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ki67の線引きと、ホルモン療法の期間について

[管理番号:2226]
性別:女性
年齢:30歳
田澤先生初めまして。
私は去年の9月、29歳で乳がんになりました。
もうすぐ2歳になる子供がいて、卒乳後だったのでまさかとは思っていたら悪性でした。
その後11月に温存術+センチネルを施行し、その結果は
腫瘍サイズ:2.1×1.8×1.5cm 硬がん
リンパ転移:0/3
ER(+)95%、PR(+)95%、HER2 score1、Ki67:29% 核グレード2
主治医には放射線25回、リュープリン2年、タモキシフェン5年を指示されました。
12月からタモキシフェン、今月リュープリンを打ち、今月末から放射線のみ近医のところで行う予定となっています。
田澤先生に相談させて頂きたいことが2点あります。
1つ目はKi67についてです。
私も看護師なので、少しは知識があるので不安に感じているのですが…
Ki67は乳腺学会でも、まだ線引きが曖昧&病理医によって%に変動がある。
と理解しているのですが合ってますでしょうか?
その上で、私の場合、Ki67:29%とかなりグレーゾーンだなと思います。
主治医にも、うちの病院ではKi67が30%以上だったら化学療法を検討するけど、Ki67の値だけでは判断しないし、化学療法はやってもやらなくても…っていう微妙なラインだな…と言われ、自らの意思でケモなしを選択しました。
今働きながら、2歳の子供を育てているので、ケモすることによって、体調が悪くなったり、自分は病気なんだとメンタル的に辛くなりそうで。
主治医にそれを伝えると、それでいいと思うよ。
医者という立場でこんなこと言っちゃいけないのかもしれないけど、もしこれで再発したとしても、あのとき抗がん剤やらなかったから再発したってわけじゃないと思う。
ホルモン感受性高いから、ホルモン療法と放射線だけでも十分に効果あるから、前向きに頑張ろう。
と言われ、納得した上で今に至ります。
もし私が田澤先生の患者さんだったとしても、同じ治療法を選択されてますか?
Ki67の線引きについて教えてほしいです。
そして2つ目の質問です。
治療と妊娠に関してです。
実は乳がんに気付く2ヶ月前に初期流産しました。
今思えば、あのまま妊娠していたら乳がんに気付けず、もっと悪い状態になっていたかもしれないので、赤ちゃんが私を助けてくれたんだなと思っています。
人生計画では、本当はもう1人子供が欲しかったのですが、今は悩んでいます。
すごくわがままですが、あまり上の子と年をあけないで2人目が欲しかったのです。
このまま5年間ホルモン療法を続けて、半年あけて妊活しスムーズに授かれたとしても、出産するのが37歳になります。
上の子との年の差は9つ。
そこまでして2人目が欲しいかな…と自問自答する毎日です。
認定看護師さんにも相談させて頂きましたが、ホルモン療法を3年で1回ストップして、妊活する方法もあるし、どうしても子供が欲しい人はそういう例もあるから、こういう選択肢があるのも知っておいてねと言われました。
でも、今すでに娘がいる以上、成人するまで…お嫁に行くまで生きていたいという気持ちが1番強くあります。
ただ、兄弟がいないのは寂しい思いをさせてしまうかな?とか、もし運悪く再発・転移した場合に、父子2人になってしまうより、兄弟がいたほうが支えあっていけるかな…など考えることもあります。
3年に短縮することで、どれほど再発のリスクは高くなるのでしょうか?
質問長くなり申し訳ありません。
お時間あるときにご返答頂ければ幸いです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT2(21mm), pN0, luminal type, NG2
「主治医には放射線25回、リュープリン2年、タモキシフェン5年を指示されました。」
⇒私も同意見です。
 年齢からすればLH-RHagonistの適応があります(SOFT試験)
 
「1つ目はKi67についてです。Ki67は乳腺学会でも、まだ線引きが曖昧&病理医によって%に変動があると理解しているのですが合ってますでしょうか?」
⇒その通りです。
 St. Gallen 2015の論文では「10-30%をグレーゾーン」としています。
 ただ、実際のvotingでは「線引きは20-30%にある」が最多でした。
「その上で、私の場合、Ki67:29%とかなりグレーゾーンだなと思います。自らの意思でケモなしを選択しました。」
⇒それでいいと思います。
 
「もし私が田澤先生の患者さんだったとしても、同じ治療法を選択されてますか?」
⇒担当医と全く同様です。
 実際に「25-30%」では「自由に選択してもらう(再発率と併せての判断)」ようにしています。
 
「Ki67の線引きについて教えてほしいです。」
⇒もともと「luminalAとB」は本来は遺伝子の発現による分類(マイクロアレイを用います)であるため、それを「簡便に免疫染色で判断」するところに無理があります。
 
 その中で「Ki67」に白羽の矢が立ったのですが、「最初期には14%という数字が独り歩きしましたが」今では「バラバラ」であり、統一基準はありません。
 ということで、以下は私の個人的基準ですが…
20%以下:文句なしのAでしょう。
20-25%:これもAとしています。
25-30%:ここが本物のグレーゾーン
30%~ :Bとしています。
 
「治療と妊娠に関して」
⇒これは非常に良く遭遇する問題です。
 ホルモン療法をせず(後回しにして)に「妊娠出産」を選択される方は結構いらっしゃいます。
 私は余程のハイリスクでも無い限り、「治療無しで」妊娠出産授乳⇒その後ホルモン療法開始
 (抗がん剤が必要な場合には)「卵子凍結保存」⇒抗がん剤⇒妊娠出産授乳⇒その後ホルモン療法開始
 としています。
「3年に短縮することで、どれほど再発のリスクは高くなるのでしょうか?」
⇒タモキシフェンの「3年投与」と「5年投与」の比較試験はありませんが、「2年投与と5年投与」であればあります。
 2つの臨床試験があるのですが、対象年齢が「50歳以上や閉経後」となっています(1990年代の試験)
 その試験では「2年投与は5年投与よりも6%程度のリスク増加」がありました。
 
○「妊娠」は乳癌の再発リスクを増加させないことは解っています。
 質問者の場合には、(3年で辞めるとかではなく)「妊娠出産授乳」を先行して、その後「ホルモン療法開始(5年~10年継続)」という選択肢があります。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

お忙しい中ご返答ありがとうございます。
ki67の値はとても気になっていたので、田澤先生のご意見が伺えてよかったです。
勉強になります。
もう何点かお伺いしても宜しいでしょうか?
1つ目ですが、ki67が本当にグレーゾーンの方は、化学療法を追加する人としない人、先生の患者様だとどちらが多いですか?
本当にこれでよかったのかなと思うこともあり、気になりました。
ちなみに放射線はやるとして、私のホルモン療法単独or化学療法による
上乗せ効果はそれぞれどれくらいでしょうか?(NewAdjuvant.com、自分で調べようと思ったんですがわからなくて)
主治医にちゃんと確認しなかったんですが、化学療法しても数%の上乗せだから、やらないという選択肢もありだよと言われたような気がします。
 
2つ目ですが、ホルモン療法を後回しにして妊娠出産をした場合、再発リスクは変わらないとのことでしたが、私のようにki67がグレーゾーンでケモなしで妊娠出産した場合、その間に増殖の早いガン細胞が育ってしまう可能性はないのでしょうか?
放射線を当ててあれば、局所再発は防げて全身治療は数年開始が遅れても大丈夫ですか?
ルミナールAタイプであれば、再発するにもゆっくり成長するから先に妊娠出産しても、後からしっかりホルモン療法をすれば大丈夫そうだなと思うのですが、ルミナールBよりでケモなしだとなんとなく心配でして。
 
3つ目ですが、ホルモン療法を後回しにして妊娠出産する場合と、治療してから妊娠出産する場合では、やはり前者のほうが妊活期間等含めると再発リスクが高くなるのでしょうか?
同じ効果が見込めるのであれば、前向きに妊娠を先に考えていきたいと思いました。
また、先に妊娠出産となった場合、タモキシフェンは5年より10年続けた方がいいのでしょうか?
細かいことをお伺いしてしまって申し訳ありません。
次の受診が4月なので、それまでに子供のことを主人とも相談して、どうするのが私にとって一番良い選択なのか考えておきたいと思ったので、田澤先生がこういった場所を作ってくれていてとても感謝しております。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「1つ目ですが、ki67が本当にグレーゾーンの方は、化学療法を追加する人としない人、先生の患者様だとどちらが多いですか?本当にこれでよかったのかなと思うこともあり、気になりました。」
⇒しない方の方が若干多いです。
 特に60歳以上となるとその傾向が強くなります。
 
「ちなみに放射線はやるとして」
⇒この「放射線照射」は「生存率のため」というよりは「温存乳房内再発の抑性のため」と言う意味合いの方がより強くなります。
 これは「是非とも」受けるべきです。
 
「私のホルモン療法単独or化学療法による上乗せ効果はそれぞれどれくらいでしょうか?(NewAdjuvant.com、自分で調べようと思ったんですがわからなくて)」

⇒ 「浸潤径が2.1cm」で計算すると
ホルモン療法単独:15%
ホルモン療法+化学療法:26%(化学療法を加える事による上乗せは11%)
○ちなみに「2.0cm」で計算すると
ホルモン療法単独:11%
ホルモン療法+化学療法:18%(化学療法を加える事による上乗せは7%)
 
 ★浸潤径が「1.1~2.0」と「2.1~3.0」に分かれるため、質問者の場合には微妙になります。
 両方を考え合わせると(化学療法による上乗せは)「10%弱」となります。
 
「私のようにki67がグレーゾーンでケモなしで妊娠出産した場合、その間に増殖の早いガン細胞が育ってしまう可能性はないのでしょうか?」
⇒Ki67=29%はそれ程の高さではありません。
 
「放射線を当ててあれば、局所再発は防げて全身治療は数年開始が遅れても大丈夫ですか?」
⇒そもそも「局所再発は低リスク」なので、「放射線照射は無関係」と思います。
 
 
「ルミナールAタイプであれば、再発するにもゆっくり成長するから先に妊娠出産しても、後からしっかりホルモン療法をすれば大丈夫そうだなと思うのですが、ルミナールBよりでケモなしだとなんとなく心配でして。」
⇒もし、そのような心配をするのであれば、「卵子凍結保存」して抗がん剤⇒「妊娠出産」⇒「ホルモン療法」がバランスがとれていると言えます。
 ただし、その辺の細かいエビデンスは無いのです。
 
「ホルモン療法を後回しにして妊娠出産する場合と、治療してから妊娠出産する場合では、やはり前者のほうが妊活期間等含めると再発リスクが高くなるのでしょうか?」
⇒これについてもエビデンスはありません。
 おそらく「数字で出るほどの違いは無い」と思います。
 「妊娠出産は乳癌の予後に影響しない」というのは、それらの事例も含んでいる筈です。
 
「先に妊娠出産となった場合、タモキシフェンは5年より10年続けた方がいいのでしょうか?」
⇒「妊娠出産を先or 後」とは無関係に「30歳という年齢」からは「長期間のホルモン療法が重要」だと思います。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生、お忙しい中ご返答感謝致します。
先生が教えて下さった知識を主人とも相談の上今後のことを話しましたが、やはり治療を優先させて、第二子はどうしても欲しくなったときに検討することにしました。
今はルミナールAだと信じ、ki67のことは考えすぎずホルモン療法を継続させて根治を目指していきたいと思います。
30歳という年齢を考えたら、本当だったらTC療法を追加しておいたほうが良いのかもしれません。
しかし10%以下の上乗せを期待して化学療法を追加をするのは副作用を考えると避けたいと思ってしまうのと、卵子の凍結等にかかる費用を考えると難しい現状です。
あと今更ながら、素人な質問させて下さい。
ホルモン療法の副作用について教えて下さい。
12月からタモキシフェン、1月上旬からリュープリンを始めたのですが、今の所目立った副作用が何もありません。
注射を打った部分も翌々日くらいにはどこに打ったかもわからないくらい、なんの痛みも腫れもありません。
まだホルモン値が下がりきっていないからという可能性もあるのかもしれませんが、どこかで副作用が強いほうが効果が出ているという記事をみて、私の場合何も副作用がないことが不安に思えてきました。
副作用が強く出ているほうが効果が出ているという情報に信憑性はありますか?
あと他の記事も見ていてふと気になったのですが、私は健診センターで働いているので、20代から毎年人間ドックを受けており、毎年乳USを受けていました。
そこで指摘されていたのは乳腺症のみでした。
MMGも1度オプションで追加してみたことはありますが、やはり乳腺が目立ち見づらかったです。
妊娠、出産、授乳期に健診を受けておらず、自己触診に気付き2年ぶりに乳USをして、2cmの硬がんが見つかりました。
おそらくもともとあった乳腺症の中に乳がんが隠れていたのかもしれませんが、それが2年間で2cmのサイズになるのは、育つスピード早いですか?
妊娠による乳房の変化も影響していたのでしょうか?
妊娠、授乳期の乳がんは予後が悪いいう記事もみたことがあるので、実際のところどうなのか知りたいです。
今は田澤先生に出会えたので、それ以降は他のサイトは見ていないのですが、以前見てしまった情報を思い出し不安になることがあるので、正しい情報が知りたいです。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「まだホルモン値が下がりきっていないからという可能性もあるのかもしれませんが、どこかで副作用が強いほうが効果が出ているという記事をみて、私の場合何も副作用がないことが不安に思えてきました。」「副作用が強く出ているほうが効果が出ているという情報に信憑性はありますか?」
⇒誤りです。
 ホルモン療法に限らず、抗がん剤でも「副作用が軽いと、効いていないのではないか?」としばしば聞かれます。 そんなことはありません。
 
「おそらくもともとあった乳腺症の中に乳がんが隠れていたのかもしれませんが、それが2年間で2cmのサイズになるのは、育つスピード早いですか?」
⇒「2年間で2cm」全く早くありません。
 逆に「半年で2cm」ならば「検診の見落としを疑う」でしょう。
 つまり、「大して意味のないす。
 
「妊娠、授乳期の乳がんは予後が悪いいう記事もみたことがあるので、実際のところどうなのか知りたいです。」
⇒誤りです。
 昔は「妊娠、授乳期乳癌は予後が悪い」などと言われていましたが、それは誤りだと解っています。
 要は「妊娠、授乳期には病院に行きづらいので発見が遅れる⇒相対的にステージが高い」というだけなのです。
 つまり「同ステージで比較」すれば全く同様です。
 
「今は田澤先生に出会えたので、それ以降は他のサイトは見ていないのですが、以前見てしまった情報を思い出し不安になることがあるので、正しい情報が知りたいです。」
⇒どうしようもない「不安を煽るようなサイト」は閲覧しないことをお勧めします。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

ご返答ありがとうございます。
副作用がない件に関して安心しました。
信憑性のない情報に躍らされぬように、これからもこちらのQ&Aのみ参考にさせて頂きます。
お忙しい中何度も質問してしまって申し訳ありませんが、もう少しだけ教えて下さい。
ホルモン療法単独orホルモン療法+化学療法による上乗せ効果を教えて頂きましたが、無治療による再発率も教えて頂けますか?
サイズも微妙なので、1.1~2.0と2.1~3.0両方のパターンで知りたいです。
他の質問者の方の回答を見ていて気になったのですが、年齢によりLH-RHagonistの適応があるとのことでしたが、リュープリンを打つことによって、タモキシフェン単独よりも再発予防効果が高くなっているのでしょうか?それとも、LH-RHagonistが適応でない方がタモキシフェン単独で治療されるのと同効果ということでしょうか?
また、出産を望まないのであれば、リュープリン5年+タモキシフェン10年のほうが効果的ですよね?
そして、やはりTC療法を追加したほうがいいか、今すごく悩んでいます。
ki67が31%と言われてしまえば諦めがついたかもしれないのですが…
逆に20~24%だったら、やらない!とすんなり覚悟できたかもしれません…
なんでこんな迷わせるような値なんだろうと…先生に愚痴を言ってしまってすみません。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「ホルモン療法単独orホルモン療法+化学療法による上乗せ効果を教えて頂きましたが、無治療による再発率も教えて頂けますか?サイズも微妙なので、1.1~2.0と2.1~3.0両方のパターンで知りたいです。」

無治療 ホルモン療法単剤 ホルモン療法+化学療法
1.1~2.0 32% 21% 14%
2.1~3.0 47% 32% 21%

「年齢によりLH-RHagonistの適応があるとのことでしたが、リュープリンを打つことによって、タモキシフェン単独よりも再発予防効果が高くなっているのでしょうか?」
⇒35歳未満では「その通り」です。
 
「それとも、LH-RHagonistが適応でない方がタモキシフェン単独で治療されるのと同効果ということでしょうか?」
⇒単純に、
 35歳未満では「タモキシフェン単剤vsタモキシフェン+LH-RHagonistで有意差がみられたが、「それ以上の年代では有意差が無かった」という事実です。
 
「また、出産を望まないのであれば、リュープリン5年+タモキシフェン10年のほうが効果的ですよね?」
⇒そうです。
 
「そして、やはりTC療法を追加したほうがいいか、今すごく悩んでいます。」
⇒数字をみて「自分の価値観」で判断すべきです。
 
 

 

質問者様から 【質問5】

田澤先生、お忙しい中のお返事感謝致します。
ホルモン療法を続けることでも効果がありそうなので、今の気持ちではホルモン療法だけで過ごせたらと思いますが、子供や家族のことを考えるとTC療法を追加した方が後悔がないのかな…とまだ悩んでいます(苦笑)
先生に教えて頂いた情報を頭に置き、放射線療法が始まったので、次の受診まで化学療法についてゆっくり考えてみようと思います。
別の質問になってしまうのですが、抗がん剤について教えて下さい。
もしTC療法を行う場合ですが、まだ妊娠出産を決めかねています。
(卵子凍結してまで絶対欲しいかと言われると悩みます)
まだ30歳なので卵巣機能が戻る可能性のほうが高いかとは思いますが、このまま戻らないこともありますよね?
リュープリンを併用することによって、抗がん剤をした際に少しは卵巣機能は守られるのでしょうか?
そしてもう1点、教えて頂いたSOFT試験について詳しくわかっていなかったので調べてみました。
( 参照したのはこちら
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/news/201412/539918.html )
そして、年齢によってOFSの意義はよく理解できたのですが、こちらを読んでいて1つ疑問に思ったことがあります。
35歳以下にOFS+タモキシフェンよりも、OFS+アロマターゼ阻害薬のほうが効果があるように思えたのですが、アロマターゼ阻害薬は閉経後の方に有効な薬なのかと思っていました。
これは、効果はあるけど、まだ閉経前の患者には保険適応ではないからとかが理由なんでしょうか?
ここからは田澤先生へのメッセージです。
いつも親身に相談に乗って頂いてありがとうございます。
他の質問者の方へもとても丁寧に返答されていて、先生のお人柄が伺えます(^^)
なによりもう何千件もの返答を続けていることが、なかなか真似できない素晴らしいことだと思います。
お会いしたことはないですが、田澤先生は私にとって主治医のように信頼できる素敵な先生なので、これからもお身体に気を付けて頑張って下さい。
どこかの質問で、毎日1L飲んでるってコメントを見て笑いました(笑)
先生にもゆっくりと休める時間があって良かったと思う反面、飲みすぎ気を付けて下さいm(__)m
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
「まだ30歳なので卵巣機能が戻る可能性のほうが高いかとは思いますが、このまま戻らないこともありますよね?」
⇒その通りです。
 
「リュープリンを併用することによって、抗がん剤をした際に少しは卵巣機能は守られるのでしょうか?」
⇒その可能性はあります。
 LH-RHagonistの併用により「化学療法誘発性閉経」の割合を低下させる複数の報告があります。
 
「35歳以下にOFS+タモキシフェンよりも、OFS+アロマターゼ阻害薬のほうが効果があるように思えた」
⇒海外では臨床の場で使われています。
 
「アロマターゼ阻害薬は閉経後の方に有効な薬なのかと思っていました。」
⇒その通りです。
 もともと、そのために開発されています。
 
「これは、効果はあるけど、まだ閉経前の患者には保険適応ではないから」
⇒その通りです。
 日本では「保険適応がない」ため、使用できません。