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局所再発について。

[管理番号:5202]
性別:女性
年齢:56歳
おはようございます。
田澤先生よろしくお願い致します。
一年前、浸潤性小葉がんで質問させていただいた者です。
右乳房全摘→放射線治療→ホルモン剤とすすみ、この度1年検診直前に皮膚に局所再発してしまいました。
造影剤CTでは、幸いいまのところ遠隔転移はありませんでした。
が、今後の治療選択次第でそれも起こりうるかと心配で生きた心地がしません。
主治医の治療方針は分子標的剤か抗がん剤か、患者の私の選択でと言われ思案中です。
選択肢により、QOLがかなり違ってくるようですが、私の希望は少しでも仕事(パート)を続けながら副作用の軽い治療で生涯つきあっていけたら…と考えています。
一番の心配は遠隔転移です。
やはり抗がん剤しといたほうが安心でしょうか?
もし、田澤先生のご家族でしたら、どんな治療を提案しますか?
そして、今後どのような生活をすれば共存できるんでしょうか、是非アドバイスお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
局所再発については、このQandAでも多く登場してきたし、「今週のコラム」でも多く取り上げたものです。
最も注意が必要なのは「(純粋な)局所再発と(遠隔)転移再発を区別できない」乳腺外科医がゴロゴロ(お芋のように)転がっていることです。
今回メール内容では「局所再発の程度(大きさ)」についての記載がありませんが、
治療法の提示に「本来、トップに来るべきの手術」が無い事を奇異に感じています。
良く考えることです。
「主治医の治療方針は分子標的剤か抗がん剤か、患者の私の選択でと言われ思案中です。」
⇒??
 なぜ、(本来)局所再発に対する治療の中心である筈の「手術がない」のでしょうか??
 是非、担当医に聞いてみてください。
「造影剤CTでは、幸いいまのところ遠隔転移はありませんでした。」
⇒「純粋な」局所再発と言う事です。(手術時の取りこぼし)
「田澤先生のご家族でしたら、どんな治療を提案しますか?」
⇒手術はできないのですか?
 当然「手術」で切除します。
「そして、今後どのような生活をすれば共存できるんでしょうか」
⇒純粋な局所再発であれば、(共存ではなく)「根治」できるのでは??
 
 

 

質問者様から 【質問2】

局所再発について。
性別:女性
年齢:56歳
管理番号5202で、前回質問した者です。
前回の質問で、再発部分の大きさを記載忘れてしまい、申し訳ありませんでした。
主治医の所見は、『遠隔転移に匹敵する皮膚転移』との判断です。
谷間部分に虫さされの様な赤い発疹が出始め、次第にブツブツとしたシコリが5cm×3cmほどの範囲に密生してきました。
(20個くらいあります。)主治医は、『リンパにのって再発し、手術で切除してもイタチごっこのようにさぐまた出てくるから勧めない』と。
植皮も必要になるとも。
それより全身治療しないと…、との見解でした。
そこで分子標的薬(アフィニトール)か、秋頃発売予定の新薬(イブランスカプセル)、
もしくは抗がん剤をすすめてきたというわけなんです。
そして、その分子標的薬の効果を確認するためにも、切除しないほうが…とも。
田澤先生、このような状況ではどのような選択がベストでしょうか?ぜひともアドバイスお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「谷間部分に虫さされの様な赤い発疹が出始め、次第にブツブツとしたシコリが5cm×3cmほどの範囲に密生」
⇒この状況であれば…
 局所再発ではなく「皮膚転移」のようです。
 この場合には「全身をコントロール(中途半端な治療ではなく)抗癌剤を使うべきでしょう」した上で、(最終的に)切除を目指すのが正解だと思います。
 ♯純粋な(取り残しである)局所再発と皮膚転移は違うのです。