[管理番号:4781]
性別:女性
年齢:78歳
田澤先生はじめまして。
母に乳癌が見つかり、先月左乳房全摘手術をしました。
手術の結果
①組織型 浸潤性乳管癌
(乳頭腺管癌)
②しこりの大きさ
2.5cm(+乳管内進展)
③リンパ節転移 (-) 0/4
④ホルモン受容体の有無
なし
⑤HER2タンパクの発現の
有無 3+(陽性)
⑥組織学的悪性度(核異型
度) 3
⑦切除断端 (-)
⑧脈管侵襲 リンパ管侵襲
(-) 血管侵襲(+)
⑨増殖マーカー ki-67
76%
病期 Stage 2A
今後の治療について悩んでいます。
主治医からの提案は以下
の4つです。
①EC → タキサン + ハーセプチン
②タキサン + ハーセプチン
③ハーセプチン
④飲み薬(UFT)
母は他に病気はなく元気ですが、高齢のため抗がん剤の副作用に耐えられるか心配です。
主治医からは③のハーセプチンのみの治療を進められましたが、こちらのQ&Aでハーセプチンは化学療法と併用しないと効果がないと知り何が良いのかわからなくなりました。
癌の悪性度が高いため、
治療を何もしないのは不安です。
田澤先生ならどのような治療を進めますか?
高齢者でも化学療法を選択する人はいますか?
(何%)
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
78歳の年齢であれば、「何もしない」という選択肢は当然存在します。
ただご本人に、「やる気」があれば、抗HER2療法をやることになりますが、(私の中には)選択肢は一つしかありません。
○それは「HER+weeklyPTX」です。
「田澤先生ならどのような治療を進めますか?」
⇒上記です。
つまり②に相当します。
★①のアンスラサイクリンを勧めることは絶対にありません。(センスに問題がありそうです)
「高齢者でも化学療法を選択する人はいますか?(何%」
⇒50%です。(半々)
★ここで重要なのは「トリプルネガティブに対する化学療法」とは異なり、「HER2陽性に対する抗HER2療法は推奨度が格段に高い」ということです。
私は(もしもトリプルネガティブであったなら)78歳に(術後補助療法としての)化学療法は決して勧めません。