[管理番号:8732]
性別:女性
年齢:35歳
病名:
症状:
投稿日:2020年7月13日
宜しくお願いします。
4年前に、T3N1M0(浸潤径9センチ)
ER,90% PgR,90%
HER2,陰性
ki67,50~60%
手術~化学療法~放射線~現在ホルモン療法中です。
最近、身体を反るストレッチをすると、背骨付近で少し圧迫痛のようなものを感じます。
思い当たるのは、ストレッチをしている事と、座椅子の固い部分が痛む所に当たっていた気がする…といった位です。
質問としましては、
・骨の転移は、ある日突然痛みを感じて、それが日に日に増幅していくイメージでしょうか?
・どこか痛くても、1週間後などに痛みが無くなればそれは転移ではないとの判断材料となりますか?
・背骨の好発箇所は、曲げて負荷がかかるあたりでしょうか?
・骨転移の初期症状として、トイレが近くなる、血液検査のカルシウムが多くなるという事は本当ですか?
先生から見て、私の浸潤径やステージ、時期からして転移の初期症状と考えますか?
宜しくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
乳癌の遠隔転移症状がでるのは、唯一「骨だけ」です。
(相当進行しない限り)肺転移で咳など出ないし、肝転移で黄疸など出ません。
その意味で骨痛=骨転移?という発想をしがちなのは無理からぬところです。
ただ、実際の臨床の場では「骨転移が判明するきっかけ」の殆どが腫瘍マーカーです。(ただし、マーカーの測定頻度によるでしょう。当院では半年に1回が基本ですが、「3か月に1回」であれば「症状よりマーカーが先」の確率はグンと高まります)
「・骨の転移は、ある日突然痛みを感じて、
それが日に日に増幅していくイメージでしょうか?」
⇒過重骨の骨折でもないかぎり「日に日に増強」まで酷いケースは少ない。
「強い痛みが継続」が多いように思います。
「・どこか痛くても、1週間後などに痛みが
無くなればそれは転移ではないとの判断材料となりますか?」
⇒そう思います。
「・背骨の好発箇所は、曲げて負荷がかかるあたりでしょうか?」
⇒脊椎骨の中での「好発部位」などありません。
「・骨転移の初期症状として、トイレが近くなる、血液検査のカルシウムが多くなるという事は本当ですか?」
⇒全くの嘘!(見たことありません)
理屈で高カルシウム血症になれば、そうなるという発想(机上の空論)でしょうが…
実際は骨転移が発見された時点で「高カルシウム」などありえないし、(その後は)denosumabなど投与するので、高カルシウムの骨転移患者さんを診ることは「ほぼ」ありません。
〇 高カルシウムで症状が出るような骨転移があるとすれば、「病院に通院せず、数年放置した状態」のみですね。
「先生から見て、私の浸潤径やステージ、時期からして転移の初期症状と考えますか?」
⇒特にそうは思いません。
それよりも(気になるなら)整形外科でレントゲン撮影してみましょう。
★ただ、整形外科医は「乳癌の既往」と知ると、(短絡的に)「骨転移かも?」という発想となり、「乳腺外科で相談を」となりそうですが…