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抗ガン剤治療について

[管理番号:5394]
性別:女性
年齢:70歳
はじめまして。
お忙しい中とは思いますが、ご回答お願いします。
7月(下旬)日に母が乳がんの手術をしました。
経過は概ね順調ですが、その後の抗ガン剤治療で悩んでいます。
術後はリンパ管や血液には浸潤なく腫瘍が13ミリと、ステージ1の初期ガンと言われました。
ですが、核異型度、組織学的異型度ともにグレード3で、女性ホルモン受容体ERはわすがに陽性、PRは陰性。
HER2受容体は3+の陽性でした。
また、Ki-67はグレーゾーンの30パーセントと高く、これだけみれば抗ガン剤治療をした方がいいのはわかります。
ですが、母はかなりのアレルギー体質で、市販の風邪薬だけでく、ビタミン剤、塗り薬、湿布なども副作用がでて、禁忌になってます。
何も症状がないのに、急に食べられなくなる持病もあり、体も40キロありません。
(身長150センチ)こんな状態で抗ガン剤治療に耐えられるか心配です。
母の思いは、やりたくないに傾いてまし、抗ガン剤治療をせず、ホルモン療法と放射線治療だけの場合の、再発率や生存率も合わせてご教示願えればと思います。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
質問者の認識と私の認識はかなり違います。
「核異型度、組織学的異型度ともにグレード3 Ki-67はグレーゾーンの30パーセントと高く」とありますが…
⇒これらは全く無意味。
質問者はまるで「リスクが高いから抗癌剤すべき」のような思い違いをされているようですが、そうではなく、「HER2陽性だから、抗HER2療法すべきか?」というのが唯一の問題点なのです。
★「70歳でステージ1」であれば、原則として(術後補助療法としての)抗癌剤は行いません。
 ただ抗HER2療法は治療効果が高いので、(ご本人が積極的ならば)非アンスラサイクリンレジメンで行うのは許されるでしょう。
「抗ガン剤治療をせず、ホルモン療法と放射線治療だけの場合の、再発率や生存率」
⇒10年生存率は75%です。(ただし他病死が18%含まれます)
 再発率は25%となります。