[管理番号:1098]
性別:女性
年齢:48歳
昨年11月、硬がん1cm/グレード2/ホルモン陽性/リンパ転移なし で部分切除しました。
ki67が40~50%と出たためか、主治医はリュープリン+タモキシフェンの治療を開始しました。(抗がん剤は、kiが高いだけではやりません、と言っていました)
しかし私としては不安だったため、オンコタイプを受け、「再発リスク9 タモキシフェン単独の場合:10年再発率7%」でした。それでいまの治療には納得したのですが、
当初からあった右肩の関節痛が、ホルモン治療開始して半年後の7月から、両肩と指の関節に広がり、腕は全く上がらず、じっとしていても痛みます。
うつ状態も辛く、精神科でアモキサンを処方してもらいなんとか動いています。
できればリュープリンはやめたいのです。オンコタイプの結果から、タモキシフェンだけで充分のように思えます。ですが、ここ半年、婦人科で二度、体がんの検査をし、「内膜が4~5ミリとやや厚めなのでタモキシフェンの副作用ですね。子宮のためには、リュープリンはやめないほうがいいと思います」と言われました。
この副作用に耐えて、あと一年三か月、リュープリンを続けるべきか悩んでいます。
タモキシフェンはぜひきっちり飲みたいのです。なので、子宮体がんのリスクを下げるために、やはりリュープリンをつづけたほうがいいのでしょうか。
生理は、ホルモン治療前には、二か月に一度、のような不順になっていましたが、まだ閉経はしていませんでした。リュープリンをやめたら、復活する可能性はあると思います。
乳がんと子宮がんのリスクが絡み合い、なんだかわからなくなってしまいました。
お考えをお聞かせいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT1b(10mm), pN0, luminalBですね。
○luminalBであれば、化学療法の適応となりますが、pT1bは「low risk」であり、オンコタイプDXでもrecurrence scoreが9」、adjuvant onlineでも「上乗せは4%以下」となります。
回答
「子宮体がんのリスクを下げるために、やはりリュープリンをつづけたほうがいいのでしょうか」
⇒「LH-RHagonistが本当にタモキシフェンによる子宮体癌のリスクを下げるのかは確実ではありません」
LH-RHを併用することで「TAMによる子宮内膜増殖作用を抑性する」報告は確かにありますが、「高いエビデンスで証明されている」とは言えません。
その目的での「LH-RHagonistの仕様」というのは私は勧めません。
○本当に「子宮内膜の増殖」がすすむようなら「タモキシフェンを中止」するべきです。
LH-RHagonistをしていればいいというものでは無いと思います。