[管理番号:3377]
性別:女性
年齢:43歳
田澤先生
こんにちは。
これまで何度も心配になった時にこのQ&Aで先生の誠実でわかり易い回答を拝見させていただき、気持ちが救われていました。
実は、先月の20日あたりに気付いた脇の下のしこりについてご相談させて頂きたくメールしました。
いつも生理前後は右側の乳房から脇にかけて全体が痛むような症状があり、ある一定の周期で出る症状だと自覚がありました。
先月の20日頃に同じ症状が出た時に脇の下の皮膚の表面がピリピリ痛むので何気なく
見て触ったら、2cm円くらいの大きさで赤い膨らみがありました。
中にしこりがあり触ると痛みがありした。
炎症性の急性症状だと思い込み、時間経過で落ち着くだろうとそのままにしておきました
が、1ヶ月経過した現在も皮膚の表面が赤くしこりがあり痛みもあります。
今日、皮膚科に受診をしましたが視診と触診で次回、乳腺領域のCTを撮ることになりました。
(触診の際にしこりをつままれてすごく痛かったです。
しこりの大きさは3cmくらいとカル
テに書かれていました)
昨年の10月にエコーの乳がん検診を受けて問題なしの結果となっています。
これまで生理周期の症状があったので脇の下あたりは、しこりがないか気をつけて触って
いましたが、先月に急に発生し大きくなったしこりについて乳がんの可能性はありますでしょうか。
ちなみに場所は先生が言われる右脇の②の位置です。
また、10年程前ですが脇の下を切開する手術を受けています。
その後、右脇の傷口が痛痒いような感覚は未だに消えずに気になっていました。
しこりのある位置も傷口のあたりだと感じます。
右腕もだるくしびれるような感じがあり、もしかしたらリンパ節の転移ではないかと心配でたまりません。
このように短期間で大きくなる痛みのあるしこりは悪性の可能性があるのでしょうか。
しこりが少しづつ大きくなっているような気がします。
また、傷口との関係はいかがでしょうか。
お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答をよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
私の正直な感想は「乳腺外科を受診すべきだった」ということです。
今回のメール内容からすると「腋窩の粉瘤」もしくは「蜂窩織炎(10年前の創と関係?)」と思います。
○皮膚科の先生としては、「どうしても乳腺との関係が心配」となるために「無駄なCTを撮影」したいとなるのでしょう。
「これまで生理周期の症状があったので脇の下あたりは、しこりがないか気をつけて触っていましたが、先月に急に発生し大きくなったしこりについて乳がんの可能性はありますでしょうか。」
⇒違います。
明らかに「炎症の症状」です。
乳癌が炎症を起こす事は極めて稀なことです(その点は何千もの乳癌をみてきた私の率直な意見です)
「ちなみに場所は先生が言われる右脇の②の位置です。」
⇒その位置だと「副乳」でもなく、「乳腺」でもないようです。
可能性のあるのは「皮膚、皮下のでもの(粉瘤や脂肪腫)」もしくは「腋窩リンパ節」ですが…
もしも質問者が気にしているのが「転移性リンパ節」だとしたら、「転移性リンパ節が炎症を起こす」ことはありえないことです。(もしもリンパ節ならば、「可能性リンパ節炎」となります。あくまでも炎症です)
「また、10年程前ですが脇の下を切開する手術を受けています。」「ある位置も傷口のあたりだと感じます」「また、傷口との関係はいかがでしょうか。」
⇒その切開が鍵かもしれません。
腋窩粉瘤の化膿性炎症に対しての「膿瘍切開だった」のではないでしょうか?
それであれば、「腋窩粉瘤の炎症再燃」だと思います。
「右腕もだるくしびれるような感じがあり、もしかしたらリンパ節の転移ではないかと心配でたまりません。」
⇒違います。
炎症のせいでしょう。
○炎症と癌とを「ごちゃ混ぜにする」ことは止めましょう。