Site Overlay

局所再発の手術、治療について

[管理番号:8012]
性別:女性
年齢:49歳
病名:右乳がん局所再発
症状:

2013年に温存した右乳がんの再発が見つかり、1週間後に手術を控えています。

初発は術前にパクリタキセル12回を行い、術後も含めてハーセプチンを1年間行いました。

(Therapy effect grade2b)
術後の病理は
IDC(sci)0.3×0.2cm
リンパ郭清なし(センチネルでmicrometa)
ER 3+ PR 3+ HER2 2+
組織学的グレード1
脈管浸潤、断端共に陰性
KI-67 35% 

今回の再発場所は前回切ったところの下で、エコーでDCISと言われ、
MRIでは乳房下部に広がっていました。
4か所ほど1cmから2cm未満のものがのものが映っていて、細胞診で浸潤と出てしまいました。
DCISで一部浸潤があると思うが、手術してみないと程度は分からないと言われました。

リンパと全身転移はPET-CT上なし。

センチネルの結果によってはリンパ郭清になると言われています。

術式は先生は乳頭温存乳房切除術で、上の方の脂肪は残して乳腺を切除するというお話でしたが、私は少しでも再再発を減らすために胸筋温存乳房切除術の方がよいと思うのですが、田澤先生はどうお考えですか。

局所再発で多発乳がんとは予後も心配です。

もしかしてコメド型のDCISが浸潤がんになったのでしょうか。

また今回は同じトリプルポジティブですが、HER2が3+に、KI-67が60%に上がっていたのも気がかりです。

腫瘍の大きさによっては術後、前回と同じパクリタキセル、ハーセプチンをやるかもしれないと言われています。

お忙しいところ恐縮ですが、先生のご意見をお聞かせください。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「センチネルの結果によってはリンパ郭清になると言われています。」
→???
 
 (初回手術時に)センチネルリンパ節生検してますよね?
 もうリンパ管のルートは無くなっているので、無意味ですよ!

「術式は先生は乳頭温存乳房切除術で、上の方の脂肪は残して乳腺を切除するというお話でしたが、私は少しでも再再発を減らすために胸筋温存乳房切除術の方がよいと思うのですが、田澤先生はどうお考えですか。」
→そう思います。

「局所再発で多発乳がんとは予後も心配です。」
→純粋な局所再発です。

 『今週のコラム 84回目 「初回手術の取り残しを摘出するだけでよい」と言う事なのです。』をご参照の事。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

病理結果
性別:女性
年齢:49歳
病名:
症状:

田澤先生、先日はアドバイスを頂きありがとうございました。

胸筋温存乳房切除術を受けた病理結果についてご意見をお聞かせくださいますか。

病理
IDC(micropapillary)t=6.4×4.6cm
リンパ郭清(レベル1)3/13
ER90% PgR3% HER2 2+
組織学的グレード3
脈管浸潤Ly(1)v(0)、断端陰性
Ki-67 50%

想像以上に悪い結果で、13/3以外にもセンチネルリンパに2/2の転移があり、非浸潤がんはわずかで浸潤がんが数えきれない程ありトータルすると6cmを超えていること、腫瘍は皮下脂肪や乳頭まで浸潤していること、また前回より悪性度が高いmicropapillaryであることにショックを受けています。

今後AC療法の後、前回と同じパクリタキセル、ハーセプチンを受けることになりました。

micropapillaryに変化し、PgRが下がりましたが、純粋な局所再発でしょうか。

またmicropapillaryとはこのように急激に広がるものなのでしょうか。

予後も心配です。

お忙しいところ恐縮ですが、先生のご意見をお聞かせください。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

腋窩リンパ節に転移があるということは、単純な乳房内再発ではないということです。
初回手術時にセンチネルリンパ節生検していますよね?
それであれば、ルートがないので、「乳房内再発」から新たに腋窩リンパ節に転移がいくことはありません。
つまり、「乳房内再発+腋窩再発」となります。

「micropapillaryに変化し、PgRが下がりましたが、純粋な局所再発でしょうか。」
→上記のとおり…
 純粋な乳房内再発ではなく、「乳房内再発」+「腋窩再発(腋窩にも転移が潜んでいた)」となります。
 Micropapillaryは無関係

「またmicropapillaryとはこのように急激に広がるものなのでしょうか。」
→micropapillaryは無関係(組織型を気にするのはやめましょう)