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リンパ節転移と術後抗がん剤

[管理番号:1399]
性別:女性
年齢:52歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:1471「今後の対応について

 
 
いつも先生の回答をよみ勉強させて頂いており、感謝しています。お忙しいなかすみ
ませんが、よろしくお願いします。
8月に温存手術、現在照射中です。
病理検査の結果
浸潤癌 硬癌 浸潤径 2.0㎝ SLN 0/1  NON-SLN 1/4  ステー
ジⅡA
断端 側方(-) 深部(-) 皮膚側(-)   脈管侵襲 LY1 V0
ERほぼ100%陽性 PGR90%以上陽性 Ki67<5% HER2陰性 核グ
レード3
術前検査、センチネル生検ともにリンパ節転移はないと主治医から伝えられました。
安心していたところ、病理検査の結果リンパ節に転移がみつかりショックをうけました。
主治医は術後治療は、放射線25回とホルモン療法とのお話でした。診察では、混んで
いて忙しそうなこと、緊張してしまい質問できず悩んでおり、先生におすがりさせて
ください。
質問1、術前検査・センチネル生検で、リンパ節転移が見つからなかったのに、念の
ためにとったリンパ節に転移があるとはどのようなことなのか、理屈がわ
からず混乱しています。どうしてこのような結果なのか教えてください。グ
レード3の顔つきの悪い癌だからでしょうか?
質問2、ルミナールAですがこの私の状態では、再発率はどのくらいでしょうか?グ
レードが3ですので、再発したら厳しいので今のうちに抗がん剤をやったほ
うがいいのでしょうか? ホルモン受容体強陽性の場合、ki67低値の場
合は抗がん剤の効果はあまり期待できないのでしょうか? また私は屋外で
のスポーツ指導の仕事をしているので身体を動かすのですが、抗がん剤をし
ながら仕事をすることは可能なのでしょうか
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
このメール内容を読んで「すぐに問題に感じた」ことは「センチネル生検で、リンパ
節転移が見つからなかったのに、念のためにとったリンパ節に転移がある」という記
載です。
「センチネルリンパ節生検で陰性だった」ら「追加郭清は省略する筈」です。 それ
なのに「念のためにリンパ節をとった」という事が本来あってはいけない事なのです。
これを私が解釈すると、「センチネルリンパ節生検の精度に問題がある」のです。
「術者自身に、センチネルリンパ節生検の結果に自信がない」から「念の為に追加郭
清した」と思われます。
「きちんとした精度でセンチネルリンパ節生検を行えば」このような事はおきようが
無いのです。
「センチネルリンパ節が転移陰性」で「非センチネルリンパ節に転移があった」と言
う事は事実として『転移していたリンパ節が(本当の)センチネルリンパ節だった』
訳です。
つまり「センチネルリンパ節生検に失敗した」事になります。
 
もうひとつ、気になるのは「Ki67<5%」なのに「核グレードが3」と言う点です。
少し面倒な話ですが、「核グレード」は「核異型の点数」+「核分裂の点数」です。
・核異型 
弱い:1点
中間:2点
強い:3点
・核分裂 
5個未満(10視野で):1点
5~10個  〃   :2点
11個以上  〃  :3点
・核グレード(NG) 核異型の点数+核分裂の点数
2点、3点 :核グレード1 
4点    ;核グレード2
5点、6点 :核グレード3 
 Ki67は「細胞分裂期にある細胞の割合」であり、核グレードを決める上での「核分
裂の点数は細胞分裂をしている細胞の数」なのです。
 ○つまり「Ki67<5%」であれば、核分裂は1点となることが多い筈です。それであ
れば「核グレードが3にはならない」のです。

回答

「どうしてこのような結果なのか教えてください」
⇒冒頭でコメントした通りです。
 結果として「センチネルリンパ節生検に失敗」していたのです。
 その理由は執刀医にしか解らない事ですが…
  
「グレード3の顔つきの悪い癌だからでしょうか?」
⇒全く無関係です。
 単なる手術手技(センチネルリンパ節生検)の問題です。
 
「ルミナールAですがこの私の状態では、再発率はどのくらいでしょうか?」
⇒(ホルモン療法を行えば)27%程度となります。
 ただし、冒頭で記載したように「本当に核グレードが3なのか?」疑問が残ります。
 もしも「核グレードが2であれば18%t程度に下がります。
 
「グレードが3ですので、再発したら厳しいので今のうちに抗がん剤をやったほうが
いいのでしょうか?」
⇒通常、ルミナールAでの「化学療法の追加の適応」とはなりません。
 ルミナールAでの「化学療法の追加はリンパ節転移4個以上」と考えてください
(St.Gallen 2015)
 
「ホルモン受容体強陽性の場合、ki67低値の場合は抗がん剤の効果はあまり期待
できないのでしょうか?」
⇒その通りです。
 上乗せ効果は「5%程度」となります。
 
「抗がん剤をしながら仕事をすることは可能なのでしょうか」
⇒可能です。
 本当に「副作用の強い期間(人によって違いますが、TC療法であれば3日前後)」
を除けば問題ありません。

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