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抗がん剤の必要性

[管理番号:8731]
性別:女性
年齢:42歳
病名:Invasive ductal carcinoma NST
症状:
投稿日:2020年7月13日

田澤先生はじめまして。
乳がん手術を二週間前に終え、治療に関して疑問があり、先生のご意見をお願いいたします。
オーストラリア在住、6月初めに自分でしこりを感じてから手術に至るまで、「早期」「治癒可能」と言われていたので、術後の病理検査をもとに治療方法の中で「抗がん剤」の話が出て来たことでパニック状態です。

以下、術後病理結果です。
紙面を見ながら口頭で聞いたのもなので語彙がおかしいかもしれませんが数字は正確です。

腫瘍1.2cm でがんの部分?浸潤?4mm
グレード2
ホルモンレセプター共にポジティブ(事前のバイオプシーでは
95%でした)
HER2 ネガティブ
Ki67 15%
センチネルリンパ 1(0.3mm) リンパ郭清はしてません。

血管浸潤 1

たしかにリンパ転移も血管浸潤も手術後にわかったこと何ですが、腫瘍の大きさからこんなに広がっているとは思っていませんでした。
担当医は今抗がん剤をやるのはオーバートリートメント、だからオンコタイプをやって抗がん剤が必要かどうか見る意味があると言われています。

先生ならばどのようにアドバイスされますか?ルミナルAタイプなのに抗がん剤の可能性が示唆される私の場合は、実は、腫瘍が小さいのに広がりがひどすぎるとか、そういうことなのでしょうか?

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

過去のQAの中で
「腫瘍径(浸潤径)が小さいのに、リンパ節転移がある」ことは(その矛盾が)
「却って怖い」という発想をする方が「しばしば」いらっしゃいます。(中には担当医自身が「そう言っている」ケースさえありました)
全くナンセンス。
単純に「たまたま」リンパ管に入っただけで、何も特別なことではありません。

「先生ならばどのようにアドバイスされますか?」
⇒主治医がOncotypeDXを勧める気持ちも解ります。

 本来「浸潤径5mm以下」ならば抗がん剤は不要に思いますが、リンパ節転移がある場合には「不要とは言えない」と(一般論として)なるからです。
Ki67=15%からは(結局)low riskとなり抗がん剤が不要な確率は高いですが、その方がスッキリすることでしょう。

「ルミナルAタイプなのに抗がん剤の可能性が示唆される私の場合は、実は、腫瘍が小さいのに広がりがひどすぎるとか、そういうことなのでしょうか?」
⇒考えすぎ!
 サブタイプと拡がりは無関係です。