乳がんは早期発見、早期治療を目指しましょう。乳がん手術は江戸川病院|乳がんプラザ



[管理番号:2320]
性別:女性
年齢:46歳
こんにちは。
初めてメールさせていただきます。
再発が分かった時からこちらのサイトを良く見させていただき、自分のことでなくても本当に心強く、感謝して読ませて頂いていました。
これまで主治医の説明や方針にも不明な点がなかったので、私が相談する事はなかったな…と思っていたのですが、治療方針の最後になってどうしても先生にお聞きしたいことが出来てしまいました。
宜しくお願い致します。
現在46歳で10年前に非浸潤ガンの温存手術を受け、断端陽性だったので放射線、ブーストをしフェアストンを5年服用しました。
(当時の病理:ER3+、PgR3+、HER2スコア3+、乳頭側断端陽性、コメド型)
昨年秋に同側の乳頭直下にしこりを見つけ、検査の結果再発と分かり全摘手術をしました。
病理は
HER2 2+
ER 95%
PgR 95%
Ki67 約10%
乳頭腺管癌型
大きさ 浸潤部6×4ミリ in situを含めると12×4ミリ
脈管浸襲 1y0 v0
リンパ転移なし
核異型度 1
断端陰性
という事で、FISH検査の結果が陽性なら「ホルモン療法(アロマターゼ阻害薬)+ハーセプチン」
陰性ならホルモン療法のみでいく、という説明があり、「抗がん剤の必要はないでしょう」という事で納得して結果を待っていました。
FISHの結果がなかなか出ず、術後約3ヵ月後の今週、陰性だったことが判明しました。
そこでホルモン療法で行くものとばかり思っていたところ、突然ホルモンに加え経口抗がん剤のゼローダの服用を勧められました。
主治医の話では
・初発でガッチリ治療しているにもかかわらず再発していて、しかも浸潤で出たということはたちが悪いかもしれず、病理のデータは一見良いが、また再発しないとも(今度は局所ではないかもしれない)限らない。
・このガンが初発のガンだとしたらゼローダは勧めないが、このガンが初発なのか局所再発なのかは分からないので勧めている。
・しかし再発でのデータはなく、服用する事でどれくらい再発率が下がるかは分からないが、予防として、ということになる。
以上のような事でした。
その時は一度考えて来ますという事で帰りました。
正直なところ、局所再発だとしてもタチが悪かったことより10年前の断端陽性を追加切除しなかったのが原因ではないかと思っています。
神のみぞ知ることですが…。
ゼローダは副作用が少ないとは言え、出来れば抗がん剤は避けたいと思っています。
しかも再発率のデータも分からず漠然と飲み続けるのも抵抗があります。
また、FISHの結果を待つ1ヶ月の間で先生の意見が変わったのが気になってしまいます。
それまで診断と内科の2名の主治医に「再発でもこの場合抗がん剤はしなくて良いのですよね」と2~3回聞いており、それぞれ「その必要はないと思いますよ」とおっしゃっていました。
それがお二人ともHER2陰性が出てから「うーん…再発だしね」とおっしゃるようになりました。
今更病理を熟読したらやっぱり抗がん剤が必要そうだった、という事はないと思いますし、なぜ急に変わったんだろう、データ集めの実験にされるのかな…などとついつい考えてしまい複雑な気持ちです。
先生にお聞きしたい点は
・抗がん剤はホルモン陽性には効きにくいということですが、ゼローダは違うのでしょうか。
・局所再発患者がゼローダを服用した場合の再発率や生存率のデータはやはりないのでしょうか。
・10年前の病理と今回がだいぶ違うので、再発ではなく初発なのでは?と素人は思ってしまうのですが、再発なのに顔つきが違うということは良くあるのでしょうか。
・先生はこのような病理の患者に、どういう補助療法を勧められますか?ゼローダは有効だと思われますか?
ということです。
お忙しい中で多くの質問に回答されるのは本当に大変な事だと思いますが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「10年前に非浸潤ガンの温存手術を受け、断端陽性だったので放射線、ブーストをしフェアストンを5年服用しました。(当時の病理:ER3+、PgR3+、HER2スコア3+、乳頭側断端陽性、コメド型)昨年秋に同側の乳頭直下にしこりを見つけ、検査の結果再発と分かり全摘手術」
⇒これは、ほぼ「局所再発」と断定してもいいと思います。
 注目すべきは以下の点です。
 ①初回手術時の病理が「コメド型非浸潤癌」だったこと …コメド型の場合には(長い期間をかけて)「浸潤癌として再発」しやすいと言えます。
 ②初回手術時に「乳頭側断端陽性」であり、今回「乳頭直下のしこり」であること…位置的に一致します。
 ③質問者は「病理が大分違う」と表現していますが、実際は「HER2 2+と3+の違いだけ」で「コメド型非浸潤癌⇒乳頭腺管癌となり易い点も含め」容易に関係性を推測させるものと言えます。
 
「抗がん剤はホルモン陽性には効きにくいということですが、ゼローダは違うのでしょうか。」
⇒大差ありません。
 
「局所再発患者がゼローダを服用した場合の再発率や生存率のデータはやはりないのでしょうか。」
⇒そもそも「局所再発」は予後には影響しません。
 
「10年前の病理と今回がだいぶ違うので、再発ではなく初発なのでは?と素人は思ってしまうのですが、再発なのに顔つきが違うということは良くあるのでしょうか。」
⇒前にコメントしたように「病理像は似通って」います。
 
「先生はこのような病理の患者に、どういう補助療法を勧められますか?ゼローダは有効だと思われますか?」
⇒ただの「局所再発」です。
 ホルモン療法単剤です。
○局所再発は「全身再発とは分けて」考えるべきです。
 この場合「如何なる化学療法も不要」と思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生こんにちは。
ご回答を頂きありがとうございました。
なるほど、そうだったんだ!!と目からうろこが落ちました。
初発と似通った病理だったのですね。
局所再発ということで納得しました。
「コメド型非浸潤癌は乳頭腺管癌となりやすい」という情報などは、患者にとってはとても重要な事に思えるのですが、忙しい主治医からは聞くことは出来ず(病理が随分違うように思うのですが、と聞いたら「そうですね」とおっしゃっていました…)、素人が本やネットでたどり着ける情報には限りがあり、こちらで伺わなければずっとモヤモヤしていたと思います。
また、ゼローダは服用しないと決めることができました。
「そもそも局所再発は予後には関係しません。」
という事に関してお伺いしたいのですがこれはどう捉えたらよいのでしょうか。
局所再発は単に取り残しなので初発の予後と同じという事でしょうか。
(非浸潤が浸潤で出たとしても)
それとも、先日質問されている方へのご回答にありましたように
『「局所再発」であれば(胸壁にしろ、腋窩にしろ)「早期発見(再手術で簡単に取れる)」と「進行(局腫再発の腫瘍が胸壁深く浸潤したり、リンパ節転移が縦隔等広範囲に拡がったりして根治手術不能)」では、全く異なります。』
ということは、つまり局所再発は
「2度目の乳がんだから」という事による危険因子は加味せず
原発の癌と同じく、摘出した時のステージ・サブタイプが重要で、治療や予後が決まる、という理解でよいのでしょうか。
(もしそれがスタンダードな考え方なら、私の病理で主治医がゼローダを勧めた意味が益々分かりませんが…。)
私もそうでしたが、温存後一番気になったのは局所再発率であって局所再発の治療ではありませんでした。
いざなってみると、転移を伴う再発に比べて局所再発、特に温存乳房内再発は色々な角度から検索してもあまり情報が出てきません(重篤度が違うので仕方がないとは思います)。
あっても治療に関しては「全摘すれば根治が見込める」というだけがほとんどです。
お忙しい先生にこんな図々しいリクエストはルール違反だったら申し訳ありません。
削除してください。
もしいつか田澤先生のブログや今週のコラムなどで、局所再発について詳しく書いてい
ただくことがあれば嬉しいのですが…。
どうぞ宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
『「そもそも局所再発は予後には関係しません。」という事に関してお伺いしたいのですがこれはどう捉えたらよいのでしょうか。」』
⇒これを理解するのに最適な事実があります。(質問者のケースもまさに、このケースに相当します)
 それは「温存乳房内再発」です。
 乳房温存術を勧める「一つの根拠」として最も大事な事は(温存と全摘は)『全身的な予後は変わらない』という事実です。(逆に言うと、これがあるので温存術が許容されるのです)
 この事実は、つまり『温存術後に、温存乳房内再発が起きても、(今度は)全摘をすれば、最初から全摘を選択した場合と予後は同じ』ということを意味しています。
 お解りでしょうか?
 局所再発は、それを適切に処理(この場合には再手術)すれば、「あくまでも予後に影響しない」のです。
 ○質問者は初回の手術(温存術)の際、こう言われなかったですか?「乳房温存して、たとえ温存乳房内再発しても(その際に、改めて乳房切除すれば)最初から、乳房切除する場合と予後は変わらない。だから温存しましょう」と。
  残念ながら、その通りになってしまった訳ですが、それなら(予定通り)「乳房切除すれば、最初から乳房切除したことと同等」となるわけです。
 
「局所再発は単に取り残しなので初発の予後と同じという事でしょうか。」
⇒その通りです。
 
『つまり局所再発は「2度目の乳がんだから」という事による危険因子は加味せず原発の癌と同じく、摘出した時のステージ・サブタイプが重要で、治療や予後が決まる、という理解でよいのでしょうか。』
⇒その通りです。
 
「(もしそれがスタンダードな考え方なら、私の病理で主治医がゼローダを勧めた意味が益々分かりませんが…。)」
⇒一度、主治医に「問いかけ」てみましょう。
 「温存術は乳房内再発した際に、改めて全摘すれば、最初から全摘と予後は同等な筈」ですが…と。
 
「もしいつか田澤先生のブログや今週のコラムなどで、局所再発について詳しく書いていただくことがあれば嬉しいのですが…。」
⇒了解しました。
 ただ「あまりにも単純」なことではあります。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生
局所再発についてのご説明、ありがとうございました。
確かに先生のおっしゃるとおり初発の時に
「乳房温存して、たとえ温存乳房内再発しても(その際に、改めて乳房切除すれば)
最初から、乳房切除する場合と予後は変わらない。だから温存しましょう」
と言われて安心して温存にしたのでした。
しかし再発してみたら、「そうは言っても、ブースト、ホルモン5年しても出てきたのはタチの悪い再発かもしれない」と言われ、混乱してしまいました。
先日抗がん剤は受けない旨を主治医に告げた際、思い切ってそのことを尋ねたのですが、うまく伝えられなかったのか、上と全く同じ回答を頂き「だから安全のために抗がん剤を勧めています」とのことでした。
結果としてタモキシフェンを開始する事になりましたが、
ここでまた教えて頂きたいです。
当初は「前回抗エストロゲン剤(フェアストン)を5年飲んでいるので今回は閉経にしてアロマターゼ阻害薬」と言われていたのですが、先日は「閉経前なら基本はタモキシフェン。
アロマターゼでも良いが骨粗しょう症になる可能性がありあなたの年(46歳)には勧めない」とのことでした(途中で閉経したらアロマターゼに変えますとのことです)。
・アロマターゼのほうが効果があるように聞いていたのですが、閉経までタモキシフェンでも大丈夫でしょうか。
 先生ならどちらを処方されますか?
・前回抗エストロゲン剤を使っていると、2度目は効きが悪くなるということはあるのでしょうか。
どうぞ宜しくお願い致します。
質問とははずれますが、私も初発は血性乳頭分泌でした。
血が止まらないのに1ヵ月後に来てください、と言われたり、乳管造影を失敗したりして3ヶ月あちこちさまよいました。
10年以上前の話ですが、その時こちらのような病院があれば…とつくづく思いました。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「そうは言っても、ブースト、ホルモン5年しても出てきたのはタチの悪い再発かもしれない」
⇒「こんなことを言う」ようでは、「二枚舌」と非難されてもしかたがありませんね。
 
 自分の発言に責任を持たなくてはいけません。
 
 
「今回は閉経にしてアロマターゼ阻害薬」と言われていた」
⇒これは具体的には「LH-RHagonist+アロマターゼ阻害剤」の事ですね。
 日本では「適応外診療」となります。
 
「アロマターゼのほうが効果があるように聞いていたのですが、閉経までタモキシフェンでも大丈夫でしょうか」
⇒それが「正しいやり方」です。
 
「先生ならどちらを処方されますか?」
⇒タモキシフェンです。
 私は決して「適応外診療」はしません。
 タモキシフェン+LH-RHagonistという手もあります。
 
「前回抗エストロゲン剤を使っていると、2度目は効きが悪くなるということはあるのでしょうか。」
⇒そもそも初回に(適応外である)フェアストンを使ったのかが不明です。
 ○タモキシフェンとフェアストンは「代謝経路が異なる」から問題ありません。





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