[管理番号:4047]
性別:女性
年齢:41歳
田澤先生こんにちは
9月に陽性のしこりを摘出して「癌」だということが発覚しました。
breast carcinoma,invasive ductal carcinoma,Papillotubular carcinoma
,g,ly1,v1
最大浸潤径は10mm。
リンパ管侵襲、静脈侵襲の浸潤あり。
核異型2、分裂数は8/10HPF、nuclear grade 2
ER: Allred score PS5(/5)+IS3(/3)=8
PgR: Allred score PS5(/5)+IS3(/3)=8
HER-2: negative
MIB-1: 22%
剥離断端は陽性
その後、10月に右全摘をし再建予定です。
センチネルリンパ節生検では転移はありませんでした。
結果、MIBの数値が高いことや、しこりの大きさなどで抗がん剤を進められ
するかしないかを選択するように言われました。
少しでも予後のリスクを減らしたほうが後悔がないのでは?と言われましたが
とても悩んでます。
必要だと思いますか?予後はかわりますか?
「リンパ管侵襲、静脈侵襲の浸潤あり」という診断も気になります。
これはどこかに転移してる、する可能性があると受け取ってしまうのですが。
はじめの手術から3ヶ月も経っているのにまだ何の治療もしていません、それも不安です。
ご意見いただけないでしょうか
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT1b(10mm), pN0, luminal
「結果、MIBの数値が高いことや、しこりの大きさなどで抗がん剤を進められ」
⇒???
「MIBの値(22%)」も「しこりの大きさ(10mm)」も、どちらも「ホルモン療法だけでいい」という根拠にしかなりません。
○私であれば「ルミナールAとしてホルモン療法単独ですね。」という結論に1秒も迷いませんが…
どうしても気になるなら「OncotypeDX」してみましょう。
『今週のコラム53回目 Ki67が「30未満」ならホルモン療法単独、Ki67が「30以上なら、Oncotype DXを推奨」しています。』を参照してください。
「必要だと思いますか?予後はかわりますか?」
⇒化学療法による「上乗せは殆どない」と思います。
それはOncotypeDXをしてみると判明します。
「リンパ管侵襲、静脈侵襲の浸潤あり」という診断も気になります これはどこかに転移してる、する可能性があると受け取ってしまう」
⇒大きな間違いです。
たんに「病理切片でそのような像が見えた」というだけの話であり、「転移」を見ているわけではありません。
「ご意見いただけないでしょうか」
⇒抗ガン剤を勧める理由が不明です。
ルミナールAだから「ホルモン療法単独」で何ら迷う余地がありません。
質問者は超早期癌(pT1b=10mm)なのだから、悩むような状況ではありません。
質問者様から 【質問2】
管理番号:4047
田澤先生こんにちは
貴重なご意見ありがとうござました。
担当医に言われて気になったことを思い出したので質問させて下さい。
抗がん剤の話が出たときに”核異型度2で悪性度がそこそこ高いのも気になる”とも言っていました。
核異型2、分裂数は8/10HPF、nuclear
grade 2
悪性度が高いことが転移や再発につながるのでしょうか?
ホルモ治療よりも抗がん剤が有効なのでしょうか?
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
正直、前回の回答に何ら影響を与えるものではありません。
回答は全く同じです。
「”核異型度2で悪性度がそこそこ高いのも気になる”」
⇒核異型度2というのは「中間」です。
全く「抗ガン剤を勧める」根拠になりません。
「悪性度が高いことが転移や再発につながるのでしょうか?」
⇒高くありません。
「ホルモ治療よりも抗がん剤が有効なのでしょうか?」
⇒前回の私のコメントを見ていないのですか??
(以下、抜粋)
ルミナールAだから「ホルモン療法単独」で何ら迷う余地がありません
○(担当医が何を言おうと)私のコメントが変わることはありません。
どうしても迷うなら「Oncotype DX」してみましょう。