乳がんは早期発見、早期治療を目指しましょう。乳がん手術は江戸川病院|乳がんプラザ



[管理番号:1012]
性別:女性
年齢:53歳
田澤先生の執刀で9月○日に手術予定の○○です。
10数年前に子宮頸がんで全摘、同時にリンパ節も切除をしてリンパ浮腫になりました。
手術後に片足が2倍近くむくんでしまい、この状態で仕事復帰できるのかと、かなり落ち込みました。
その後、幸いにも劇的にむくみも取れ、何度か蜂窩織炎になることもありましたが、日常生活に差支えない程度まで回復しています。
そんな経験もあることから、腋窩リンパ節郭清が恐ろしくてしょうがありません。
病院によっては、「温存手術で術後放射線治療を行う場合、放射線照射の範囲を調節することによって、腋窩リンパ節郭清を行っても行わなくても再発率に差がないということから、センチネルリンパ節に転移があっても、リンパ節郭清を行わない」というところもあるということを知りました。
私の場合にも適用できるならばと、田澤先生にも先日そのようにお願いしました。
私の中では、放射線照射の範囲を調節するということは、首の付け根や脇の下にしっかり放射線をあてることだと勝手に解釈しておりました。
しかし、脇の下に放射線をあてると、浮腫になることもあるということを後から知りました。
不勉強で申し訳ありません。
センチネルリンパ節に転移があって郭清しない場合、どのような治療になるのでしょうか。
他院のことではありますが、放射線照射の範囲を調整するとはどういうことなのでしょうか。
放射線照射は田澤先生にしていただくわけではないので、遠い江戸川病院に苦労して通わずとも、放射線治療だけは近所の病院に通院を考えておりましたが、どの病院でも技術に差は無いものでしょうか。
私の場合、CTやエコーの画像上では転移の形跡が無いとのことですが、主に鎖骨の上、そして脇の下の痛みも、もう2か月続いており、センチネルで転移が証明されるのではないかと不安です。
精神的なものからくる痛みなのでしょうか。
手術日が迫っているというのにお手数おかけして申し訳ありません。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 まずは現時点での「センチネルリンパ節生検」と「腋窩郭清」の考え方について整理していきましょう。
①SLN(センチネルリンパ節)に転移を認めない場合には「腋窩郭清は省略」する
 これについては「疑問の余地」はありません。
 世界のスタンダードと考えていただいて結構です。
 もしもいまだに「日本の地方のどこかで(ひっそりと)明らかなN0症例に対して、センチネルリンパ節生検をせずに腋窩郭清をしている(一般)外科医が居るとしたら、非難されるべき時代」と言えます。
②SLNに微小転移(2mm以下)を認めた場合
 これについても「腋窩郭清は省略する」でほぼ意思統一されている。と考えて結構です。
 IBCSG 23-01(臨床試験)で934症例での「微小転移症例の非郭清と郭清群との比較」で「生存率も再発率も差がない」ことが証明されています。
 これを受けて「乳癌診療ガイドライン」でも「腋窩郭清が勧められる」乳癌ガイドライン推奨グレードBとなっています。
                                   ♯Bとはなっていますが、内容的にはAと思います。
③SLNに肉眼的転移(>2mm)を認めた場合
ここが、正に「議論の多い」ところです。
・SLN転移陽性患者の約半数は非SLN転移を有していない
・ACOSOG Z0011(臨床試験)では、以下の条件
 「腫瘍径5cm以下で画像上リンパ節転移を疑わない」「SLN転移2個以下」「温存手術(術後照射を行う)」「術後薬物療法あり」を満たす場合には「郭清の有無で生存率も再発率も差がない」との結果
・2014のASCOガイドラインでは「照射を行う温存手術」であれば「2個までの転移」であれば、腋窩郭清を省略すべき
 これらの中で「適切な基準に基づいて腋窩郭清省略を考慮しても良い」乳癌ガイドライン推奨グレードC1となっています。
 この「適切な基準」というのが各施設で様々なのが現状です。

回答

「センチネルリンパ節に転移があって郭清しない場合、どのような治療になるのでしょうか」
⇒「温存乳房照射」の予定ですが、この「照射野を腋窩まで広げる」ことになります。
 これでも「腋窩郭清よりは患肢浮腫のリスクは低い」ことが解っています。
 冒頭での③での議論は全て「術後照射が前提」だということを御理解ください。
 
「他院のことではありますが、放射線照射の範囲を調整するとはどういうことなのでしょうか」
⇒「温存乳房照射の照射野を腋窩を含むように広げる」と言う事です。
 
「放射線治療だけは近所の病院に通院を考えておりましたが、どの病院でも技術に差は無いものでしょうか」
⇒技術にも「設備」にも差はあります。
 江戸川病院はトモセラピーなのです。
 通常の「温存照射」では差は(それ程)ないとしても「腋窩を含むとか、細かくなる」と差は歴然としてきます。
 
「主に鎖骨の上、そして脇の下の痛みも、もう2か月続いており」「精神的なものからくる痛みなのでしょうか」
⇒転移とは無関係だとは思います。
 「精神的なもの」は多かれ少なかれあると思います。(原因の全てではないとしても)
 
○私は「明らかなリンパ節を残す事には、断固として」反対の立場ですが、質問者のように「画像上、転移なし」の方が「自ら(十分理解された上で)選択して郭清省略する」ことは全く構わないと思っています。
 それには、私の膨大な経験の中で「腋窩再発は殆ど無い」ことが根底にあります。





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