[管理番号:3839]
性別:女性
年齢:42歳
こんにちは。
いつもこちらで勉強させていただいております。
9月に左乳房全摘+同時再建(エキスパンダー)手術を終え、
病理結果が出ました。
浸潤癌径 2.8cm(他に1cmほどの浸潤癌が2つ)非浸潤は
6cm大
ER・PgR 強陽性
核グレード Ⅰ KI67 19%
センチネルリンパ節 転移なし
脈管浸襲 lyなし v軽度あり
今後はタモキシフェン単独おそらく10年とのことで、2週間ほど前からホルモン療法に入りました。
これが今現在の標準の治療だと認識しています。
でも抗がん剤治療をしない不安が消えません。
腫瘍径が大きめで脈管浸襲もあり年齢も比較的若いという点がどうしても不安です。
主治医には抗がん剤の効果はせいぜい5%程度だから勧めないと言われ、お医者様からしたら患者の負担とメリットを考え当然の提案だと思っています。
でも5%が私には意味があるものだと思ってしまうのです。
もし転移・再発したら絶対に後悔すると思うのです。
病院では一度納得したものの、この2週間で不安がどんどん膨らんできています。
オンコタイプDXも考えましたが、中間リスクだとまた迷うし、値段的にも現実的ではないと考えています。
ここのQ&Aを見ると抗がん剤を望まない方のほうが多いような気がするのですが、先生の患者さんで私のように必要ないという判断なのにやりたいと考える方もいるのでしょうか。
先生だったらそのような患者に抗がん剤治療をするのでしょうか?
また私のデーターで抗がん剤上乗せ効果の正確な%が分かれば、教えていただきたいと思います。
それと、Q&Aを見ていてアジュバントオンライン(?)での抗がん剤の上乗せ効果の%について、疑問に思うことがあります。
同じホルモン陽性でki67値も同じくらいだとしても、腫瘍径・リンパ転移有り無しで%が変わっていると思いますが、それは転移再発率に対しての%だからであり、癌のタイプを決める数値が同じ位なら、ステージに関わらず抗がん剤の効きめは同じと考えてよいのでしょうか?
そう考えると私が見たQ&Aでの感覚で、ルミナールAの場合、ステージに関わらず
転移再発率に対してその3分の1ぐらいが抗がん剤の恩恵を受けるのではないかと考えます。
たとえばホルモン単独で18%の転移再発率なら6%ぐらい抗がん剤上乗せ効果があり、ホルモン単独9%の転移再発率なら3%ぐらいの上乗せ効果がある(転移再発する人の3人に1人は抗がん剤をしていれば転移しなかった)という感覚なのですが、間違えていますでしょうか?
お忙しいところ変な質問ですみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「オンコタイプDXも考えましたが、中間リスクだとまた迷う」
⇒是非とも、まさに本日(10月17日)更新した「お知らせ(Oncotype DXで勘違いしていませんか??)」を参照してください。(正しい理解をお願いします)
「先生の患者さんで私のように必要ないという判断なのにやりたいと考える方もいるのでしょうか。」
⇒殆どいらっしゃいません。(自己満足はあまりお勧めしません)
「先生だったらそのような患者に抗がん剤治療をするのでしょうか?」
⇒希望があれば(癌であれば、厳密に言って適応外とはならないので)行うでしょう。
♯但し、こちらから勧めないのに「抗ガン剤を希望する人は殆どいない」のが正直な感想です。
「また私のデーターで抗がん剤上乗せ効果の正確な%が分かれば、教えていただきたいと思います。」
⇒ルミナールAでは「上乗せは殆どない=ゼロに近い」と想像します。(実際にOncotype DXすれば解ります)
「ステージに関わらず抗がん剤の効きめは同じと考えてよいのでしょうか?」
⇒理論上、そういうことだと理解しています。
「そう考えると私が見たQ&Aでの感覚で、ルミナールAの場合、ステージに関わらず
転移再発率に対してその3分の1ぐらいが抗がん剤の恩恵を受けるのではないかと考えます。」
⇒これが勘違いです。
あくまでも「Adjuvant Onlineでの再発率や上乗せの数字」は「luminalA とBが混ざっています」
○本当に「luminalAの人だけに絞れば」上乗せは「どのステージでも≒ゼロ」だと思います。
「たとえばホルモン単独で18%の転移再発率なら6%ぐらい抗がん剤上乗せ効果があり、ホルモン単独9%の転移再発率なら3%ぐらいの上乗せ効果がある(転移再発する人の3人に1人は抗がん剤をしていれば転移しなかった)という感覚なのですが、間違えていますでしょうか?」
⇒上記コメントでご理解いただけましたでしょうか?
そもそも「ルミナールAに絞れば1/3に上乗せ」という前提自体が誤っているのです。