[管理番号:8257]
性別:女性
年齢:41歳
病名:乳がん
症状:
投稿日:2020年1月30日
11月末に右全摘手術と右リンパ郭清の手術を受けました。
病理の結果は下記の通りです。
浸潤性乳管癌 充実型
ER (+) PGR (+) 微陽性
浸潤径 1cm
リンパ転移 1個
ki67 80%
グレード3
脈管侵襲なし
当初トリプルネガティブということでアテゾリズマブの治験を受ける予定でしたが、ホルモンが微陽性とのことで受けることができませんでした。
治療はAC??4、その後パクリタキセル??12回の予定です。
腫瘍径が1cmなのにリンパに転移していたことがいまだにショックを受けております。
リンパ転移なしだと腫瘍径5cm超えてもステージ2の範囲ですが、5cm超の大きな腫瘍とリンパ転移が同じ
リスクがあるのかと恐ろしく思います。
先生は以前、腫瘍径が小さいことよりもリンパの転移を嫌がるのが疑問だと書かれておりましたが、リンパ転移が1個でもあるだけで1cmの腫瘍もステージ2に上がってしまうことはそう思わざるを得ないかと思います。
腫瘍径は最大の武器である。
1cm以下の再発は極めて少ないと以前書かれておりましたがリンパに転移していても同じでしょうか。
アテゾリズマブの治験も受けられなかったのでなかなか前向きになれません。
またホルモンが微陽性の場合、ホルモン治療を受けた方がいいでしょうか。
主治医は悩んでいるとのことでした。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「腫瘍径は最大の武器である。
1cm以下の再発は極めて少ないと以前書かれておりましたがリンパに転移していても同じでしょうか。」
→その通りです。
「またホルモンが微陽性の場合、ホルモン治療を受けた方がいいでしょうか。」
→まず内服してみることです。
副作用が酷ければ(無理してまで)継続しなくてもいい
そういうスタンスでいいと思います。
質問者様から 【質問2 】
ドテタキセルとパクリタキセルについて
性別:女性
年齢:41歳
病名:乳癌
症状:
投稿日:2020年4月10日
おはようございます。
いつも患者の心に寄り添って
真摯にご回答いただきありがとうございます。
わたしがこのサイトに出会えなかったら
乳がんの深い谷を彷徨っていたことでしょう。
前向きに治療できるのも田澤先生にのお陰です。
質問は2点です。
1. ドテタキセルトパクリタキセルについて
AC療法4回が終わり4月からパクリタキセルの治療が始まります。
パクリタキセルを選んだ理由は、副作用の軽さと乳がんプラザで臨床試験でトリプルネガティブの場合、ドテタキセルよりもパクリタキセルの有効性が証明されたと拝見したからですが、この緊急事態宣言の中12回通うリスクを考えたらドテタキセルの方がいいのでは?と思い始めました。
ACではほとんど副作用はありませんでしたが、ドテタキセルの浮腫や筋肉痛と言ったまた別の副作用にも怯えております。
有効性とリスクと副作用をふまえて、先生のお考えを教えていただけないでしょうか?
2. 抗がん剤中の生理について
手術からピタリと止まっていた生理がAC3回目が終了して2週間後に戻りました。
副作用がなく元気に過ごしていたので生理がきたと喜んでいたら、ネットで抗がん剤中に生理が戻ると再発率が高くなるとあり驚きました。
乳がんプラザでも化学療法中は必ず止まりますとありましたので、抗がん剤が効いていないなかと不安です。
その後1ヶ月経ちましたが生理はきておりません。
抗がん剤中の生理についてどのように考えれば宜しいでしょうか。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「有効性とリスクと副作用をふまえて、先生のお考えを教えていただけないでしょうか?」
⇒通院回数を減らすためにdocetaxelにするというのも理に適っているとは思うし、
「コロナには万全の対策をしながら」paclitaxelに毎週通院でも、どちらでもいいと思います。(特に「こちらがお勧め」とはしていません)
「抗がん剤中の生理についてどのように考えれば宜しいでしょうか。」
⇒物事はシンプルに考えましょう。
シンプルに…
質問者は41歳なので、(そもそも)卵巣は抗がん剤に強いのだと推測します。
「手術からピタリと止まっていた生理」
⇒これは、(乳癌の)告知や(手術などの)ストレスにより「一時的に」卵巣機能が抑制されていたのでしょう。
「AC3回目が終了して2週間後に戻りました」「その後1ヶ月経ちましたが生理はきておりません。」
⇒化学療法による「更年期」となっていると思います。この後タキサンを行うとそのまま止まるでしょう。
「抗がん剤中の生理についてどのように考えれば宜しいでしょうか。」
⇒全く考える必要はありません。
時期が来れば自然と止まる(化学療法閉経となる)でしょうし、それと効果とは無関係です。
★化学療法閉経後に月経が再開した場合には(ホルモン感受性が陽性ならば)LH-RHagonist併用すればいいのです。
質問者様から 【質問3 】
ホルモン治療について
性別:女性
年齢:41歳
病名:乳がん
症状:
投稿日:2020年7月4日
田澤先生
いつもお忙しい中本当にありがとうございます。
先日8クール
(AC??4、ドセタキセル??4)の化学療法が終了しました。
トリプルネガティブと診断されたとき、主治医にネットで予後が悪いと書かれて不安なのですがと聞くと、説明は「抗がん剤がよく効く場合と全く効かない方がいらっしゃいます」しかなく恐怖でしかありませんでした。
その後乳がんプラザに出会い、トリプルネガティブを悪者にしないでの言葉に出会い、この半年の治療期間中乳がんプラザが心の支えになっていました。
本当に田澤先生に感謝申し上げます。
質問ですが、トリプルネガティブですがホルモン弱陽性のため、ホルモン療法はしないということになりました。
田澤先生から以前とりあえず服用してみてはとアドバイスいただきましたが、弱陽性が1%以下でもご回答は同じでしょうか。
また生理が再開した際にリュープリンを使用した方が再発率は下がりますか?
トリプルネガティブで腫瘍径1cm、リンパ転移1個、ki85%の再発率は感覚でどれぐらいだと思われますか?毎日ウォーキングをして、なるべく笑顔で毎日を過ごそうと心がけておりますが、治療が終わっても子どもたちの顔を見ると不安で涙がでることがあります。
※あと再発率で疑問なのですが、先生は江戸川病院で再発治療をされている方は1割に満たないと書かれておりました。
私は日本一術数が多い病院に通っていますが再発率は6%だとのことです。
この数字では患者が全員ステージ1では思うのですが、実際は再発率はかなり低いということでしょうか。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「弱陽性が1%以下でもご回答は同じでしょうか。」
⇒その通り。
「また生理が再開した際にリュープリンを使用した方が再発率は下がりますか?」
⇒弱陽性であれば、(数字にでるほどの)効果はないかもしれません。
「トリプルネガティブで腫瘍径1cm、リンパ転移1個、ki85%の再発率は感覚でどれぐらいだと思われますか?」
⇒10%前後でしょう(あくまでも感覚的)
「この数字では患者が全員ステージ1では思うのですが、実際は再発率はかなり低いということでしょうか。」
⇒理由は2つ
1.ステージ1(再発率が10%以下)の方とステージ0(再発率は限りなくゼロ)の方の割合が高いから
2.ステージ2以上でも、現在公表されている数字は「過去の治療」だということを忘れないようにしましょう。(例えばHER2タイプはtrastuzumabの登場で劇的に改善しています。Pertuzumabにより更に加速することでしょう)
質問者様から 【質問4 】
ホルモン治療について
性別:女性
年齢:41歳
病名:乳がん
症状:
投稿日:2020年7月4日
田澤先生
いつもお忙しい中本当にありがとうございます。
先日8クール
(AC??4、ドセタキセル??4)の化学療法が終了しました。
トリプルネガティブと診断されたとき、主治医にネットで予後が悪いと書かれて不安なのですがと聞くと、説明は「抗がん剤がよく効く場合と全く効かない方がいらっしゃいます」しかなく恐怖でしかありませんでした。
その後乳がんプラザに出会い、トリプルネガティブを悪者にしないでの言葉に出会い、この半年の治療期間中乳がんプラザが心の支えになっていました。
本当に田澤先生に感謝申し上げます。
質問ですが、トリプルネガティブですがホルモン弱陽性のため、ホルモン療法はしないということになりました。
田澤先生から以前とりあえず服用してみてはとアドバイスいただきましたが、弱陽性が1%以下でもご回答は同じでしょうか。
また生理が再開した際にリュープリンを使用した方が再発率は下がりますか?
トリプルネガティブで腫瘍径1cm、リンパ転移1個、ki85%の再発率は感覚でどれぐらいだと思われますか?毎日ウォーキングをして、なるべく笑顔で毎日を過ごそうと心がけておりますが、治療が終わっても子どもたちの顔を見ると不安で涙がでることがあります。
※あと再発率で疑問なのですが、先生は江戸川病院で再発治療をされている方は1割に満たないと書かれておりました。
私は日本一術数が多い病院に通っていますが再発率は6%だとのことです。
この数字では患者が全員ステージ1では思うのですが、実際は再発率はかなり低いということでしょうか。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「弱陽性が1%以下でもご回答は同じでしょうか。」
⇒その通り。
「また生理が再開した際にリュープリンを使用した方が再発率は下がりますか?」
⇒弱陽性であれば、(数字にでるほどの)効果はないかもしれません。
「トリプルネガティブで腫瘍径1cm、リンパ転移1個、ki85%の再発率は感覚でどれぐらいだと思われますか?」
⇒10%前後でしょう(あくまでも感覚的)
「この数字では患者が全員ステージ1では思うのですが、実際は再発率はかなり低いということでしょうか。」
⇒理由は2つ
1.ステージ1(再発率が10%以下)の方とステージ0(再発率は限りなくゼロ)の方の割合が高いから
2.ステージ2以上でも、現在公表されている数字は「過去の治療」だということを忘れないようにしましょう。(例えばHER2タイプはtrastuzumabの登場で劇的に改善しています。Pertuzumabにより更に加速することでしょう)