[管理番号:5374]
性別:女性
年齢:50歳
似ている内容の質問が2件入りました。
先行して受け付けた分(8/28 18時受付分)について回答をしております。
8/28 18時受付分
初めまして、よろしくお願いします。
お忙しいこととは思いますが、ご回答いただけたら幸いです。
母が乳がんとなり、先日全摘手術をうけ、その病理検査の結果が出ました。
結果
充実腺管癌 最大径8ミリ
乳腺浸潤 血管浸潤なし リンパ管浸潤なし
リンパ節転移なし
核異型度3
ホルモン受容体 陰性
HER 0
MIB-1 60%
病期 T1bN0M0 ステージ1
リンパ転移がないことは安心したのですが、
核グレード 3 MIB-1 60%というのが、ネットで調べたところ、非常に悪いらしく、核グレードが3だと健存率が一気に下がるようです。
先生にお聞きしたいのは
1、抗がん剤によってどのくらい再発率が下がるのか
2、先生から見て、この結果はやはり悪いものなのか、再発の可能性が
高いものなのかです。
どうぞよろしくお願いします。
8/29 8時受付分
術後の治療について
性別:女性
年齢:50歳
はじめまして。
妻が乳がんになり、今後の治療法について悩んでいます。
田澤先生のご意見をお聞きしたく、質問させて下さい。
今までの経緯は、
6月(中旬)日 風呂上がりに本人がしこりに気づく(右乳房脇下あたり)
6月(中旬)日 乳腺外科で受診 細胞診 エコーにて腫瘍13mmと診断
6月(下旬)日 細胞診の結果、乳がんと確定
市民病院へ紹介状を書いてもらう
6月(下旬)日 市民病院受診 エコーにて16mmと診断
7月(中旬)日 市民病院にてMRI・骨シンチ
7月(下旬)日 検査の結果、遠隔転移なし 温存・全摘どちらも選択可能とのこと
MRIでの計測では大きさ19mm
実母が卵巣がんであることを考慮し、全摘を選択
8月(中旬)日 右乳房全摘手術。
センチネルリンパ生検(0/1)
8月(下旬)日 乳がん術後結果を聞き、今後の治療法を相談、現在に至るです。
<乳がん術後結果>
・手術:乳房切除術
・リンパ節に対して:センチネルリンパ節のみ
・組織型:充実腺管癌
・大きさ:最大径 0.8cm+α(乳腺?に一部入り込んでいる?)
(これは浸潤径でしょうか?大きさは20mmとありました)
・周囲への浸潤:浸潤型(乳腺)
・脈管への浸潤:血管「0」 リンパ管「0」
・リンパ転移:無し 個数(0/1)
・核異型度:3
・ホルモンリセプター:エストロゲン(-) (0点) プロゲステロン(-)(0点)
・HER2:IHC (0)
・切除断端:(-)
・病期:T1b N0 M0 Stage 1
・MIB-1:60%
・年齢:50歳
・月経:閉経前(今年5月が最終)
再発リスクは中リスク(やや高リスクに近い)との診断でした。
治療法としては、抗がん剤を薦めていただき、
案1:TC(ドセタキセル+エンドキサン)3週に1回×4 計3カ月
案2:EC(ファルモルビシン、エンドキサン)3週に1回×4 計6カ月
TXL(タキソール)1週に1回×12
のどちらかでどうでしょうとのことでした。
想像よりも悪い結果でかなり戸惑っています。
妻は、実母の抗がん剤投与を見ているので、抗がん剤への抵抗もあります。
私としても、妻の気持ちは十分わかるので、何ともアドバイスできずにいます。
ですので、是非、田澤先生に教えていただきたくメールさせていただきました。
1.抗がん剤はやるべきでしょうか?
2.抗がん剤なしの場合の再発率(10年)はどれくらいでしょうか?
3.案1の場合の再発率(10年)はどれくらいでしょうか?
4.案2の場合の再発率(10年)はどれくらいでしょうか?
5.田澤先生ならどのような治療をすすめられますか?
また、その場合の再発率はどれくらいでしょうか?
ご多忙の中恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
おかしな情報に「踊らされる」のは良くありません。
重要なのは「ステージ」です。
8mmの早期乳癌なのに、「再発リスク」を心配するのは「おかしな話」です。
「核グレード 3 MIB-1 60% というのが、ネットで調べたところ、非常に悪いらしく、核グレードが3だと健存率が一気に下がるようです」
⇒上記コメント通りです。
「MIB-1(Ki67)」や「核グレード」などより、よっぽど大事な事がステージなのです。
○私のように、沢山の患者さんを診ていると、「1cm以下の腫瘍で再発した方はいたかなー?」ということを実感します。
腫瘍が小さい事は(間違いなく)最大の武器なのです。
「1、抗がん剤によってどのくらい再発率が下がるのか」
⇒8%です。
僅か8%とはいえ、「トリプルネガティブは他に治療が無い以上」きちんと(抗癌剤を)行うべきなのです。
♯ちなみに「トリプルネガティブ」でも(NCCNの)ガイドラインでは
5mm以下:抗癌剤は不要
5~10mm:抗癌剤を考慮する★
質問者は「考慮する」に当て嵌まります。「必須ではない」わけですが、一般的には勧められます。
「2、先生から見て、この結果はやはり悪いものなのか、再発の可能性が高いものなのか」
⇒上記コメント通りです。
(余計なことは心配せず)「早期である」ことに安心しつつも、「やるべきこと」をやることです。
質問者様から 【質問2】
術後抗がん剤について
性別:女性
年齢:50歳
こんにちは。
5374にて親子で質問させていただいた者です。
東京に在学中の息子が、ほぼ同時にほぼ同じことを質問していることに驚きました。
(お互いに先生のQ&Aを拝見していることは知らなかったんです)
先生のご回答を拝見し、妻も抗がん剤を受ける方向で前向きに考えているようです。
ありがとうございます。
ただ、どういう抗がん剤をお願いすればいいか、とても迷っています。
ぜひ、田澤先生に抗がん剤について改めて質問させていただければと思います。
先生にお聞きしたいのは
1. 今回主治医から提案いただいた
案1:TC(ドセタキセル+エンドキサン)3週に1回×4
案2:EC(ファルモルビシン、エンドキサン)3週に1回×4
TXL(タキソール)1週に1回×12
それぞれの違い・特徴はなんでしょうか?
2. 田澤先生ならどのような抗がん剤をすすめられますか?
ご多忙の中恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「東京に在学中の息子が、ほぼ同時にほぼ同じことを質問していることに驚きました。(お互いに先生のQ&Aを拝見していることは知らなかったんです)」
⇒さすが親子ですね!
家族に大事にされてご本人もさぞ、力強いことでしょう。
「田澤先生ならどのような抗がん剤をすすめられますか?」
⇒私も主治医と全く同意見(どちらもあり)です。
トリプルネガティブのスタンダードとしては2(アンスラ+タキサン)となりますが、(low riskであることを考慮すると)1(TC)となります。
☆因みに両者の直接比較はありませんが、信頼性が高い(エビデンスレベルが高い)のは2となるし、(2が半年間なのに比較し1は3カ月なので)楽なのは1となります。
上記で判断するといいでしょう。