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MRI検査について

[管理番号:5776]
性別:女性
年齢:50歳
 
初めてご質問させて頂きます。
 
今月中旬に、毎年1年の乳癌の検診で右胸に8ミリ腫瘍を発見、エコーでは脇、鎖骨、首など念入りに診て頂き、転移はなさそうでした。
その日に針生検、その10日後に乳癌と確定。
病理診断書には「生検の1/4に浸透が疑われるが断定困難」とありました。
タイプはまだで、ホルモンレサプターは追って報告と記載。
この日に造影剤CT検査を受け、結果、8ミリの濃染結節、他は異常はなしとありました。
その日に来月中旬に手術も決定。
 
気になっているのが、私は27年前に事故ので体に金属が入っており(下半身に)MRI検査を受けれません。
腫瘍の広がりを確認するなど、MRIをしなくても支障はないのでしょうか? 医師は温存出来そう、
3D(?)でも見るとおっしゃったのか、告知の動揺があってか何の3Dなのか、MRIの代用が出来るものがあるか、不安です。
CTでも広がりはある程度わかるのでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
 
MRIに過度に拘る必要はありません。
同様な理由でMRIを撮影せずにUSだけで温存することも時々ありますが、支障は無いのです。
 
「何の3Dなのか」
⇒CT撮影画像を「3次元構築」してみているのです。
 
「CTでも広がりはある程度わかるのでしょうか?」
⇒解ります。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

MRI検査について
性別:女性
年齢:50歳
 
田澤先生
先日はお返事ありがとうございました。
とても安心しました。
 
その後、病理結果が出ました。
ER Allred score 5+3=8, JBCS score 3b,〉95%(+)
PgR Allred score 5+3=8, JBCS score 3b,〉95%(+)
HRE2 0
ki67 〈5%
領域 右C
超音波では12×9×7
造影剤CTでは 8ミリ
乳頭からは34ミリ。
 
明らかな転移はなしと記載してありました。
ステージはステージIでしょうか?
サブタイトルの記載はありませんでした。
 
担当の先生から、温存手術を勧められたので全摘でなくても大丈夫ですか?とお聞きました。
どちらでも予後は変わらない。
これで全摘はないよと言われました腫瘍からマージンを1.5cm取り、顕微鏡?で確認しながら切り取って行くと説明を受けました。
 
私の腫瘍の大きさと場所などから温存で大丈夫なのでしょうか?
造影剤CT 超音波で転移はないと思うと言われましたが、実際はわからないのですよね。
術後はホルモン治療と放射線治療25回になるかなと仰ってました。
術前と術後の結果で、治療が変わる事は多いのでしょうか?
田澤先生の仰ったとおり、造影剤を使った胸の3DのCTを先週、撮りました。
 
来週、手術ですが癌の確定から1ヶ月。
最初のの造影剤CT検査から3週間たちました。
今回の3DのCTでもっと進行が進んでいたなど、大幅に変わる事ががありますか?
不安で眠れなく、以前に貰ったレンドルミンを服用しても乳癌に影響はないですか?(一晩の服用は1錠の6分の1 くらいで効きます)
 
お忙しい中、よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
 
cT1c, cN0, luminalA(但しKi67は手術標本で確認すべき)です。
完璧な早期癌です。
 
「ステージはステージIでしょうか?」
⇒その通りです。
 
「サブタイトルの記載はありませんでした。」
⇒「サブタイプ」ですね? ルミナールタイプです。
 ♯余談ですが…
  比較的、皆さんが勘違いしている語句
   センチネルリンパ節⇒センチメンタルリンパ節
   サブタイプ⇒サブタイトル
 
「私の腫瘍の大きさと場所などから温存で大丈夫なのでしょうか?」
⇒数値上はそう思います。
 ただ実際に診察していないので「場所は不明」であり、バランスとしての「整容性の評価(予測)は困難」です。
 
「造影剤CT 超音波で転移はないと思うと言われましたが、実際はわからないのですよね。」
⇒勿論、「画像検出レベル」と「顕微鏡レベル」の違いです。(画像を顕微鏡で見ている訳ではありませんよね? 勿論解像度があるのでCTを顕微鏡で見ても無意味ですが…)
 
「術前と術後の結果で、治療が変わる事は多いのでしょうか? 」
⇒この場合は「抗癌剤が(術前は必要ないだろうと言われていたのに)術後に、やっぱり必要」と言われるケースと言う意味ですね??
 
 冒頭でコメントしたとおり「Ki67を手術標本全体で再評価」した場合には「変わる」可能性はあります。(但し、今回はCNBで5%だから、いきなり40%はなさそうです)
 もしかすると「当院では術後にKi67は測定しないよ。CNBでの測定で判断します。」みたいな病院もあるので、(その場合には)変更する可能性はありません。
 
「今回の3DのCTでもっと進行が進んでいたなど、大幅に変わる事ががありますか?」
⇒その程度の期間では、ありえません。
 ご安心を。
 
「不安で眠れなく、以前に貰ったレンドルミンを服用しても乳癌に影響はないですか?」
⇒ありません。
 ご安心を。
 
 

 

質問者様から 【質問3 MRI検査について】

性別:女性
年齢:50歳
 
いつも、ご丁寧な回答ありがとうございます。
先月、温存手術を終え、術後の病理結果が出ました。
ER Allred score 5+3=8, J-score 3b
PgR Allred score 5+3=8,J-score 3b
Hercep Test (HRE2 )0
ki-67標識率 約:15%
検体 右乳腺 病巣数 1病巣
切除術 Bp+SNB 5.5×5.0×2.5cm
占拠部位 右upper outer (C)領域
腫瘍径 1.20×1.00×0.80cm
組織分類 invasIive ductal carcinoma, papillotubular carcinoma
割面では1.20×1.00×0.80cm辺緑不整、白色結節性病変を認めます。
腫瘤部分にほぼ一致した腺腔構造を形成し浸透性に増殖する異形細胞を認めます。
異形細胞の核は類円形に腫大しています。
乳癌内病変も認められ、乳管内では節状構造や面疱壊死が見られます。
一部で周囲に空隙を伴う、微小乳頭状構造を形成する異形細胞も見られます。
腫瘍は脂肪組織に浸透しています。
核異型スコア 2
核分裂スコア2(5/10HPS)
核グレード2
ER Allred PS5 IS3 TS8
PgR Allred PS5 IS3 TS8
HRE2score 0 強陽性 0%
中等度強陽 0%性 弱陽性 0%
波及度 f リンパ管侵襲 IY0 静脈侵襲 v0
断片 皮膚側ー 深部側ー 側方ー 乳頭側ー
リンパ節転移 合計(0/1)
SNB(0/1)
 
これは浸透性乳管癌 乳頭腺管癌、2カ所の癌という事でしょうか?
術前のki-67の数値がが5%から、術後は15%に上がりました。
前回の回答で変わることもあるとされていたので、心構えしておりましたが心配でした。
予定通り、放射線治療とホルモン治療になりました。
 
この、結果で私の再発率はどのくらいですか?また、生存率はどのくらいでしょうか?
一度、癌になると癌が出来やすい体質ということになりますか?
私はMRI検査をしておらず、田澤先生はMRI検査に拘る必要はないと言って下さいましたが、MRI検査をしなかった為の、他の箇所にある乳癌を取りこぼす可能性はあるのでしょうか?
 
そして、これは私の理解力不足でしょうが
グレードの分類は、
1大人しい、2普通、3活発
また、ki-67は100%のうち、病理結果のパーセントが分裂している癌細胞のの数、この解釈で合っていますか?
私はグレード2で、ルミナールAのタイプの方は、グレード1が多いように思えるのですが、私は稀なのでしょうか?
このサイトでもステージが重要ですとお答えされていますが、グレードの数字も再発率に関係しますか?
放射線治療は、術後2ヶ月開始でも問題ないですか?(私の都合で術後2ヶ月後が都合が良いので)
早い方が治療効果が高いなど、違いにありますか?
 
5ヶ月以内に治療するとあったと思います。
リュープン注射とタモキシフェンの服用を始まりました。
タモキシフェンはジェネリック薬品(サワイ → 製薬会社名を書きましたが大丈夫でしょうか?)
ジェネリック薬品と新薬の効き目に差がありますか?
長く飲む薬なので多少、値段が高くなっても効き目に差があるなら、新薬に変えたいと思っています。
今まで、ジェネリック薬品か新薬かなど気にもとめませんでした。
 
乳癌になってから、疑問に思う事が多く、そして納得したくなります。
乳癌プラザのようなサイトを開設して頂いて、本当に感謝しています。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
 
「これは浸透性乳管癌 乳頭腺管癌、2カ所の癌という事でしょうか?」
⇒違います。
 浸潤性乳管癌は「硬癌」「乳頭腺管癌」「充実腺管癌」に分けられます。
 つまり「浸潤性乳管癌の中の乳頭腺管癌」という記載です。
 例えるなら、「ネコ科 ライオン」というようなものです。(ネコ科とライオンが一頭ずついるのではなく)「ネコ科であるライオンが一頭という意味)
 
「術前のki-67の数値がが5%から、術後は15%に上がりました。」
⇒常識的範囲内
 ルミナールAです。
 
「この、結果で私の再発率はどのくらいですか?また、生存率はどのくらいでしょうか?」
⇒ルミナールタイプの場合にはNeoAdjuvant.comの数値は「AとBが混じっている」ので解答しないようにしています。
 どうしても知りたい場合にはOncotypeDXですが、さすがにルミナールAは確定と言えるので「再発率をみるためだけ」に行う事は勧めません。
 再発率は(ホルモン療法を行えば)5~10%以内とはなるでしょう。
 
「一度、癌になると癌が出来やすい体質ということになりますか?」
⇒ありません。
 
「MRI検査をしなかった為の、他の箇所にある乳癌を取りこぼす可能性はあるのでしょうか?」
⇒無意味な心配です。
 
「ki-67は100%のうち、病理結果のパーセントが分裂している癌細胞のの数、この解釈で合っていますか?」
⇒その通りです。
 
「私はグレード2で、ルミナールAのタイプの方は、グレード1が多いように思えるのですが、私は稀なのでしょうか?」
⇒稀でも何でもありません。
 ただ今回、参考になるのは
 「核分裂スコア2(5/10HPS)」というものです。
  これは(顕微鏡)「10視野」で「細胞分裂している癌細胞の数」なのですが、これが1-4:スコア1となり、5-10がスコア2です。
 ★つまり、質問者は「5ということで、ぎりぎりスコア2となっている」のです
が、スコア1に極めて近い⇒核分裂スコアが1となると 核グレードは1「核異型スコア2+核分裂スコア1」となるのです。(これが最も多いパターンです)
 
「このサイトでもステージが重要ですとお答えされていますが、グレードの数字も再発率に関係しますか? 」
⇒無関係
 
「早い方が治療効果が高いなど、違いにありますか?」
⇒ありません。
 
「5ヶ月以内に治療するとあったと思います。」
⇒その通りです。
 
「リュープン注射とタモキシフェンの服用を始まりました。」
⇒50歳では通常はLH-RHagonistは行いません。(タモキシフェン単独です)
 
「ジェネリック薬品と新薬の効き目に差がありますか? 」
⇒ありません。

 
 

 

質問者様から 【質問4 術後療法】

性別:女性
年齢:51歳
病名:
症状:

1年前に温存手術の際は、ご丁寧な回答を頂いて、ありがとございました。
これからの治療についてご相談させて下さい。

病理結果 2017.12月
ER Allred score 5+3=8, J-score 3b
PgR Allred score 5+3=8,J-score 3b
Hercep Test (HRE2 )0
ki-67標識率 約:15%
腫瘍径 1.20×1.00×0.80cm
リンパ節転移 合計(0/1)
核異型スコア 2
核分裂スコア2(5/10HPS)
核グレード2

現在、タモフィキシン 服用と毎月、リュープリン注射をしております。

副作用としてはホットフラッシュが時々あるくらい、幸い軽い方だと思っています。

先月の診察の際に、リュープリンを今年で(術後1年)終了で良い、ただ希望なら最長で3年出来ると言われました。

止めるリスクとして、再発と対側の新たな乳がんの発症のリスクが上がって行くと言われた事に続けるか止めるか迷っています。

田澤先生の回答では50歳ではリュープリンをしませんとありました。

主治医からリスクをはっきり告げられると、再発した時、リュープリンを継続しておけば良かったと後悔するのではと迷っています。

51歳(現在)ではリュープリンの上乗せはないという事ですか?
始めてしまったからには、途中でやめることでリスクが上がるのでしょうか? 田澤先生ならどうされますか?
よろしくおねがいします。

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

「やればやるほど安心」では何事も成立しません。(有害事象もあれば、医療費破綻の問題もあるのです)
そこでエビデンスがあるのです。

「51歳(現在)ではリュープリンの上乗せはないという事ですか?」
→その通り。
 それは「SOFT試験(LH-RHagonist併用でbenefitがあるのは「35歳未満」と「抗がん剤による化学療法閉経後に月経回復したもの」だけだったのです)」により明らかにされました。

「始めてしまったからには、途中でやめることでリスクが上がるのでしょうか?」
→そういうことではありません。
 最初からbenefitがなかった」ということです。(「やったらリスクが上がる」とか「途中でやめたらリスクが上がる」などではありません)

「 田澤先生ならどうされますか?」
→LH-RHagonist併用はしません。