検で腫瘍自体を取り除
けないのでしょうか?
4:今、受診している病院では、マンモトーム生検の設備が無さそうなので、
転院も考えています(担当医の技術にも不安を感じるため)
大学病院を紹介してもらう場合、今までの検査データを持っていけば、
マンモトーム生検もしくは針生検からの検査より行っていただけるのでしょうか?
(今まで経験がないため、大きな病院での流れがわからず、変な質問で申し訳あ
りません。)
5:嚢胞内腫瘍は、嚢胞内全体ではなく一部が白い場合だけでしょうか?
濃縮嚢胞は全体に白いものを意味するのでしょうか?
6:検査結果聞く際に担当医に、確認すべき質問事項があれば、教えていただけ
ませんか?
長文で申し訳ありません。よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
回答
「1度目の細胞診の夜、嚢胞がしぼんだように感じました。 これは嚢胞が細胞診に
よって、つぶれたのではないでしょうか?」
⇒(確信はありませんが)その可能性は十分にあります。
「1度目よりも正確な検査結果を期待できると思いますが、 その結果良性であれ
ば、今後は経過観察で大丈夫でしょうか?」
⇒細胞診結果が「細胞をきちんと採取」された結果であれば、「経過観察で大丈夫」です。
細胞診の「レポート内容」次第です。
「そんな状態で細胞診を行い、血液が混じっていても正確に検査ができるのでしょうか?」
⇒これは、想像ですが…
「細胞を採取」している時ではなく、その前後で「周囲から出血した」のではない
かと思います。
それであれば、「細胞診の結果とは無関係」となります。
「マンモトーム生検と針生検でしたらどちらを受けるべきでしょう?」
⇒前回の回答でもコメントした通り…
私は「嚢胞内腫瘍」では「針生検(バネ式も吸引式も)は勧めません」
万が一癌であった場合に「癌をばらまく可能性を考えて」です。
○単純に「診断するだけなら」もちろん、(バネ式)針生検 < (吸引式)針生
検(マンモトーム) となります。
「腫瘍であれば、サイズにもよりますが、マンモトーム生検で腫瘍自体を取り除けな
いのでしょうか?」
⇒良性腫瘍であれば、マンモトームを「しつこく」行えば「腫瘍を取り除く」ことは
できます。
問題なのは「悪性の場合」なのです。
もしも「悪性=癌」であった場合には「癌をばらまく可能性」があるし、「見える
腫瘍を取るだけでは、腫瘍を取り除いたことにはならない=治療としては不十分」と
なるのです。
「マンモトーム生検もしくは針生検からの検査より行っていただけるのでしょうか?」
⇒さすがに(前医で2回も細胞診をしているのに)また細胞診をすることはないでしょう。
「嚢胞内腫瘍」に対する診療の考え方は「医師により異なる」でしょう。
「嚢胞内腫瘍は、嚢胞内全体ではなく一部が白い場合だけでしょうか? 濃縮嚢胞は
全体に白いものを意味するのでしょうか?」
⇒そう簡単なものではありません。
画像だけで区別するのは(典型的なものは除き)容易ではないのです。
嚢胞内腫瘍でも「内部の腫瘍が大きくなれば、嚢胞内全体を占める」様になりますし、
濃縮嚢胞でも「嚢胞内の一部が固まっているだけ」であれば、「全体とはならない」のです。
「検査結果聞く際に担当医に、確認すべき質問事項があれば、教えていただけませんか?」
⇒これは状況に応じたものになります。
①細胞診結果が良性であった場合
⇒本当に、その結果は信頼できるのか?(きちんと、その腫瘍に見える部分から
細胞を採取した結果と考えて間違いないのか?です)
②細胞診結果が「鑑別困難(乳頭状病変)」もしくは「癌疑い」となった場合
⇒針生検をして「癌細胞をばらまく」リスクは無いのか?(摘出生検が妥当では
ないのか?です)
質問者様から 【質問3】
田澤先生
度々質問をさせていただき、お忙しいところ、申し訳ありません。
回答頂きありがとうございます。
本日、細胞診の結果を聞きに、行って参りました。
結果は、前回同様、duct上皮をごく少数認めますが、判定には至りません。
(前回・今回ともに細胞が乏しいです。確認するためには、針生検をお願いしま
す。)
でした。
前回は、動揺していて、何も質問できぬまま帰ってしまいましたが、
今回は、先生からの確認事項と疑問点をまとめてから受診いたしました。
まず、今回も判定できない理由を聞いたところ、
結果のごとく、細胞の量が少なかったからと言われ、納得がいかなかったため
Q:1回目の細胞診の後に、嚢胞がつぶれたような感覚があったのですが、
嚢胞がつぶれていたら、二度目の細胞診は、正確に採取できるのではないでしょ
うか?
A: 嚢胞がつぶれてはいないです。(私の感覚が間違っていたようです)
Q:一回目の細胞診の前に、エコーで画像確認した時に、先生が、
正常な嚢胞は黒く映るが、少し白い部分が見られるので
検査しましょうとおっしゃいましたが、それは、嚢胞内に白いできもの的なものが
合ったように感じましたが、それを細胞診されたのではないのですか?
A:(画像を確認しながら)、一つの粒ってわけではなく、嚢胞の下の部分が少し
白っぽかったので
念のために細胞診をしました。
(二度採取して分からないのは、細胞が細かく小さいから?)
Q:サイズとしてはどれくらいですか?
A:1cm弱です(おそらく嚢胞のサイズかと)
針生検を勧められましたが、マンモトーム生検とどちらがいいのか確認し、
マンモトーム生検は、その病院には機材がないので、針生検が痛みを伴うため、
痛くない方法であればと、MRI検査を行うことになりました。
おそらく、それで判別がつくからとのことでした。
よほど大丈夫だとは思うけども、半年後どうなるかわからないので
ここまで検査して、曖昧な結果では良くないからといわれました。
確かに私もそう思いますが、はたして、この先生に今後も検査をお願いしていい
ものか不安を
抱いたまま、今日は終わりました。
質問が、素人なので、的外れだったとは思いますが、
若干不機嫌そうでしたので、それ以上説明も求められず・・・
診察後、別室で看護師より、MRI検査の説明を受け、
今の不安を話し、先生の経験値などをきいてみました。
某タレントの影響で、通常は事前予約が必要ですが、
当日受診希望される方も増えており、混雑しているようです。
セカンドオピニオンを求め、紹介状を書こうにも
受け入れ先の病院が1か月待ち状態だったりだと
お聞きしました。
本日の結果次第で、私も転院を考えていたのですが、
MRI検査まで受けて、その結果で判断するほうが早いかと思い
今日は、転院希望はせず、検査予約をしてきました。
そこで、
1.今までの私の検査の経緯より、MRIにて診断結果がきちんとしたものが
出るのでしょうか?
2.担当医のお言葉を信じても大丈夫でしょうか?
3.やはりもう少し専門的な病院に移るべきでしょうか?
4.MRIで問題なければ、今後は、通常の乳がん検診で
大丈夫なのでしょうか?
5.一回目の検査の後、青あざができ、しこりのようなものがあるのですが、
2週間たった今でも、しこりは残り、あざも消えていません。
大丈夫なのでしょうか?
以上、よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
細胞診で結果がうまくいかずに「MRIを行う」とても(大学病院的な)とてもお勧めできない診療です。
回答
「1.今までの私の検査の経緯より、MRIにて診断結果がきちんとしたものが出るのでしょうか?」
⇒出ません。
MRIを診断目的で用いるべきではありません。
「2.担当医のお言葉を信じても大丈夫でしょうか?」
⇒私は賛成できません。
「3.やはりもう少し専門的な病院に移るべきでしょうか?」
⇒その「専門的」をうたっている病院が「本当にその名前程に、まともな診療をしていればいいのですが…」
「4.MRIで問題なければ、今後は、通常の乳がん検診で大丈夫なのでしょうか?」
⇒そうは思いません。
私は「MRIを診断目的に用いる」ことには賛成しません。
「5.一回目の検査の後、青あざができ、しこりのようなものがあるのですが、 2週間たった今でも、しこりは残り、あざも消えていません。 大丈夫なのでしょうか?」
⇒大丈夫です。
いずれ吸収されます。