[管理番号:3464]
性別:女性
年齢:45歳
広範囲の非浸潤性乳がんによる左側全摘、センチネルリンパ節生検の手術をしました。
10年前の人間ドックで、左に小さな石灰化があると言われましたが、
その後の検査では石灰化は見当たらないと言われ続け、
2年前の人間ドックでも、一切ないと言われました。
今春の検査をで、広範囲の石灰化に愕然としました。
見落とされていたのか、短期間で急速にできたのか不明ですが、
医師には、まれにいる、と言われました。
術後病理検査の結果
120度に広がる石灰化。
腫瘍径50~60ミリ。
一部乳管外に浸潤。
3ミリ程度。
断片陰性。
リンパ管や血管転移なし。
離れたところにも石灰化があり、群発性。
右側は今後厳重観察とのこと。
ステージ1 グレード1 ルミナルA
センチネルリンパ節生検の結果、0.2ミリ以下の微小転移が1つ。
陰性扱いのため、郭清は行わない。
今後の治療計画
ノルバテックス 5年、10年
リュープリン5年、生理の状況見て延長 1度に6か月分の投与予定
副作用により、漢方内科受診を予定
婦人科にて、卵巣嚢胞、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ等経過観察。
なお、10年前に卵巣嚢腫摘出。
卵巣温存。
質問
ガイドラインでは、若年性以外のリュープリン併用の優位性は確認されていないようです。
現在、大規模臨床試験中という記事も見ます。
1 リュープリンは必要な治療なのか。
2 臨床データのため、実施するのか (研究機関でもある病院のため)
3 子宮筋腫等があるため、ノルバテックスによる肥大を相殺するためにやるのか
4 ノルバテックス単体投与者よりも、再発リスクが高い患者ということか
5 同時投与、6ヶ月分投与で、副作用がますのではないか
6 PMSに長年苦しんでおり、ピルや漢方薬を試したが効果がなかった。
副作用による更年期障害症状がひどいのではないか。
ご教示願います。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「2年前の人間ドックでも」とありますが、「2年ぶり」ということでしょうか?
2年間あると、「石灰化が突然、乳腺全域に出現」してもおかしくはありません。
乳房全摘となったことはお気のどくですが、pT1a(3mm), pN0(ITC) 十分な早期です。
「1 リュープリンは必要な治療なのか。」
⇒純粋に「再発予防として」は不要です。
タモキシフェン単剤でいいでしょう。
「2 臨床データのため、実施するのか (研究機関でもある病院のため)」
⇒それは不明です。(担当医に聞いてみましょう)
「3 子宮筋腫等があるため、ノルバテックスによる肥大を相殺するためにやるのか」
⇒それも「考慮」しているかもしれません。(それも担当医に聞いてみましょう)
「4 ノルバテックス単体投与者よりも、再発リスクが高い患者ということか」
⇒それは違います。
実際は「ほぼ根治」と思われます。
「5 同時投与、6ヶ月分投与で、副作用がますのではないか」「6 PMSに長年苦しんでおり、ピルや漢方薬を試したが効果がなかった。」「 副作用による更年期障害症状がひどいのではないか。」
⇒心配するのであれば(そもそも不要なものだし)担当医と話し合って「タモキシフェン単独」にしてもらいましょう。