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術後病理検査結果後の治療と妊娠のタイミングについて

[管理番号:3282]
性別:女性
年齢:44歳
田澤先生
いつもありがとうございます。
手術の病理検査の結果がやっと出ました。
今後の、治療においての先生からの
アドバイスをぜひお願いし申し上げます。
44歳 女性
2016年5月 手術
左胸全摘出(皮膚と乳首温存) リンパ廓清
同時再建シリコン
結果
組織型 Paillotubular Carcinima with Mucinous Production
WHO分類 Carcinima of mixed type:Invasive Carcinima of no special type and Mucinous Carcinima
大きさ 肉眼的 22×22×12mm
顕微鏡的 浸潤部 13×7mm In situを含めると 62×30×10mm
リンパ節 Level Ⅰ(1/9) LevelⅡ(0/2)
核異型度 Nuclear atypia 2:Mistosis, score1ですので
Nuclear Gardeは1になります
水平断端 陰性
体表側断端 陰性
胸壁側断端 陰性
乳頭側断端 陰性
ER +70%
PgR +20%
HER2 socre+2のため再検査
Ki67 labeling index: 50%
HER2 socre2のため再検査結果
HER2シグナル/chr17総シグナル 114/39=2.06 増幅あり
抗がん剤+ハープセプチン+ホルモン治療10年
放射線治療必要なしと、現在の主治医から聞いております。
先生のアドバイスをお願いします。
ホルモン治療だけの場合、生存率は低くなりますでしょうか?
また抗がん剤+ハープセプチン治療後、現在冷凍している卵子で妊娠
出産後
ホルモン治療10年か
または
抗がん剤+ハープセプチン治療後、ホルモン治療5年
(卵子の保存が50歳の誕生日までのため)
現在冷凍している卵子で妊娠 出産後
ホルモン治療続けて5年
先生は、どちらをお勧めになりますか?
どうかよろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1c(13mm), pN1, NG1, luminalB(HER2陽性)
早期癌です。
「抗がん剤+ハープセプチン+ホルモン治療10年放射線治療必要なしと、現在の主治医から聞いております。」
⇒正しい判断です。
 
「ホルモン治療だけの場合、生存率は低くなりますでしょうか?」
⇒抗HER2療法をすることで「再発率は半分」になります。
 抗HER2療法はすべきです。
 
「また抗がん剤+ハープセプチン治療後、現在冷凍している卵子で妊娠 出産後ホルモン治療10年」
⇒当然こちらです。
 
「抗がん剤+ハープセプチン治療後、ホルモン治療5年(卵子の保存が50歳の誕生日までのため)現在冷凍している卵子で妊娠 出産後ホルモン治療続けて5年 先生は、どちらをお勧めになりますか?」
⇒当然、前者です。
 私の考えでは「5年もの長期間ホルモン療法をしてから」妊娠では「酷」すぎます。
 ある程度短期間で終わる「抗がん剤」は先にするにしても「長期間であるホルモン療法」を(妊娠前に行う)ことは、忍耐の限界でしょう。