[管理番号:4449]
性別:女性
年齢:49歳
田澤先生こんにちは。
私の家内は去年1月に右乳房切除術およびセンチネルリンパ節生検をしました。
病理検査の結果を待つ間、先生のコラムやQ&Aを見させて頂き、勉強させて頂きました。
いつもぶれの無いコメントは多くの患者さんの心の助けになっていると思います。
本当にありがとうございます。
ただ、色々似た病状の方のQ&Aを参考にしているのですが、家内の今後の治療方針を決断しようとするとやはり迷いや不安が尽きません。
お手数ですが今後の治療方針の考え方についてアドバイスいただければと思います。
針生検の結果
説明の中での記録のため大体の数字になります。
? ER:70%
? PgR:40%
? HER2:陰性
? Ki67 :90%
病理検査の結果
Invasive ductal carinoma, scirrhous carinoma, g, ly(+), v(-), n(-)
(SN=0/2)
? 硬癌
? 浸潤径 9mm (広がり 20 x 15 mm)
? リンパ節転移 なし
? リンパ管侵襲 疑いあり
? 脈管侵襲 なし
? 核グレード 2(核異形度2、核分裂像2)
? ER:(+) 50-60%
? PgR:(+-) 5-10%
? HER2:1+
? Ki67 :73%
主治医からはタモキシフェンによるホルモン療法は実施するが、化学療法を行うまでの必要は無い。
但し、PgRの値が低い点(5-10%、但し針生検の際には40%でした)、Ki67の値が高い点でホルモン療法だけの治療に懸念があるという言い回しでした。
家内も副作用の強い治療は行いたくないと言っています。
田澤先生の過去の回答を参考にさせていただくと、pT1b(9mm), pN0, NG2は十分な早期癌であり、化学療法による上乗せは少ないという理解です。
但し、Ki67が30%を基準としてオンコタイプDXでの調査を勧められる場合もあり、家内の病状でどこまでの治療が必要なのか判断に迷います。
私たちは現状では、効果の上乗せが少なく身体に負担がかかる化学療法は避けたく、
また費用面で負担の高いオンコタイプDXもできれば受けたくないと考えていますが、この考え方についてどう思われますか?
またこの病状でそれぞれの治療の5年再発率と10年再発率(再発率が難しい場合は生存率)をお教えいただけないでしょうか。
1.ホルモン療法のみ
2.ホルモン療法と抗がん剤
以上、よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
メール内容、拝見しました。
論点は、(まさに、質問者が御承知されているように)「浸潤径」をどう考えるか?
です。
「pT1b(9mm), pN0, NG2は十分な早期癌であり、化学療法による上乗せは少ないという理解」
⇒その通りです。
同じルミナールBでも「ステージが低い=(そもそもの)再発率が低い=治療効果も圧縮される」と単純に考えて結構です。
「効果の上乗せが少なく身体に負担がかかる化学療法は避けたく」
⇒その考え方でいいと思います。
「それぞれの治療の5年再発率と10年再発率(再発率が難しい場合は生存率)をお教えいただけないでしょうか。」
⇒NewAdjuvant.comは「10年だけ」です。
10年再発率 10年生存率
1.ホルモン療法のみ 11% 95%
2.ホルモン療法と抗がん剤 7% 96%