［管理番号:6280］
性別:女性
年齢:43歳
 
田澤先生、はじめまして。
抗がん剤するかしないかで悩んでます。
どうか先生のご意見をお聞かせください。
 
右乳房の硬癌の浸潤癌で全摘して同時再建でエキスパンダーを入れました。
センチネル生検で一個転移があった為、リンパ郭清しリンパを10個取りました。
転移が無ければホルモン治療のみだが、リンパ転移が一個あった為抗がん剤もしたほうがいいかもしれないと言われました。
 
悩むのであればオンコタイプ DXを受けてもいいかもと勧められました。
できれば抗がん剤はしたくありませんが、はっきりとしなくていいと言われない為不安です。
ホルモン治療が効くタイプの癌と言われてるのに、一個の転移で本当に抗がん剤する必要があるのか？
一個の転移があれば、全身に転移している可能性あるのか。
 
オンコタイプ DX受けてみて決めるべきなのか？高額でも受けるメリットがあるのかとても悩みます。
田澤先生であれば、抗がん剤 +ホルモン治療にするかホルモン治療単独にするか、
オンコタイプ dx の結果で決めるか是非ともご意見を聞かせください。
宜しくお願い致します。
 
術前と術後にもらった検査の結果を記載させて頂きます。
余計な記載もあるかもしれませんが、何処を省けばいいかわからず、全て記載させて頂きました。
申し訳ございません。
 
①手術前の針生検での結果
NATP:2, Tubular formation:3,Mitosis:1
B-R score:6,Histological Grade:II
DCIS病変 50%（EIC +）,solid,low without nec
ER:90%（+）A-S:3+5=8,
PgR:80%（+）A-S:3+5=8
Mib1: 5% Her2: 0
 
②術後の病理検査の結果
組織学的波及度:G（e1）
INF:b
Iy0,v0,R0,MP2,Nec0
NATP:2,Tubular formation:3,Mitosis:2
B-R score:67,Histological Grade:II
DCIS病変:40%
Arch:Crib/comedo
VNC:low with nec
PN（-）,Fibrous core（-）,ADH（-）
t: 18×20mm（10×20）
Calcification（-）
リンパ節:（+） 1/11
一群: 0/10, 二群:/ , 三郡:/ , SN: 1/1
FS: :1: Metasstasis（+）, LN
 
宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
 
質問者には悪いですが、担当医と私の考えは180度違うので混乱しないようにしましょう。
 
結論から言いましょう。
私には「一秒も」議論の余地があるとは思いません。
治療はサブタイプで行うのです。
「リンパ節転移があるから抗癌剤？」そんな考えが誤りである事は「ＯｎｃｏｔｙｐｅＤＸを実際にしてみれば解る」ことです。（その意味で迷うのであればＯｎｃｏｔｙｐｅＤＸすべきでしょう）
ただＭｉｂ１（Ｋｉ６７）＝５％では、どう考えてもルミナールＡ（ＯｎｃｏｔｙｐｅＤＸで言えばlow risk)、つまり「抗癌剤の上乗せは殆どなし」となります。
 
「一個の転移があれば、全身に転移している可能性あるのか。」
⇒全くの誤りです。
　血行性転移とリンパ行性転移は全く別ルートです。
 
「田澤先生であれば、抗がん剤 +ホルモン治療にするかホルモン治療単独にするか、オンコタイプ dx の結果で決めるか是非ともご意見」
⇒もしも、質問者がこの６０００ものＱａｎｄＡの１０％（６００）でも読めば…
（結構大変ですが）
　私がどのように回答するのか？１００％予想できる筈です。（一度試してみてください）
 
　回答は…
　ホルモン療法単独と決めるのに「０．１秒も」迷いません。
　♯ＯｎｃｏｔｙｐｅＤＸを行うと、「再発率の数字も出る」ので、その（予想される）低さを確認すると（今抱えている悩みから）解放される効果もありそうです。