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抗がん剤治療について

[管理番号:7308]
性別:女性
年齢:57歳
病名:乳癌
症状:

いつも拝見しております。

このサイトがあることに本当に感謝しています。

抗がん剤治療について、お伺いします。

昨年、11月(中旬)日 乳がんと診断され、12月(下旬)日に手術を受けましたが、
2箇所の断端陽性により、2月(下旬)日に追加切除をしました。

結果、1箇所のみ乳管内に3ミリの癌があり、今回は目に見える物は取り切れたということで、次の治療に入ります。

1回目の病理検査結果は以下の通りです。

粘液癌 純型
大きさ 1.0×0.8
切除除範囲6.8×4.8×1.8
リンパ転移無し
ステージ1A
核異型度3
組織異型度3
脈管侵襲無し
Ki67 40.8
ホルモン感受性 有り
HER2 なし

オンコタイプDXも手術待機中に受けました
結果 33

よって抗がん剤治療をすることにいたしましたが、
外科ではAC+パクリをして、15%以上の再発率を下げる事が出来ると言われました。

内科ではACは必要だが、パクリは副作用と効果を考えて、希望があればしますと言われました。

先生のご意見をお伺い出来ますでしょうか。

よろしくお願いします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

ルミナールタイプの抗がん剤は(high riskでもない限り)TCがいいでしょう。

考え方としては
術前術後に使う抗がん剤としては「アンスラサイクリン(E、A)」と「タキサン(DTX,PTX)]があります。
Gold standardとしては、この療法を用いる「アンスラサイクリン+タキサン」でしたので過去には「術後の抗がん剤=アンスラサイクリン+タキサン」だったのです。

ただし、(心疾患の多い欧米を中心として)『心毒性のあるアンスラサイクリンを避けることはできないか?』という流れができます。(つまり、「タキサン単独」です)
そこで「アンスラサイクリン系レジメンであるAC」と「タキサン系レジメンである
TC(TはDTXのことです)」の直接比較が行われました。
 これは有名な試験でありTC>ACが証明されたのです。

と、いうことで
①トリプルネガティブや(ルミナールタイプでも)high risk
 →きっちり抗がん剤を行いたい→アンスラサイクリン+タキサン(EC+DTXなど)

②ルミナールタイプ(B)
 →TC

質問者は当然上記②に当てはまります。『今週のコラム 168回目 乳癌診療の基本 7 taxane単独regimenであるTCは、anthracyclene単独regimenであるAC/ECよりも効果が高いことが示されている。(SABCS 2007)』をご参照のこと

「外科ではAC+パクリ」「内科ではACは必要だが、パクリは副作用と効果を考えて、希望があればします」「先生のご意見をお伺い出来ますでしょうか。」
→TCです。(上記とおり)
 

 
 


 

質問者様から 【結果2 抗がん剤について】

性別:女性
年齢:57歳
病名:右浸潤性乳管癌
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]

先日はありがとうございました。
内科医にTCの話をしましたが、心臓に問題がなければ、当院ではACをします。と言われ、変更は出来ませんでした。パクリを追加するか質問フォームが開きましたら、また別途お伺いします。

<Q&A結果>