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MRIについて

[管理番号:1337]
性別:女性
年齢:39歳
こんにちは。
いつも先生のサイトを拝見し希望をいただいています。
10月1日に乳がんと診断され、明日MRIで広がりを確認し術式を決める予定です。
これまでの経緯ですが
①6月の中旬に巡回バス検診で、マンモグラフィーを受け、7月に左胸に石灰化あり、
要精検3との通知が来ました。
②慌てて7月の終わりに近所の乳腺外来を受診しましたが、画像がないとの何とも言
えないとのことで、8月の終わりに再受診し、超音波を撮り取り寄せた画像を見てい
ただきました。その時は右胸に石灰化があると言われました。念のためということで
施設の整った病院(○○県佐○医療センター)に紹介状を書いてもらいました。
③9月12日にマンモグラフィーと超音波をとり右胸に7つほどの小さな石灰化が集ぞく
してあり、15日にマンモトーム生検を受け、10月1日に乳がんと言われました。
先生のお話では、恐らく非湿潤(1.7センチ)でしょうとのことで、
明日8日にMRIを受けて術式を決めることになりました。
いずれの先生の触診でも異常はなく、自分で触れてもしこりはなく、非触知のタイプ
なのでしょうか?
昨年は椎間板ヘルニアを患い、検診は受けていません。
●心配なのは、石灰化を伴う場合は進行が早いと先生から言われているのに6月から
大分時間がたっていることと、左胸にあると言われた石灰化が右胸にあると言われて
いることです。検査結果はいただかなかったのでガンの性質など詳しいことは分かり
ません。
●また、何の予備知識もなく術式を決めることも不安です。
お忙しい中、まとまらない文章で恐縮ですが、なにかアドバイスを頂けたら幸いです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「石灰化のみでみつかる」乳癌は「間違いなく、早期発見」といえます。

回答

「いずれの先生の触診でも異常はなく、自分で触れてもしこりはなく、非触知のタイプなのでしょうか?」
⇒その通りです。
 典型的な「非触知乳癌の発見契機」と言えます。
 
「石灰化を伴う場合は進行が早いと先生から言われている」
⇒これは「担当医の誤り」というよりは「質問者の誤解」でしょう。
 石灰化を伴う非浸潤癌には2タイプあります。
タイプ①low grade DCIS(低悪性度非浸潤癌) 
これは「低悪性度」とあるように、「非常に大人しい」もので、随伴する石灰化も「壊死型ではなく、分泌型」となります。
 
タイプ②壊死型(コメドタイプの)DCIS
これは「文字通り、コメド壊死に伴う「壊死型石灰化」を随伴します。
この場合は「核グレードは中等~高度」となり、増殖力旺盛と言えます。
 
 文面から推測するに、質問者は「タイプ②」でしょう。
 ただ、「あくまでも非浸潤癌」なので、「悪性度の高い癌で、大変な状況」という
ものとは「程遠い」位置にいます。
 担当医は「非浸潤癌といっても、(low grade DCISとは異なり)放っておくと確実
に浸潤癌となる」という意味で「進行が早い」とコメントしていると思います。
 ★そうは行っても,あくまでも「非浸潤癌にすぎない」ので「浸潤癌のように、慌
てる」必要はないです。
 
「左胸にあると言われた石灰化が右胸にあると言われている」
⇒検診時の「記載ミス」だと思います。
 2人の医師が確認しているようですので「心配無用」に思います。
  
 
「何の予備知識もなく術式を決めることも不安」
⇒術式決定については「単純に、画像所見だけ」でいいです。
 つまり「マンモグラフィーでの石灰化の範囲」と「MRIでの拡がり(非浸潤癌で
は、MRIでははっきりとはしない事も多いですが…)」を参考にすれば、いいのです。
○文面「7つほどの小さな石灰化が集ぞく」からは、「大した拡がりは無さそう」な
印象です。
 
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、こんにちは。
私の拙い質問に、丁寧に答えてくださって本当にありがとうございます。
先日、MRIを受け、手術の方法を選択してきました。
ガンの進行スピードの件は、担当の先生に伺ったところ、田澤先生のおっしゃる通
り、非浸潤であればさほど心配いらないと言われました。
手術は乳房温存術で、日帰りで来週手術になります。
ただ、日帰りなのでセンチネルリンパ生検はしません。
術後、がんが全て取りきれていない場合にはリンパ節に対する手術をすると説明があ
りました。
●日帰りの場合は来週、入院してリンパ節生検も同時に行う場合は来月手術と言わ
れ、少しでも早くとの思いから日帰りを選択しましたが、非浸潤だった場合にはリン
パ節生検はしないということだと思うので、これで良かったのか、不安になってきました。
●また、若年性乳がんに該当するので遺伝子が要因の可能性があり、その場合には子
宮や卵巣もがんになる可能性もあるというような説明もあり、こちらも少々心配です。
というのも、四年前、次男を妊娠中に卵巣が腫れているとか腫瘍マーカーが…と言わ
れたことがあり、その時はそれで収まりましたが、最近下腹部の左右が痛むことがあ
るからです。こちらにも何かあったらと思うと、色々不安になります。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「術後、がんが全て取りきれていない場合にはリンパ節に対する手術をすると説明」
⇒「日帰り手術」とは「局所麻酔」ですか?(全麻で、麻酔が覚めるまで病院に居る
と言う可能性もありますが…)
 「癌の手術を局所麻酔で行う」ことは私なら勧めません。
 どうしても、「術中の病巣の拡がり」に対する評価が難しくなる=中途半端な手術
となりがち だからです。
 「非浸潤癌」といえど、「癌」なのです。初期治療が重要です。決して「中途半端
な治療」はすべきではありません。
 
「その場合には子宮や卵巣もがんになる可能性もあるというような説明」
⇒子宮は無関係です。
 「乳癌卵巣癌症候群」といって、遺伝子変異により「乳癌と卵巣癌を高率に発症」します。
 家族歴はどうでしょうか?
 質問者が39歳と言う年齢(しかも非浸潤癌)だけでは、それ程可能性は高くないと
思います。