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抗がん剤をすべきか否か

[管理番号:1267]
性別:女性
年齢:53歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:1553「低リスクでの抗HER2療法

 
 
 こんにちは。
 初めて質問させていただきます。
 先日、乳がんの温存手術を行ったのですが、術後に抗がん剤を使用するかどうか迷っています。
 私のがんは診断では
 直径8mm
 ER positive
 PR negative
 HER2 positive
 Histologicaltype Scirrhous
 GRADE 3-Poorly diff 
 AJCC Stage ⅠA
 
T1b N0(pN0)M0でした。
 1週間後には医師に抗がん剤を使用するかどうか決めるよういわれているのです
が、いまだに決めかねています。
 そこで聞きたいのですが、私のような症例の患者は抗がん剤を使用するべきでしょうか。
 
 
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

pT1b(8mm), pN0, HER2タイプ

回答

「私のような症例の患者は抗がん剤を使用するべきでしょうか」
⇒私なら「勧めます」
 NCCNのガイドラインでも「pT1b」では「抗HER2療法(化学療法+トラスツズマブ)
を考慮する」となっています。
 その意味では「必ずしも、しなくても良い」という訳ですが、「トリプルネガティ
ブにおける化学療法」とは異なり「HER2タイプに対する抗HER2療法の恩恵は絶大」と
言えます。
「抗HER2療法」は「最も優れた治療」と思います。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

乳頭以外からのパジェット病?
性別:女性
年齢:57歳
病名:パジェット病
症状:乳輪外側横の湿疹
投稿日:2020年3月2日

こんにちは。
以前、こちらのサイトでお世話になりました。

平成27年に右乳房手術を受け、
パクリタキセル12回とハーセプチン1年、
放射線25回、フェマーラを4年ほど服用中で現在も3か月おきに受診しています。

さて、今回の質問です。
去年の夏ごろから右乳房の乳輪外側横に湿疹ができ、乳腺外来で診
てもらっていました。
小指頭大位の大きさで痛みもかゆみもありません。

去年9月には大丈夫とのことでしたがステロイド軟膏を使ってもよくならず、12月の受診
日にも消えずに心配になったので1月には皮膚科を受診しました。
2月に生検したところ1
回目はパジェット病という結果が出たものの2回目はパジェット病ではないとのことでし
た。
(皮膚科の先生も自分でプレパラートを見たところパジェット病ではないと思うといっ
ていました)しかし、さらに詳しい検査を行うとやはりパジェット病とのことでした。

自分でも調べたところ、パジェット病は必ず乳頭から発生すると思っていたため、今回の検
査結果に戸惑っています。
(なぜなら自分では乳頭に病変が見られず、乳輪外側隣接部の爛
れしか見えないからです)
私は本当にパジェット病なのでしょうか。
また、もしパジェット病だとすると、前回の乳癌
の手術から4年位しか経っていないので再発したということでしょうか。
もし、よろしけれ
ば、検査結果を送付したいと思うのですがいかがでしょうか。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

メール読みました。
まず、大事な視点が欠けています。

Paget’sはあくまでも「乳管開口部の乳管が母地」の初発乳癌です。
最もシンプルに考えれば「温存乳房内再発」であり、その皮膚浸潤が「乳輪部皮膚」であった。というのでは?

「私は本当にパジェット病なのでしょうか。」
⇒Paget’sではなく、「温存乳房内再発のPagetoid進展(一見Paget’sに見えるが、浸潤癌が乳頭乳輪部に皮膚浸潤しただけ)」の可能性が高いと思います。

「よろしければ、検査結果を送付したいと思うのですがいかがでしょうか。」
⇒私は病理医ではないので…

 そちらの病理医が判断に迷うものを診断する資格も無ければ「力」もありません。

 そうではなく、その「爛れた部分の一部」を生検するのではなく、「きちんと全部(可能ならマージンをつけて)切除」することが「確定診断であり、診断的治療」となります。
 ご検討を。

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

右乳房パジェット再発型の術後治療について
性別:女性
年齢:57歳
病名:右乳房パジェット再発型
症状:乳輪外側横の湿疹(すでに手術済み)
投稿日:2020年4月10日

前回は質問に答えていただき、ありがとうございました。

3/23日に右乳房全摘術をしました。

診断名:右乳房パジェット再発型
病理結果
ER (-)1%
PgR (-) 0%
HER2 3+
核グレード 1
ki67  10%
組織型  腺癌
脈管侵襲 (-)
リンパ管侵襲 (-)
断端  (-)

今回の癌は皮膚に限局していて、皮下組織や乳管に異常はなかったようで、抗がん剤は必要ないとのことです。
今回は手術のみの治療でした。
センチネルリンパ節生検も必要ないとのことでしたので行いませんでした。

①そこで質問なのですが、今回もHER2 (3+)なのですが、ハーセプチンは必要でしょうか。

②4年半前の癌(pT1b(8mm), pN0, luminalB(HER2陽性))以来、4年程フェマーラを飲んでいたのですが、今回の手術のため3/(中旬)日から中止しています。
ですが、予防のため、またホル
モン剤を飲むべきかどうかは主治医に任されています。
ホルモン剤を飲むべきでしょうか。

また、飲むとしたら、どの程度の期間飲むべきでしょうか。

回答、よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「今回の癌は皮膚に限局していて、皮下組織や乳管に異常はなかった」
⇒乳頭部皮膚に残存していた癌細胞が増殖したという解釈なのでしょう。

 周囲へ浸潤する前に発見され、治療できたということは「不幸中の幸い」と言えます。

「①そこで質問なのですが、今回もHER2 (3+)なのですが、ハーセプチンは必要でしょうか。」
⇒不要と思います。

 純粋な局所再発(しかも皮膚に留まる)なのだから、(術後補助療法として抗HER2療法をしているのだから)局所療法(この場合手術)で十分だと思います。

「②4年半前の癌(pT1b(8mm), pN0, luminalB(HER2陽性))以来、4年程フェマーラを飲んでいたのですが、今回の手術のため3/(中旬)日から中止しています。
ですが、予防のため、またホルモン剤を飲むべきかどうかは主治医に任されています。
ホルモン剤を飲むべきでしょうか。」

⇒中止する理由がありません。(継続しましょう)

 ホルモン療法(全身療法)は、「全身の遠隔転移再発を阻止するため」に行っていたのだから、(現状)立派に役目を果たしているわけです。

「また、飲むとしたら、どの程度の期間飲むべきでしょうか。」
⇒当初の予定通りでいいのです。(術後5年?)