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局所再発

[管理番号:5355]
性別:女性
年齢:42歳
昨年7月に、左乳房左上の1ミリ浸潤癌を手術+放射線治療しました。
グレード1、ホルモン陽性でした。
先日1年検診のマンモで、同じ左乳房の左下に5×8ミリ範囲の石灰化が見つかりました。
角があり、集まっています。
前回の癌の時と似ていると感じました。
エコー、触診は異常なし。
マンモトームの予約を取りました。
悪性が確定したとすると…
①位置としてはだいぶ離れていますが、局部再発ということなのでしょうか?転移の可能性もあるのでしょうか?
②もう一度温存は無理なのだろうと考えていますが、全摘の場合は放射線治療を受けているので、再建は厳しいのでしょうか?
③ゆっくりとした癌だと考えていたので、再発はショックです。
完治を望むことはできないのでしょうか?
④今思えば、放射線治療を受けたあと今回石灰化が見つかった場所は、
他の場所より長く乳腺が腫れて痛かったです。
癌があったからなんでしょうか?
せっかく残した乳房を全摘するのは嫌です。
家族にこんな短い間隔で、負担をかけてしまうことも申し訳なくて、今耐え難いです。
死が近づいていることが怖いです。
でも逃げることはなく、最善の努力をしたいと思っています。
まだ不確定なことばかりですが、先生の考えを教えていただけたらと思います。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
☆質問者は下記2を理解していないために、(私からみれば)「全くとんどもない、無駄な心配」をしていることは明白です。
 この回答を読んで、自分の状況を確認してください。
重要なことは
1.乳腺に転移することは絶対にない。
 乳腺内に再度病変が見つかった場合には「局所再発(取り残し)」もしくは「新規病変(前回とは無関係に新たに出てきた)」のどちらかとなります。
2.局所再発と遠隔転移再発は全く別物
 今回の場合は(そもそも)たまたま同じ乳腺内に「新規病変が出現しただけ」かもしれませんが、(もしも)局所再発だとしても「遠隔転移再発とは全く意味が違う」ことは(良く考えれば)解ってもらえることと思います。
 ●『今週のコラム 84回目 「初回手術の取り残しを摘出するだけでよい」と言う事なのです。』を是非ご参照のこと
「①位置としてはだいぶ離れていますが、局部再発ということなのでしょうか?」
⇒離れているのであれば、「新規病変」と判断されることでしょう。
「転移の可能性もあるのでしょうか?」
⇒ありません。(冒頭のコメント通り)
「②もう一度温存は無理なのだろうと考えていますが、全摘の場合は放射線治療を受けているので、再建は厳しいのでしょうか?」
⇒皮膚の伸びの問題で不利にはなりますが、可能です。
「③ゆっくりとした癌だと考えていたので、再発はショックです。」
⇒新規病変が出現したことと、(前回の癌が)「ゆっくりとした癌」であることは全く無関係です。
「完治を望むことはできないのでしょうか?」
⇒全摘すれば「完治」するでしょう。(状況的に、ほぼ100%)
「他の場所より長く乳腺が腫れて痛かったです。癌があったからなんでしょうか?」
⇒無関係です。(痛みなどありません)
「せっかく残した乳房を全摘するのは嫌です。」
⇒気持ちは理解できますが…
 それでほぼ「完治」となるのですから…
 受け入れましょう。
「死が近づいていることが怖いです。」
⇒こう言ったら(却って)申し訳ありませんが…
 質問者は「全く無駄な心配」をしています。
 「死が近づいている」など、とんでもない(史上最大の)勘違いです。
「でも逃げることはなく、最善の努力をしたい」
⇒全摘することです。(再温存は、照射が再度できないことにより不可です)
 それで「ほぼ100%」根治します。
 ご安心を。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

MLL
性別:女性
年齢:42歳
先日質問させていただきました。
マンモトームは石灰化部分をほとんど取ったそうです。
そして結果は…悪性の所見なし、ただし一部間質内にMLLを認めます。
とありました。
検査した病院では、「良性です。しかしMLLがあるので、慎重に様子を見て行きましょう。
すぐに追加切除は必要ないと考えます。」
手術した病院では、「エコーでも全く異常がない。
MLLもほんの一部であり、今後も慎重に様子を見て行きましょう。」と言われました。
しかし先生のMLLの説明では、高頻度で癌の可能性がある。
切除して検査すべきと読み取りました。
マンモトームまでやったのに、白黒つかない感じで残念です。
一度温存しているので、次は全摘するしかないのではないかとも思うのですが…今のところ病院の先生にはそこまでする必要はないと考えると言われました。
①すぐに切除すべきでしょうか?
②癌が見つかった時、初期である可能性が高いでしょうか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
状況的には(ST-MMTでのMLL診断では)私であれば、「摘出生検」を提案します。(癌の診断でもないのに、いきなり全摘の提案など勿論しません)
針生検(MMTを含む)でのMLLは(ADH同様に)仮診断にすぎません。質問者が御存知のように「広い範囲を調べることで癌の併存」が証明される可能性は十分にあります。
「①すぐに切除すべきでしょうか?」
⇒全摘ではなく…
 (ST-MMTした部分の)摘出生検(外科的生検)すべきです。
「②癌が見つかった時、初期である可能性が高いでしょうか?」
⇒当たり前です。
 冷静になりましょう。
 (初期でない=進行している)状態が診断できないと思いますか??(それらの医師に失礼にあたるでしょう)
 (癌だとしても)「初期の、そのまた初期だから診断が難しい(微妙)」なのです。
 ○その点では議論の余地はありません。