[管理番号:442]
性別:女性
年齢:50歳
お忙しい中、すみません。
リンパ転移と術後の治療についてお伺いします。
先日乳房全摘の術中センチネルで3/4個の転移が見つかったためレベル1まで郭清しました。
これまでのエコー、MRI検査でも転移なしと言われていて、手術台にあがっ時も80~90%はないよと言われ安心して手術を受けたのに、目を覚ましたら郭清した話をされすごいショックでした。
おとなしいガンとずっと言われていたのですが、こんなことってあるのでしょうか?
最初の針生検ではしこり1.7㎝、ホルモン受容体3b、Ki-67 12.4%、HER2-FISH 1.16、遺伝子増幅なしのルミナルAの診断でした。
このような場合、レベル1のリンパに何個くらい転移があると思われますか?
また、4個以上の場合は確実に化学療法でしょうか?
主治医からはインプラント後に放射線治療の話しかでていませんが、病理の結果でやはり治療方法は変わりますか?
結果がでるまでかなり不安で、来週から復帰予定の仕事も手につかないかもしれないので、先生のご意見をぜひ伺わせてください。
どうぞよろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
術前画像診断との乖離があり、「センチネルリンパ節生検で転移が見つかり、追加郭清された」との事。お気持ちお察しします。
回答
「おとなしいガンとずっと言われていたのですが、こんなことってあるのでしょうか?」
⇒luminal Aなので「大人しい」性質です。
ただし、「癌の大人しさ」と「リンパ節転移」には直接の関係はありません。
「増殖の速いタイプ」でも「早く見つければ、転移はしない」し、「大人しいタイプ」でも「時間が経てば、転移をする」のです。
◎癌の大人しさは、「ステージとは関係無く」治療(何が効果的か?)に関係するのです。
「レベル1のリンパに何個くらい転移があると思われますか?」
⇒0だと思います。
センチネルリンパ節の1番目~3番目に転移があり、4番目が「転移無」と想像すると、それ以上転移は無いと思います。
「4個以上の場合は確実に化学療法でしょうか?」
⇒「確実に」とは思いませんが、その場合には「担当医から、化学療法を勧められる」でしょう。
Luminal Aでは「リンパ節転移があったら」化学療法をすべきという根拠は無いのですが、実際には St. Gallen(2015)では(リンパ節4個以上では)luminal Aでも90%の意見が「化学療法をすべき」となっています。 St. Gallen国際会議は権威のある「コンセンサスを得るための会議」です。
「インプラント後に放射線治療の話しかでていませんが、病理の結果でやはり治療方法は変わりますか?」
⇒インプラント後に放射線照射をする事のリスクについては「担当医に確認が必要」です。
ただ、「病理の結果」化学療法をする事になっても「インプラント後に放射線照射」には影響はありません。
スケジュールには若干関係あるかもしれませんが…
◎インプラントに関しては、「化学療法は(若干の感染のリスクが上がるとしても)あまり関係ありません」もしろ「放射線治療によるリスク」に注意が必要です。