[管理番号:4902]
性別:女性
年齢:51歳
こんにちは、昨年非浸潤癌で温存手術を受けて以来、毎日このサイトを訪れています。
そこで今週のコラム 84回目「初回手術の取り残しを摘出するだけでよい」と言う事なのです。を読んで、普段から気になっていたことでもあるので質問します。
非浸潤癌は浸潤癌として局所再発した場合も全身療法は不要なのですか。
それとも浸潤径とサブタイプによって治療を行う必要があるのですか。
よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
例外は嫌いな私ですが、そこは認めなくてはならないところです。
今週のコラム84回目でコメントしたように、温存手術が市民権?を得た背景として大原則「温存術をして(結果として)乳房内再発して全摘しても、(最初から)全摘を選択したものと予後は変わらない」があります。
ただし、これは統計学的に正しいですが、実際には(個別の例として)少数の例外があるのです。(ただし、少数の例外は統計学的には「やはり有意とはなりません」)
○その例外の最たるものが(質問者がおっしゃるように)「非浸潤癌で温存⇒浸潤癌で再発」というものでしょう。
たとえば「非浸潤癌で温存」と「非浸潤癌で全摘」の生存率を比較すれば(当然ながら)有意差はありません。(何故なら非浸潤癌で温存⇒浸潤癌で再発という症例は極端に少ないからです)
○「浸潤癌で温存⇒浸潤癌で再発」ならば、(サブタイプに応じた術後療法が初回手術時にされている筈なので)全身療法の追加は不要となりますが、
「非浸潤癌で温存⇒浸潤癌で再発」の場合には(初回術後に全身療法がされていない筈なので)「それ(全身療法)が必要」となります。
「非浸潤癌は浸潤癌として局所再発した場合も全身療法は不要なのですか。」
「それとも浸潤径とサブタイプによって治療を行う必要があるのですか。」
⇒冒頭でコメントした通りです。
この場合にはやはり「サブタイプに応じた全身療法が必要」と思います。