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抗がん剤治療について

[管理番号:5806]
性別:女性
年齢:60歳
 
初めまして。
 
今年10月に乳がん温存手術を受けました。
右2.5cm、センチネルリンパ生検2個のうち1個が2.5mm転移あり
核異型度 1
HER2 1+
Ki67 3%
エストロゲンレセプター 95%
プロゲステロン 95%
 
主治医の説明によると、リンパ管を通ってリンパ節に転移しており、数値から見てとても大人しいタイプであるにも関わらず転移していることは滅多にないため、抗がん剤TC療法×4をした方が良いとのことでした。
出来れば抗がん剤はやりたくないのですが、リンパ節転移が1つで大人しいタイプでも抗がん剤による治療が必要でしょうか。
 
また、センチネル2個のうち2.5mmの転移が1個あるのは他のリンパ節は大丈夫でしょうか。
主治医から深刻そうに説明され、また現状の生存率や再発率を聞いても答えてもらえず、とても心配です。
田澤先生は今後どのような治療を行うのが良いと思われますでしょうか。
 
ご意見よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
 
明らかにルミナールAなので「化学療法は不要」なことに議論の余地はありませんが…
それよりも気になるのが「追加郭清しなかったのか?」という点です(腋窩郭清についての記載がないため)
○センチネルリンパ節生検の(結果の)取り扱い
 これは施設でバラバラなので、質問者は事前にどのように取り決めていたのか確認した方がいいでしょう。
  大きく分けると以下の3パターンがあります。
 1.(微小転移であっても)転移があれば郭清する施設
 2.微小転移(≦2mm)の場合には省略する施設(ちなみに当院はコレです)
 3.肉眼的転移(>2mm)であっても3個以内なら、郭清せずに照射で対応する
 
「大人しいタイプであるにも関わらず転移していることは滅多にない」
⇒??
 「大人しい」ことと、「リンパ向性(リンパ節転移に行きやすい)」とは無関係です。
 ルミナールAであることと「リンパ節転移の有無」は全く無関係です。
 
「抗がん剤TC療法×4をした方が良い」
⇒??
 Ki67=3%では…
 ルミナールAは(さすがに)明らかであり、抗癌剤による「上乗せがある」とは思えません。
 どうしても確認したいのであれば、OncotypeDXすべきです。
 
「リンパ節転移が1つで大人しいタイプでも抗がん剤による治療が必要でしょうか。」
⇒リンパ節転移と抗癌剤による上乗せは無関係です。
 
「また、センチネル2個のうち2.5mmの転移が1個あるのは他のリンパ節は大丈夫でしょうか。」
⇒この記載を見ると…
 「腋窩郭清はしていない」ようですね?
 手術前の「(センチネルリンパ節の取り扱いの)取りきめ」はどうだったのでしょうか?
 
「主治医から深刻そうに説明され、また現状の生存率や再発率を聞いても答えてもらえず、とても心配」
⇒そんな状況ではありません。
 OncotypeDXすれば、解決します。
「田澤先生は今後どのような治療を行うのが良いと思われますでしょうか。」
⇒勿論、ホルモン療法単独です。(抗癌剤は、どう考えても不要です)
 そして(追加郭清しないとしても)「3か月~(最低)半年」に1回は主治医が責任を持って「腋窩の超音波をすべき」です。
 
 

 

質問者様から 【質問2 検査について】

性別:女性
年齢:60歳
 
以前術後の化学治療のことでお聞きした者です。
 
その後今年の2月末に放射線治療を終え抗がん剤は受けずにホルモン治療のみしております。
センチネルリンパ節に1/2 2.5mmの転移がありましたが郭清していないため、術後の定期検診を最低でも半年に一度は受けた方がいいということでしたので主治医に検査を希望したところ、そんなにこまめに検査をする意味はないため検査は年に一回でいいと言われてしまいました。
 
主治医にはそれ以上言える雰囲気ではなく諦めたのですが、やはり気になるため、田澤先生のところで検査を受けたいと考えております。
今の病院に変わらず通院しながら、半年に一度田澤先生のところで検査していただけたらと思うのですが、紹介状がないと難しいでしょうか。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
 
「主治医に検査を希望したところ、そんなにこまめに検査をする意味はないため検査は年に一回でいい」
⇒私には、どうしても「矛盾に溢れている」としか思えません。
 術後に「リンパ節転移があるから抗癌剤した方がいい」などと、リンパ節転移を強調しておきながら、(その一方で)「検査する意味はない」というのは…
 その医師の中では消化されているのかもしれませんが、やっぱり「どこかバランスを欠いている」ように思います。
 
「今の病院に変わらず通院しながら、半年に一度田澤先生のところで検査していただけたらと思うのですが、紹介状がないと難しいでしょうか。」
⇒大丈夫です。
 市川に(普通に)電話予約しましょう。
 そのような(紹介状なしで、つまり病院に内緒で)局所のチェックに通院している患者さんが多い事は、市川の特徴とも言えます。
メディカルプラザ市川駅

 
 

 

質問者様から 【質問3 肉腫について】

性別:女性
年齢:60歳
病名:乳がん
症状:

8/18に田澤先生に術後のエコー検査をしていただき、その時は局所再発もなく大丈夫との結果で安心していたのですが、
先日10/26に通院している病院の年に1度の定期検査(エコー、マンモ)をした際に手術した傷のあたりが硬くなっているのが気になるとのことで針生検をしました。

11/7にその結果を聞いたところ、再発はなしでしたが、肉腫であり、通常の細胞ではないものがある。
大きくなったら手術するが、しばらくは経過観察と言われました。
CT等の検査はしていません。

特に問題があるような言い方ではなかったので気に留めなかったのですが、後で自分で肉腫について調べてみると良くないものであるという情報しか得られずとても心配です。

本当に主治医の言う通り経過観察で大丈夫なのでしょうか。

2/16に再度、田澤先生にエコー検査の予約をしているのですが、それよりも前に診ていただく事は可能でしょうか。

ご回答よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

傷のあたりに「肉腫」ができた??
全く馬鹿げている。

どう考えても「術後瘢痕」であり、瘢痕部には「繊維芽細胞が増殖」するので、(おそらく)「肉腫も否定できない」などという「曖昧な病理診断だった」のでしょう。
(術後部位に「たまたま」肉腫ができるなど、確率的に考えられません)

★もしも本当に「肉腫」だったら、大変なことですよ??
 肉腫というのは「間質系細胞の癌」ですよ??
 肉腫があるのに(それを手術もせずに)「様子をみる」など常識では「ありえない」ことです。

 質問者が勘違いしているとしか思えません。
 担当医に確認してみましょう。