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骨転移のマーカーについて

[管理番号:2288]
性別:女性
年齢:45歳
いつも先生のお言葉に勇気をいただいています。
ありがとうございます。
〈治療経緯〉
2015年5月 右全摘手術
硬がん
25mm??33mm??19mmと25mm??24mm??24mmがダルマ状にくっついている。
T3 N0 M0
ER0 PR0 HER2 3?
グレード 3
ki67 40%
ly? v?
術後 TC4回?ハーセプチン1年間の予定がTC3回目で薬剤性間質性肺炎になり中止。
1ヶ月以上入院しステロイド服用で回復した後、ハーセプチンのみ継続しています。
TC不足分を補うためTS1を服用しています。
他の薬剤アレルギーもあって使う薬が限られ、主治医も悩んだようです。
11月のCT検査で肺炎も治り肺や肝臓の転移もなく安心していたのですが、血液検査でⅠCTPが11月に7.0,12月は7.5と上昇しました。
その前は手術前の4月の4.0しかデータがありません。
主治医は「次回(1月の結果は2月にわかります)の数値を見て骨シンチをしましょう、足をぶつけても数値が上がることがありますから」と言われましたが、診察の翌日から背中や腰に痛みが出てきて転移の不安でいっぱいです。
ちなみにCEAは11月も12月も0.5以下、CA15-3は9.1→8.5と基準値です。
そこで質問です。
1、先生はⅠCTP等のマーカーの数値は人によって基準値が違うこと、リスクが低い人はあまり気にしなくて良いとおっしゃっていますが、私のように腫瘍が大きく悪性度が強いタイプの人が、マーカーの数値が高く上昇傾向にある場合は、骨シンチを早く受けた方が良いのでしょうか?
2、転移の場合、腫瘍マーカーは連動して上がりますか?CEAが上がらずⅠCTPのみ上がることはありますか?
また、TCの副作用で生理が止まっていますが、数値に影響しますか?尿酸値も基準値を超えて高くなり気になっています。
肉中心だった食生活を改め、野菜果物を増やして、太り過ぎだった体重を10kg落とし魚卵等も食べないのですが…。
3、骨転移の痛みに特徴はありますか?私は神経質なのか数値が悪いと聞いた翌日から背骨の真ん中辺りと腰に痛みが出てきました。
安静にしていると痛くありませんが、動くと背中が張ってピクッと痛みます。
4、ハーセプチン等の治療中での転移の可能性はどれ位ですか?
5、私の場合、標準治療ができなくなった事で、再発率がどの位になったのでしょうか?先生がおっしゃる75%以上できませんでした。
その時は落ち込みましたが、今は少しでもリスクを下げる事が出来ないかと考えています。
私に出来る事は何ですか?
お忙しいところ色々質問して申し訳ありません。
何とか前向きに頑張りたいと思っていますが、不安で色々考えてしまいます。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
腫瘍マーカーについては、本当に沢山の患者さんを診療し、「腫瘍マーカーの動き」と「実際どうだったか?」という膨大な蓄積からなる「私なりの結論」があり、これは理屈ではありません。
その中で得た結論の一つが「I-CTPの正常値はあてにならない」ということです。
(NCC-ST-439も同様です)
 
「血液検査でⅠCTPが11月に7.0,12月は7.5と上昇しました。その前は手術前の4月の4.0しかデータがありません。」
⇒大した値ではありません。
 しかも(術前の)「4.0」と(現在の)「7.5」の間には「間質性肺炎」という「その辺の値に十分すぎるほど影響を与えそうな疾患を経ている」ことも参考にはなります。
 ○いずれにせよ、「4.0が突然、20位」ならば考えますが、「I-CTPが7.5程度では、気にする程の値」とは考えません。(これこそ、膨大な経験からくる感覚なのです)
 
「1、先生はⅠCTP等のマーカーの数値は人によって基準値が違うこと、リスクが低い人はあまり気にしなくて良いとおっしゃっていますが、私のように腫瘍が大きく悪性度が強いタイプの人が、マーカーの数値が高く上昇傾向にある場合は、骨シンチを早く受けた方が良いのでしょうか?」
⇒上記でコメントした通りです。
 I-CTPの7.5」という数値は、気にする値ではありません。
 ○ちなみに質問者が「腫瘍が大きく悪性度が強いタイプ」には該当しません。
 
「2、転移の場合、腫瘍マーカーは連動して上がりますか?CEAが上がらずⅠCTPのみ上がることはありますか?」
⇒これは両方のケースがあります。
 「1つの腫瘍マーカーだけ」のこともあります。
 一概には言えません。
 
「また、TCの副作用で生理が止まっていますが、数値に影響しますか?尿酸値も基準値を超えて高くなり気になっています。肉中心だった食生活を改め、野菜果物を増やして、太り過ぎだった体重を10kg落とし魚卵等も食べないのですが…。」
⇒多少の影響もありますが、どちらかというと「間質性肺炎」の方が影響がありそうです(程度の問題もありますが)
 
「3、骨転移の痛みに特徴はありますか?私は神経質なのか数値が悪いと安静にしていると痛くありませんが、動くと背中が張ってピクッと痛みます。」
⇒典型的な「骨転移に伴う痛み」は「安静時」にも痛みます。
 
「4、ハーセプチン等の治療中での転移の可能性はどれ位ですか?」
⇒これは一概には言えません。
 
「5、私の場合、標準治療ができなくなった事で、再発率がどの位になったのでしょうか?先生がおっしゃる75%以上できませんでした。」
⇒これは「数字で表す」ことは困難です。
 
「私に出来る事は何ですか?」
⇒「腫瘍マーカー」の推移をもう少し「見守り」ましょう。(3カ月後位でいいです)