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リンパ廓清をしない場合について

[管理番号:2860]
性別:女性
年齢:42歳
相談させてください。
マンモグラフィ、MR、エコー検査を経てマンモトーム生検で悪性と診断され来週火曜に右乳房全切除する予定です。
全切除には納得して、再建するつもりでしたが「可能性は低いですがリンパ転移があった場合はリンパ切除して再建も見送ります」と言われています。
私は副業で右手を酷使するスポーツの仕事を持っています。
ずっと悩んだのですが、やはりリンパを取るとできなくなるのはどうしても辛いです。
なので、リンパ転移があった場合でも切除をしないようお願いするつもりです。
その場合、想定しておかなれけばいけないリスクはどのようなものがあるでしょうか?
マンモトーム生検は二つ穴を開けて二か所行いました。
下記が結果です。
宜しくお願い致します。
(私は11年前子宮頸癌で全摘+リンパ廓清しています。
今回の癌とは無関係だそうです。)
病理組織診断
<診断名>
#1 Ductal carcinoma, right breast, mammotome biopsy
#2 Benign breast tissue, right breast, mammotome biopsy
<所見>
 提出されたのは右乳腺からの生検材料です。
 #1 E6時:核小体の明瞭な大型異型核を有する腫瘍細胞が小型腺管状あるいは小胞巣状を呈して密に増殖しています。
疫組織化学でCK5/6染色では、これらの腺管や胞巣の周囲に筋上皮細胞がみられます。
adenosisを背景に置換性に増殖していると考えます。
部分的には浸潤を否定できない像がみられ、ductal carcinomaとします。
 免疫組織化学では、ER J-score 0, PgR J-score 0, Her2 score 2+ です。
 #2 EA2時:二相性の保たれた異型の乏しい腺管がみられます。
腺管の拡張やアポクリン化生を伴います。
乳腺症などの良性病変と考えられます。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「部分的には浸潤を否定できない像がみられ、ductal carcinomaとします。」という表現からは「あくまでも非浸潤癌の可能性が高いが、浸潤癌も否定できない」という所見であり、郭清を心配する様な状況ではありません。
「リンパ転移があった場合でも切除をしないようお願いするつもりです。」
⇒上記のような(早期の)状況だから、それでいいと思います。
 センチネルリンパ節生検だけ行って」万が一転移があったら「腋窩に術後照射する」という選択肢もあります。
 
「その場合、想定しておかなれけばいけないリスクはどのようなものがあるでしょうか?」
⇒(もしも腋窩にリンパ節転移が存在していたとしたら)それが増大(この場合には純粋な意味では局所再発とはいえません。取り残しとなります)します。
 そうすると、「結局増大したリンパ節そのものが原因で」リンパ浮腫などがおこります(将来的に)
 ○ただし、そのようなことを危惧する状況ではないと思います。