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抗ガン剤治癒について

[管理番号:2753]
性別:女性
年齢:48歳
2月に乳がんと診断されこちらのQ&Aで勉強させて頂いています。
3月(中旬)日に左乳房温存術をうけました。
本日病理組織の結果が分かり抗
ガン剤を受けるかどうか迷っています。
病理組織検査の結果は紙面で以下のように説明をうけました。
しこりの大きさ 0.8センチ
リンパ節転移 センチネル 0/2個
グレード 2
リンパ管の中のガン細胞 陰性
血管の中のガン細胞 陰性
ER PgR 陰性
HER2 陰性
Ki-67 30~40
ステージ Ⅰ
今後の治療については
抗エストロゲン剤約5年以上
放射線治療16回
抗ガン剤は希望があればタキソールを3回/月4クール抗ガン剤治療を受けるべきかどうか悩んでいます。
抗ガン剤の上乗せ効果はどの程度でしょうか?
先生のご意見をお聞かせ下さい。
よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1b(8mm), pN0, NG2
十分な早期癌です。
「抗エストロゲン剤約5年以上」
⇒これは私の見間違いですか?
 「ER PgR 陰性」であれば、無意味です。
 
「抗ガン剤の上乗せ効果はどの程度でしょうか?」
⇒6%程度です。
 質問者のような早期では「トリプルネガティブ」でも「化学療法による上乗せは小さい」のです。
 
「先生のご意見をお聞かせ下さい。」
⇒pT1bではNCCNのガイドラインでも「化学療法を考慮する」という記載に留まっている。
 「6%の上乗せ」では私は「化学療法を積極的には勧めません」
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生よろしくお願いします。
手術後の抗ガン剤の治療について質問したものです。
病理組織検査ついて入力を間違えていました。
ホルモン感受性は陽性でした。
すみません。
以下のような結果です。
しこりの大きさ 0.8センチ
リンパ節転移 センチネル 0/2個
グレード 2
リンパ管の中のガン細胞 陰性
血管の中のガン細胞 陰性
ER PgR 強陽性
HER2 陰性
Ki-67 30~40
ステージ Ⅰ
主治医からは「抗ガン剤についてはタキソールを行うかどうか自分で決めて下さい」とのことでしたがホルモン剤のみの治療を受けるとの事で
お返事をし、現在、放射線治療を開始したところです。
5年10年後の再発率、生存率はどのくらいでしょうか?抗ガン剤をしないと返事をしたものの
根治を目指すには受けた方が良かったのかという不安があります。
先生のご意見をお聞かせ下さい。
それと、C領域にある腫瘍を取ったのですが
創の周囲と乳房の下側に軽度の発赤があります。
熱感ははっきりとは分かりません。
先週受診の際に
リンパ液が少し溜まっているとの事で穿刺をしてもらいました。
手術から1カ月経ちますがこの様な症状はしばらく続くものなのでしょうか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
まず一言「ホルモン感受性陽性だった」のですね。
それであれば、「そもそも抗がん剤の適応は限り無くない」と思います。
因みに化学療法の再発への上乗せは「3%」にまで低下します。
「主治医からは「抗ガン剤についてはタキソールを行うかどうか自分で決めて下さい」とのこと」
⇒この結果だったら、主治医はもっと「自分の意見を持つべき」でしょう。
 「私は、不要と思いますが、どうしますか?」と、するのが本来妥当だと思います。
 
「ホルモン剤のみの治療を受けるとの事でお返事をし、現在、放射線治療を開始したところ」
⇒正しい選択です。
 
「5年10年後の再発率、生存率はどのくらいでしょうか?」
⇒5年は不明ですが…
 10年再発率は9%
10年生存率は96%(但し、残りの4%のうち3%は他病死です…つまり乳癌が原因で再発して亡くなる確率は僅か1%なのです)
 
「抗ガン剤をしないと返事をしたものの根治を目指すには受けた方が良かったのかという不安」「先生のご意見をお聞かせ下さい。」
⇒不要です。
 
「リンパ液が少し溜まっているとの事で穿刺をしてもらいました。手術から1カ月経ちますがこの様な症状はしばらく続くものなのでしょう」
⇒続きません。