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高齢の母の乳癌治療について

[管理番号:6228]
性別:女性
年齢:74歳
昨年1月、先生に葉状腫瘍の手術をして頂いたものです。
現在は傷痕もキレイになっており、先生には本当に感謝しかありません。
ありがとうございました。
今回は74歳の母が乳癌の告知をされたので、そのご相談です。
マンモグラフィー・エコー・針生検の結果、右乳房上部にしこり30mm、非浸潤性乳管癌、ER(-)、PgR(-)、ステージ0と言われました。
温存の場合、手術した後、1ヵ月間通院して毎日放射線をする。
全摘の場合は手術のみで放射線はしないとのことでした。
母は腎臓に生まれつき嚢胞が沢山あるそうで、2~3年前から腎臓の数値があまり良くなく(Cre=1.35mg/min、推算GFRcreat=30.0)定期的に通院して診てもらっています。
その先生に乳癌かもしれないと相談したところ、腎臓の働きが良くないから、放射線は制限しなきゃいけないかも…
と言われたそうです。
質問①
先生なら温存、全摘のどちらを勧めますか?
質問②
全摘の場合、術後通院は必要ですか?
必要な場合はどのくらいの頻度になりますか?
質問③
温存の場合、江戸川病院でも放射線治療として毎日1ヵ月通院になりますか?
質問④
私は是非、先生に手術して頂きたいのですが、母は腎臓を診てもらっているのと同じ病院(○○総合病院)の方が何かあったときに安心なんじゃないかと言っています。
私は今まで先生のQ&Aを見させて頂いている中で、大学病院での手術は反対です。
そこで質問なのですが、今の腎臓の状態でも手術や放射線治療に問題ないでしょうか?
また先生にお引き受け頂くことは可能でしょうか?
長くなりましたが、アドバイスを宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「質問①先生なら温存、全摘のどちらを勧めますか?」
⇒放射線照射が腎機能に影響を与えるとは俄かに信じがたいので…
 この場合には温存でもいいとは思います。
 限局しているのであれば、「大きめに温存して放射線無し」とできるかもしれません。
 ただ、ご本人が「乳房にこだわりが無い」のであれば全摘が治療として最も安全なことは言うまでもありません(手術の侵襲はかわりません)
「質問②全摘の場合、術後通院は必要ですか?必要な場合はどのくらいの頻度になりますか?」
⇒非浸潤癌で全摘なら根治なので不要です。
「質問③温存の場合、江戸川病院でも放射線治療として毎日1ヵ月通院になりますか?」
⇒放射線をもしやれば…
 当院では30回となります。
「今の腎臓の状態でも手術や放射線治療に問題ないでしょうか?また先生にお引き受け頂くことは可能でしょうか?」
⇒透析の人でも手術しているくらいだから問題なさそうですが…
 その場合は、
 ①現在の腎臓の内科医から「注意点」などの診療情報提供が必要
 ②麻酔科の術前相談(外来)を受診してもらう
 上記が必要となります。