[管理番号:1272]
性別:女性
年齢:57歳
初めまして。ご多忙のところ、宜しくご回答のほどお願い申し上げます。
今年8月初旬に乳がん検診の結果、左乳房に淡く集蔟性の石灰化を認めたので要精密
検査となりました。
9月1日に近くの病院にてマンモグラフィーを受けたところ、先生が「マンモグラ
フィーだけでは白黒つかないので、組織を取っての検査が必要だけれども、石灰化部
分が胸の筋肉に近いので検査で胸の筋肉を傷つける恐れがある…」と言われたの
で、私がその検査に躊躇した返事をしたところ、MRIとエコーを受けることになり
ました。
MRIとエコーの結果を最初の初診から1か月後に聞きに伺ったところ、MRIとエ
コーの結果では分からないので、再度マンモトーム生検の説明をされ、今度は「胸の
筋肉が遠い箇所の石灰を取って検査すれば、胸の筋肉に近い方の石灰が癌であるかど
うかも大体判別できます。」というお話でした。そして、1か月後にマンモトーム生
検の予約を取りました。
質問ですが、胸の筋肉に近いところにある集蔟性微細石灰は検査が難しいものですか。
その肝心の箇所ではなく、離れた箇所の石灰を採取して、実際、集蔟している
微細石灰の癌の有無の判断はできるものでしょうか。
また、先生が若い男性でご経験が浅いのではないかと内心、心配しております。
田澤先生にお願いすることは可能ですか。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「MRIとエコーを受けることになりました」
⇒石灰化の診断には「全く無用」な検査と言えます。
「石灰化部分が胸の筋肉に近いので検査で胸の筋肉を傷つける恐れがある」
⇒そんな事はありません。
ステレオガイド下マンモトーム生検は「乳房だけを引っ張り出す」ので『どんない
胸壁に近くても、筋肉の損傷はありえない』のです。
『「胸の筋肉が遠い箇所の石灰を取って検査すれば、胸の筋肉に近い方の石灰が癌で
あるかどうかも大体判別できます。」』
⇒「離れた部位にある石灰化」が「同じ原因(病気)」だとは必ずしも限りません。
「明らかに、同一乳管内の病変が原因である、別々の石灰化」と判断できない限り
「別病変の可能性」は十分にあると思います。
「胸の筋肉に近いところにある集蔟性微細石灰は検査が難しいものですか」
⇒比較的難しい事は事実です。
ただし理由は「胸筋を傷つける恐れがあるから」では決してありません。
○胸壁に近いと、『針をさせる部位まで、引っ張り出す』ことに、やや苦労します。
ただ私の経験では「どんなに胸壁に近くても、マンモグラフィーで写っている石灰
化で取れないものはない」ことが解っています。(私自身が行った1,200件位の症例
経験からの結論です)
「肝心の箇所ではなく、離れた箇所の石灰を採取して、実際、集蔟している微細石灰
の癌の有無の判断はできるものでしょう」
⇒「同一病変ではない」リスクがありそうです。
「田澤先生にお願いすることは可能ですか」
⇒可能です。
確実に診断することをご希望ならば、是非「当院を受診」してください。
その場合には
秘書へ連絡をください。
まともに予約をしようとすると1カ月待ちとなってしまうのです。
「マンモグラフィーで写っている石灰化」で「マンモトームで取れないものはな
い」というのが私の経験からの結論なのです。