乳がんは早期発見、早期治療を目指しましょう。乳がん手術は江戸川病院|乳がんプラザ



[管理番号:1834]
性別:女性
年齢:51歳
私は51歳、女性、閉経は微妙(今年7月までは周期的に生理があり、その後は不規則で10月に一度あっただけ)という状況です。
10月末に、乳がんの診断を受けました。
受診したのは、乳がん治療には京都で定評のある単科クリニックです。
マンモグラフィ、エコーでは診断がつかず、細胞診?(麻酔なしで、注射針で細胞を取る検査)ではおそらく大丈夫と言われ、念のためにといわれて行なった検査(局所麻酔で、太い針で細胞を取り出す)で、次の診断が出ました。
・浸潤ガン
・腫瘍は18mm×22mm
・温存手術可能
・腋窩リンパ節への転移は現段階では認められないが、部分切除手術で判断
・ER90% PgR95%
・HER2 0(陰性?)
・Ki67 35.3%
12月初旬に入院・手術、そのあと通院による放射線治療(5週間)とホルモン剤・抗がん剤(いずれも経口)による治療が行なわれる予定でした。経口による薬ではほぼ副作用はない、通常に仕事もできると聞いていました。
この説明に納得し、前向きに治療にあたる覚悟をしていました。
ところが、昨日になって、クリニックより、事情(伏せます)により本院では手術ができないとの連絡があり、府内の大学病院へ転院するなら紹介状を書くと言われました。
それ自体はしかたのないことなのかもしれませんが、「Ki67の値が高いので、大学病院では、術前6ケ月の抗がん剤治療(点滴)ののち手術になるだろう」とのことです。
大学病院で使われると思われる抗がん剤は「FEC+C」「TC」とのことで、脱毛は必須、嘔吐等の副作用があるだろうと言われました。
また、抗がん剤治療のために一度入院し、6ケ月の抗がん剤治療ののちに、手術のために入院だとのことです。
先生にお尋ねしたいのは、私の状況で術前抗がん剤治療が必須であるかどうかということです。
不可欠ならば覚悟はしますが、これまでのクリニックでは必要がないと判断されていた治療です。
病院が転院になることによって、治療の内容やスケジュールが大きく変わることに驚き、途方に暮れております。
ご意見をお聞かせいただければと存じます。よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
正直な感想としては大学病院は「酷い治療」ですね。
質問者の場合には「腫瘍径が22mm」であり、「そのままでも十分、温存可能」であるため『術前化学療法の適応は全くありません』
しかも化学療法が効きにくい(全く効かない訳ではありませんが)「ルミナールタイプ」です。
何を根拠に「術前化学療法を勧めるのか?」
理由を知りたくもありませんが、以下の理由でしょう。(全く根拠になっていませんが…)
 Ki67=35.3%であり、ルミナールBなので(術後)抗癌剤の適応となる。
 (術後補助療法として)抗がん剤が必須なのだから、術前に行ってしまえ。という考え方(大学病院だからデータを取りたいとの事情もありそうです)
cT2(22mm), cN0, luminalB
正しい治療は
 手術先行(乳房温存術+センチネルリンパ節生検)
 術後抗がん剤(この場合はルミナールBなのでTC)
 術後ホルモン療法(閉経期なのでタモキシフェン)♯決して月経終了後1年以内はアロマターゼインヒビターを用いてはいけません。
 術後放射線治療

回答

「私の状況で術前抗がん剤治療が必須であるかどうかということです」
⇒術前抗がん剤は不要(適応外)です。
 術前抗がん剤治療の適応は(腫瘍が大きくて、そのまま温存できない場合に)「小さくして温存を狙う」ケースです。
 質問者の場合には「腫瘍径が22mmであり、全く適応となりません」
 
「病院が転院になることによって、治療の内容やスケジュールが大きく変わることに驚き」
⇒大学病院の治療には呆れるばかりです。
 「術前抗がん剤の意味」を本当に解っていないのか、
 確信犯的に、「術後抗がん剤の適応であれば、全て術前に行う」という一律の方針として「データ」を出そうとしている可能性もあります。(患者さん、個々の事情は全く無視して)
○ただ、最初のクリニックの「経口抗がん剤=UFT」は標準治療とは言えません。
(適応外診療ではありませんが、あくまでも副作用回避のためのオプションです)
 標準治療は冒頭でコメントしたものとなります。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

迅速にご回答いただき、心より感謝しております。
病気になってしまったことに加え、治療を受ける病院や方法が定まらない不安が受け止めきれず、いっぱいいっぱいになってしまっていたので、先生のお返事を拝見して、言葉では言い表せないぐらい、安堵しました。
このようなサイトを作ってくださり、とても多くの人が心強く感じていることと思います。お返事をすぐにいただけて、質問者にとってはとてもありがたいことですが、先生のご負担を素人ながらに想像すると、ありえないぐらいのお仕事量だと思います。本当にありがとうございます。
おっしゃっていただいた通り、術前の抗がん剤治療を受けないことをまずは第一に考えます。
術後のホルモン療法で用いる薬剤についても、ご教示いただきお礼申し上げます。
また、術後の抗がん剤治療については、副作用を避けるために経口を選ぶのか、先生のおっしゃる治療を選ぶのか、改めてよく考えたいと思います。
脱毛、嘔吐といった副作用に対する恐怖心や、仕事を休むことについての抵抗感が強過ぎて、副作用と治療効果のバランスを冷静に判断できていないのかもしれないと思い至りました。
この点、できればさらにご意見をお聞かせいただけますと幸いです。
あと一点、お伺いしたいのですが、
「しかも化学療法が効きにくい(全く効かない訳ではありませんが)
「ルミナールタイプ」です」とのご説明は、術前のことでしょうか。術後も効きにくいということでしょうか。
再度のご質問となり、申し訳ありません。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
『「しかも化学療法が効きにくい(全く効かない訳ではありませんが)「ルミナールタイプ」です」とのご説明は、術前のことでしょうか。術後も効きにくいということでしょうか。』
⇒抗がん剤の(予後に与える)効果は「術前でも術後でも」全く同様です。
 
○冷静に考えてみてください。
抗がん剤は本来「再発予防のため」に用います。
「再発予防」とは「手術で摘出する腫瘍やリンパ節」が相手ではありません。(画像で見えないわけですから)それよりも「小さな」相手です。
★効きにくい抗がん剤を「術前に投与」しても「腫瘍やリンパ節はvolumeが大きい」ために「太刀打ちできない」可能性は高いですが、「術後の小さな相手」には「有る程度の効果が期待」できます。
 『効きにくい(かもしれない)抗癌剤でも、術後の小さな相手であれば(有る程度の)効果は期待する』のです。





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